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~挑戦よ再び~J2 第2節 松本山雅vsツエーゲン金沢 レビュー

試合前

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両チームスタメン

スタメン

両チーム開幕戦からの変更は1名のみ。
金沢は山雅から期限付き移籍中で規定により出場できない下川に代わり高安。
松本は左SBが高橋諒から高木へ変更。両SBは固定されていたポジションだっただけに、コンディション不良だったのかもしれない。情報知っている方いたらくださいm(__)m

大きく変わったのは控えメンバー。
開幕戦は、圍、浦田、古田、山本、イズマ、ジャエル、高木彰。
今日はというと、圍、常田、アルヴァロ・ロドリゲス、山本、久保田、高木彰という面々。個で状況を打開できる選手が少ない印象で、膠着状態になった際に、理不尽なパワーで殴り勝つシーンは見られなさそうだと思ったり。

交代枠が5名に増枠されていることからも、比較的早い段階で動いたり、風向きを変えるために一気に2枚替え・3枚替えを行う可能性も予想される。そういった意味でも、大所帯である今季は控えに誰を組み込むかに注目すると、布監督の頭なの中が少し覗けるかもしれない。


相手の弱点を突く松本

プレビュー記事でも書かせていただいたが、金沢の守備の特徴を一言で表せば、『人とボールへの意識が強い』となる。自陣ではほぼマンツーマンに近い守り方をしていて、開幕戦では裏目に出るシーンが多かったのも事実。今日の松本も同様に金沢の弱点を着実に突くサッカーができていた。

まずは前半10分
右サイドで隼磨、塚川、鈴木の連携で時間を作る。ボランチの藤村を引っ張りながらSBの背後のスペースに抜け出した塚川が鈴木へ落とし、鈴木はPA内でボールを引き出した阪野へ。この時、相手CBの山田を阪野が引き付けている。同時に、インナーラップで駆け上がった隼磨のフォローにボランチの大橋が対応した。
ここまでの状況説明で、相手の両ボランチが本来の持ち場を完全に離れてしまっているのにお気づきだろうか。相手右SHの金子が中央に寄って来てはいたが、背後には杉本もいたため動けない。結果として、フリーになったセルジがボランチが消えたスペースからシュートを放った。枠には飛ばなかったが()

前半10分


続けては、前半18分のシーン。
左サイドでボールを持ったセルジーニョ。背後を高木がオーバーラップをすると、マークについていた高安と(本来はセルジーニョを見るべき)山田も高木の動きに釣られてステップを踏んでしまう。(正直なところ、高安が山田の前を視界を遮るように通ったことも要因な気はする)セルジーニョがその動きを見逃さずにカットインから強烈な一撃を見舞うが、ボールは惜しくもクロスバー直撃。決まっていれば今週のベストゴールにノミネート間違いなしだったはず。
このシーンも高木の効果的なランニングが相手を動かしてチャンスを創出していた。

前半18分


最後は前半30分のシーン。
左サイドでボールを持ったセルジーニョが鈴木、塚川と2回のワンツーでバイタルエリアへ進入し、左足を振り抜くも相手選手に当たってクロスバーに弾かれてしまった。
このシーンも藤村と加藤がセルジーニョを挟み込むような形で見ていたが、結果的にはオフザボールの動きについていけず、フリーで打たせている。

前半30分



決まらない得点。膠着状態に

前半から何度も相手ゴールを脅かしておきながらも、得点が奪えない松本。

逆に、前半21分、同41分、後半5分には単純なクロスから金沢に決定機を作られてしまう。幸いにもすべて相手のミスで失点とはならなかったが、正直自動昇格を狙うようなJ2上位クラスのFWなら決められていただろう。

個人的に特に気になったのは、後半5分に藤村からのファーへのクロスを山根に合わされたシーンだ。この場面見返すと、森下と橋内がルカオのマークで被っており、隼磨が加藤を見ている。つまり、シュートを放った山根はもともと誰もマークしていなかった。そしてクロスが上がったタイミングでは隼磨が加藤にマークを外されてしまい、ファーで2人がフリーになっていた。

