#よなよなあーと_4- ダンスの価値と価格帯/そこのメニュー表から考える
バイソンジャーナル 「よなよなーと」その4
バイソンジャーナル 「よなよなーと」とは、ダンサー・振付家のならさきゆきのがバイソン(神戸にある廃屋建築集団が運営するカルチャーな村)に滞在中、日々過ごす中で、感じるよしなきことを、よなよな、ぼーっとふわっと綴る滞在日記。アートやダンス、ライフについて考える。
20240313
私のダンスの価値と価格帯について、今、考えている。
なぜかバイソンの南極(シェアハウスの名前)の出入り口のところに、昔の喫茶店のメニュー看板があって、そこにドリンクの値段が書いてあるのだが、そのメニュー表が目についた。
「コーヒー:350円」「ココア:450円」………………
その値段の違いってなんだろう?
農家さんの顔の見えるコーヒー豆を使っていたら、本当は、既製品のココアより、価格は高いかもしれない。ココアは、甘さがあって、少しリッチなイメージがある。砂糖が貴重品だった過去の歴史の中で紡がれた物語なのだろうか。
ともかく、価格の裏側には、そのドリンクが出てくるまでのストーリーに価値があるのだろう。
私はいつでも踊れる。
だけど、動きのリサーチ、テーマにおける学びや人生のフィールドワーク、音響と身体の関係性、心理的、生物学的に何を人が感じるのか、という日頃のアンテナのはり方、自分の体のメンテナンス、、、、など、「おどる」までのいろいろな要素に、膨大なストーリーと時間がある。
自分は「踊り屋」であり、踊る身体そのもの自体で勝負していて、そこまでのストーリーの部分を人にあえて見せることは、あまりないのだが、そこにこそ価値があって、人は共感するものかもしれない、と思ったりする。
ココアや、コーヒーと同じ値段払ってくれる人がいるとしたら、私は、どんな踊りをするのか、ダンサーとして何を提供できるのか?
ダンスそのもの?
体調に合わせたストレッチ方法?
マッサージ?
筋肉ほぐすアロマの知識?
ダンスそのものを提供するなら、ー何分ぐらい? ーどんな音響効果で?
その答えが出るのは、人が目の前にいて、私のダンスやダンサーのしていることに需要がある時である。
その需要というものは、どうやってつくればいいのか。
コーヒーの需要、ココアの需要、はどうやってできたのか。
きっと、外国から入ってきて、誰かがそれを広めて、いろんな人が飲む機会があって、それが美味しかったから、もしくはステータスになったから、広まった。シンプルだと思う。
そうやって価値が創られる。
とにかく、私が、仲間と踊ることで、コンテンポラリーダンスというものに触れる人が増えたら、少しずつ、後で価値がついてくるのか。
価値をつけていく必要があるが、まずは、需要が必要である。。。。。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー〈 バイソンについて 〉
神戸にある廃屋建築集団、西村組が改修した空き家群です。現在の私の住まいでもあります。ギャラリー、地下ギャラリー、アトリエ兼住宅、コワーキングオフィス、シェアハウス、共同茶室などの棟が連なっています。
この場所で、作品ができていく(かもしれない)ことに、ワクワクしています。この空間でパフォーマンスをすることもあります。
アーティスト、建築家、デザイナー、様々な方が集まる面白い場所なので、ぜひ情報チェックを!
廃屋グループ、西村組のインスタグラム:https://www.instagram.com/haioku_group/
バイソンに関連する記事:
①https://news.yahoo.co.jp/expert/articles/5d2b86eed90642446d15b577bc37a4f25de797ce
②https://www.tokyoartbeat.com/articles/-/haioku-artist-in-residency-photoreport-202311
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