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子どもたちとつくる新聞 創刊1年とこれから

隣のおばちゃん情報から最新の飲食店情報まで。鹿児島市名山町で子ども記者と発行する超ローカル「名山新聞」。
2020年9月の創刊から1年。
日本地域情報コンテンツ大賞にエントリーしてみました!!!
名山新聞の投票ページはこちら
期間は9月25日(土)~10月26日(月)
ぜひ、
一日一票
を日課にしていただき、お知り合いにもオススメいただけますと幸いです。

追記:10/27
中間発表の結果は5位!
最終結果は11/22に発表されます。応援ありがとうございました♪

この記事は名山新聞の1年の歩みをまとめたものです。
こんなふうに地域新聞をつくりたい!という方、ぜひご連絡ください^^
ツイッター 名山まちあるき隊 でも発信中

名山新聞編集長 門間ゆきの

名山新聞とは

“自分たちのまちを知ろう”をテーマに、元新聞記者の編集長と小学生を中心とした子ども記者が鹿児島市名山町で月刊200部を発行しています。
名山の人に名山の情報を早く詳しく伝える“どローカル”な新聞です。

名山町(めいざんちょう)
古き良き、新しきまち。昭和の香り漂う木造家屋、狭い路地、昔ながらの居酒屋やクリーニング屋、最近できたカフェやバー、個性光るギャラリーや古本屋…。鹿児島市中心部の人口約340人、歩いて一周15分もかからない小さなまちに、面白い人や歴史がいっぱい詰まっています。

名山風景

名山新聞創刊1年概要

名山新聞創刊1年menbar

名山新聞概要
創刊:2020年9月21日
形態:A4・裏表カラー。月刊200部。回覧板で町内会全戸配布&飲食店などに手渡し。
編集長:門間ゆきの(1993年、名古屋市出身。2017年〜鹿児島の南日本新聞記者。同年4月よりフリーライター。詳しいプロフィールはこちら
子ども記者:幼稚園児〜中学1年まで町内外18人
特徴:“名山の人が名山を知ってつながる”新聞。
元新聞記者の編集長が子ども記者たちと毎月まちを歩き、取材の仕方や記事の書き方をアドバイスしながら仕上げます。1年でのべ81人を取材しました。

きっかけはコロナ禍の夏休み

2020年、コロナ禍の夏休み。「行事は全部中止。子どもたちにとって楽しいことが何もない」と名山の小学生のお母さんが漏らすのを聞きました。
それ以前に「名山まちあるきマップ」や「おうちde名山お持ち帰りスタンプラリー」などを企画し、名山の面白さにハマっていた私は、「夏休みの自由研究に、まちの人インタビューはどうですか?」と提案。小学生6人とやってみました。

原田商店

1日が終わる時、小学3年生の子がお母さんの袖を引っ張り小さな声で言うのが聞こえました。

「ねえ、これ、小学校6年生になるまでやっていい?」




「いいよ、いいよ、いつでも、ずっとできるよ!!!」
私はうれしくなってつい大きな声が出ました(笑)

もともと名山のメディアを作りたいと思っていた私。誰に向けて?と考えた時、まずは、名山に暮らす自分たちが名山を知り、繋がることが、将来的にまちの強さになるのではと考えました。ウェブも考えましたが、まちの人に読んでもらうならやはり手に取ってもらえる紙媒体!(名山の高齢化率は27%を超えている!)
また、時はコロナ禍です。人の往来が制限される中、外の人に名山に来てもらうことを期待するよりも、自分たちが地元を知り、支える(地元にお金を落とす)流れが生まれるといいなと考えました。

こうして、毎月のまち歩きと「名山新聞」が始まりました。

まちの人たちにちゃんと知ってもらって創刊しようと、長老たちを集めて直談判(新聞を作りたいので応援してくださいませんか)もしました。

直弾ばん

1年活動し、見えてきた変化を綴ってみます。

子どもたちの変化

 今年9月、子どもたちに1年間振り返りシートを書いてもらいました。

名山新聞創刊1年振り返り

①取材力、まとめる力、自信

子ども記者の声:「インタビューが上手くなった」「新聞の書き方がわかった」

1年前はインタビューに行っても、「大人の話はよくわからん」という顔でぼーっと聞いているだけで、「質問は?」と聞かれてももじもじしていた子どもたち。今では、我先にと手を挙げて質問し、ノートにびっしりとメモを取るようになりました。大人の話すスピードによくついていくものだと感心します。