50分

加藤のバックステップで視界から消えてマークを外す動きに対して、あっさりとやられてしまっている隼磨に対してもモノ申したい部分は多大にある。それ以上に今季は、チームとしてクロス対応時のマークの受け渡しがあまりにもお粗末すぎる点が気がかりだ。

例えば、ルヴァン杯開幕戦でセレッソと当たった際にもブルーノ・メンデスに同様の形で隼磨の背後を突かれて失点している(1失点目)。下記動画の0分31秒~を見てほしいのだが、クロスが上がる直前に画面奥で鈴木がブルーノ・メンデスのマークを隼磨へ指示していて、隼磨も手を挙げて応えている(おそらく分かったという意味のはずだ)。だが、その直後にマークを外されて得点を許してしまっている。

改めにてになるが、今回山根に決定機を作られた場面では、➀山根のマークに戻るべき鈴木が戻り切れておらず他の選手へ指示も出せていないこと、②クロスの直前で加藤を見ていた隼磨があっさりとマークを外していることの2点が課題と思われる。②については個人の問題でそう簡単に改善するのは難しいかもしれない。しかし、➀についてはチーム内で声掛けとマークの受け渡しについて仕組み化さえできればと思う部分だ。
(正直なところ、こういった改善をしづらいのも過密日程の弊害だが、、)


スタミナ切れの終盤戦

70分を過ぎてからは両チーム完全にスタミナ切れを起こしてしまい、ゲームは完全に停滞。ゲーム体力は試合でしか培われないという話を聞いたことがあるが、本当にその通りの状況になってしまった。松本の選手も隼磨以外はほぼ全員ガス欠状態で、特に前半攻撃を牽引していたセルジーニョは完全に試合から消えてしまっていた。

途中出場の服部のポストプレーにこちらも途中出場の久保田が絡むシーンはあったが、正直なところ周りの選手は2人のフレッシュな動きについていけず。
こうなっては完全に攻め手を欠いてしまい、スコアレスでゲームセット。前半数多くあった決定機を一つでも決めきれていれば・・・と悔いの残る試合になってしまった。

ちなみに、交代カードを3枚しか使わなかった点について、個人的には致し方ない部分も大きいと思う。
個人的に高木は70分以降運動量の落ちてきたセルジーニョに代えて投入しても良かったかなと感じるが、もう1枚は使いどころが微妙だ。選手交代はゲームの流れを変えてしまう可能性が高いので、リーグ再開初戦のアウェイゲームという事を考慮すれば、スコアレスで均衡している状態であえてバランスを崩すようなリスクを取らなかったということだろう。


まとめ

2か月近い中断期間を経ての公式戦という事で、全体的に選手の動きは重く、ゲームとしても締まらない内容に終始してしまった。やはりコンディション維持は容易ではないことを現実として突きつけられた形だ。

何よりの懸念は橋内の負傷交代だろう。守備の要である彼を欠くことは過密日程を考えると非常に痛いし、今日のように服部をパワープレー要員としてベンチに座らせる余裕がなくなってきそうである。常田を仙台から獲得していたフロントには、グッジョブとだけ言っておきたい。

ここから怒涛の連戦が待っている。移動と回復に時間を割かなければいけない選手のコンディションが劇的に良くなることはあまり想定しづらく、おそらくベストメンバーかつ入念な準備をして臨める試合は今季存在しないだろう。ベテラン選手だけに限らず、橋内のように負傷者も増えてくるはずだ。

ここからの総力戦で、いい意味でJ2昇格当初の泥臭くも1点をもぎ取って勝ち切るという松本を見ることになるのか、自分たちでボールを握るという信念を貫く松本が見られるのか非常に楽しみである。まだまだ始まったばかり。あらゆることを想定して、見守れればと思う。

ではまた。

俺達は常に挑戦者
One Sou1


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