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2021年松本山雅FC選手総括【GK編】

シーズン開幕前に「勝点84&得点84」という壮大な目標を掲げながら、終わってみれば勝点34で最下位。2022シーズンをJ3の舞台で戦うことになった。

当初の期待値と現実の高低差がエグすぎて、耳がキーンとなっている人も多いのではないだろうか。僕も、最終戦が終わって1週間が経過しようとしている今もまだ、ふわふわして現実を受け入れきれていない。

この記事では、そんな現実を受け止めて来季へ向けて歩みを進めるために、まずは今シーズンを総括したいと思う。

GK編、DF編、MF編、FW編と4回に分けて各選手の短評を書いていく。夏に移籍していった選手は含めるが、他クラブに期限付き移籍している面々は僕が直接プレーを見れていないので割愛する。

ではいってみよう。


凡例

#背番号 選手名
リーグ戦出場試合数(うち先発試合数)出場時間 得点 アシスト


GK編

#1 圍謙太朗

26試合出場(先発26試合)2340分

今季の松本山雅の守護神。チームの成績が奮わなかったため、村山智彦にゴールマウスを明け渡すこともあったが、GK陣で最も出場時間を長く記録した選手である。シュートストップの安定感は抜群で、彼がいなければ10点くらい失点は増えていたと思う。また、アルウィンの逆風を物ともしないキック力も魅力。悠々とハーフラインを超え、時には敵陣バイタルエリアまで届けられる飛距離は驚異的。高さのあるFWがいれば、彼のキックだけで戦術になりうる。
しかし、時折致命的なミスを犯してしまうことがあったのも事実。絶対的な存在になれなかった要因のひとつだと思う。190cmという高さはアドバンテージで、本人も空中戦には自身を持っているらしい。それだけに、第39節甲府戦でウィリアン・リラに頭で押し込まれた場面なんかは、防いでほしかった失点である。
大卒で既に30歳。選手として脂の乗る年齢で、J2レベルでは全然やれる。ビルドアップで最終ラインに加わって組み立てるとかは苦手だが、ペナルティエリア内で守らせれば力を発揮できる選手。クラシカルなタイプのGKでも問題ないチームならば引く手はありそうだが。

個人的にツボだったトレーニング動画。


#21 村山智彦

16試合出場(先発16試合)1440分

飯田が退団したことにより、累計の在籍年数が田中隼磨と並んでチーム最長(8年)となった古株。開幕戦からベンチを温める日々が続き、先発の機会が回ってきたのは第9節。開幕から8試合でわずか1勝と調子の上がらないチームに劇薬を投下する形で守護神の交代に踏み切ったタイミングだった。ここから7試合連続でスタメンに名を連ね、3勝2分2敗と立て直しに成功。しかし、第15節アウェイ栃木戦を経て評価が一転する。セットプレー3発で沈むというショッキングな内容を受けて、やや高さ不足は否めない村山の立場が揺らいでしまった。フィールドで唯一手を使える以上、どれだけ背の大きい選手がジャンプするよりも高い位置でボールに触れるのは必然。そして、今季決して身長の大きい選手が揃わなかったDF陣を考えると、心許なくなってしまったのかもしれない。
それ以降も、チーム成績が下降線になるとスタメンに返り咲くこともあったが、定位置確保には至らず。
責任感が強く、クラブへの深い愛が故の行動だと思うが、シーズン中から積極的にSNSを通じて発信・サポーターと意見交換していた。時に意図しない方向へ解釈されてプチ炎上してしまうこともあったが、相模原戦後に人目もはばからず流していた涙にグッときた。来季以降も松本山雅をアツく盛り上げていってほしいと思う。

こういう投稿をさらっとできる彼は人情派。


#21 ゴ・ドンミン

出場なし

2月4日のトレーニング中に右膝外側半月板損傷の大怪我をしてしまい、キャンプ中のチームを離脱して帰国。今季の復帰は難しいかと思っていたが、8月の天皇杯で戻ってきた。その試合ではベンチ入りするも出場はなし。それ以降のリーグ戦では、残留争いに巻き込まれたチーム事情も災いしてメンバー入りもままならなかった。今季もまた、松本でのリーグ戦デビューを果たすことは叶わず。
来年23歳・プロ5年目ということで、岐路に立たされそう。他クラブへのレンタルか、それとも松本に残って来季の守護神争いに身を置くか。前者を選ぶにしてもJ3に降格してしまったのはマイナス要因となりそう。松本との直接対決には出場出来ない条項を盛り込んだ契約でレンタルするのが現実的な路線になるだろうか。愛らしいルックスで女性ファンも多いと聞くので、ぜひとも頑張ってほしいが。


#35 神田渉馬

出場なし

稲福卓と共に下部組織から初めてトップ昇格した選手。第14節の金沢戦でベンチ入りした以外は試合に絡むことが出来ないまま1年目のシーズンを終えた。練習も見れていないので、なんともコメントしづらい。風のうわさで聞いたところだと、GK陣の中で足元が一番上手いのは彼らしい。モダンなタイプであれば、シュートストップなどGKとしての基本ができてくれば、名波監督の下ではチャンスが巡ってきそうな気もする。頑張ってほしい。

卒業式に参加できず、遺影みたいな写り方している神田くん。



One Sou1

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