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(↑質問は?と聞かれ挙手する子ども記者。ホテル福丸で黄綬褒章を授章したシェフを取材した時、本当に記者会見みたいでした)

ノート

(↑子ども記者のノート。活動開始から10ヶ月の頃)

自分たちがつくった新聞を名山小学校の校長先生やまちの飲食店の人たちが貼ってくれるのを見ると自信にもなるようです。

校長室

(↑名山小学校の校長室)

②コミュニケーション力・チームワーク

子ども記者の声:「友達がたくさんできてうれしかった」「自分から話せるようになった」

幼稚園年長さんから中学1年まで。一緒に活動していると、年上の子が下の子に教えてあげる風景が見られるようになりました。名山の外から来てくれる子ともすぐに仲良くなります。

教えあい


チーム分け

(↑取材のチーム分け)

私の友人(大学生や20代が多い)がサポートに来てくれると、子どもたちにとっては「お兄さんお姉さん」みたいでうれしいようです。すごくはしゃいで遊びます。

りーりおと

(↑大学生のお姉さんとまち歩き)

人見知りで全然しゃべらなかった子が本当によくしゃべるようになりました。

③自分の暮らすまちへの知識、誇り、変化を捉えること

子ども記者の声:「名山にはすごい人がたくさんいる」「名山にはいい人しかいない」「みんなが知らない名山のことをもっと新聞にしたい」

「最近の子どもたちは、スマホに習い事に娯楽がたくさんあって忙しくて、近所のおじさんおばさんに話を聞きにいくとか ”まち歩き”なんて子どもにとってはつまらないんじゃないか」
私は最初、子どもたちがどんな反応を示すか不安でした。
でも、心配無用でした。

クワガた

いつも挨拶するおじさんがクワガタマニアだった!
黄綬褒章っていう凄い賞を取ったシェフがいた!
何度も目の前を通ってきたビルだけど入ってみたら秘密基地みたいなギャラリーだった!

半径150メートルの小さなまちの多様性や奥深さ、人と繋がる楽しさを感じ、まちへの知識や考察も深まっていきます。

例えば、クイズ「●●はいくつある?」コーナーは、テーマを決めてまちを歩き、正の字を書いて数えた情報をクイズにします。「コインパーキングの台数は?」「飲食店の数は?」などを数えながら、古い家が取り壊されて駐車場に変わっていく様子を心に留めたり、「時短営業」や「休業」の張り紙を見てコロナの影響を考えたり。

コロナ禍で遠くへ行けなくても、イベントがなくても、自分が暮らす身近なまちに、学び楽しむ材料はたくさんあります。

大人たちの変化

大人たちの声:「子どもたちの名前がわかるようになった」「今度のネタに、どう?」

毎月子どもたちとぞろぞろまちを歩いていると、大人たちが「今日はまち歩き?新聞楽しみにしているよ」と声をかけてくれるようになりました。子どもたちの顔と名前も知ってもらえるようになり、地域で子どもを見守る雰囲気ができつつあります。

クリーニング

(↑クリーニング屋さんの「はなちゃん」に新聞を渡しにいく)

創刊当初は毎月発行するほどネタがあるだろうか?と心配でしたが、新聞が定着してくるにつれて、取材に呼んでもらえるようにもなりました。

まちの内と外がつながってきた

もう何十年と名山に暮らす方から「こんな人が近くにいるとは知らなかった」と言っていただいたり、名山にお食事にいらした外の方から「飲食店で見つけてファンになった。読んで名山の勉強をしている」と言っていただいたり。内向けにつくり始めた新聞ですが、内側を掘り下げることは、外の人にとっての価値にもつながるのだなと感じています。

バカンス

コンテンツ大賞への挑戦

これからも、「名山新聞」を名山内外の人がつながる媒体に成長させていきたい。創刊一年、何かに挑戦したいなと調べていたら日本地域情報コンテンツ大賞を見つけました。
エントリーは一年のあゆみを振り返り、これからへ向けて応援者を増やす一つのきっかけです。
ぜひ、多くの方に一ヶ月間、一日一票、ご協力いただけますと幸いです。
読者投票はこちら
(同一IPアドレス/同一ブラウザからの1日複数回の投票は無効です)

((((読者投票部門で選ばれちゃったりなんかしちゃったら、まちの人も子どもたちも、めっちゃうれしいだろうなああああ!))))

エントリー媒体一覧をご覧になればわかるのですが、名山新聞とは規模もクオリティも桁違いに”スゴイ”媒体がずらり。この”場違い感”はもはやネタ!エントリーしないわけにはいかんやろ!!というのも本音の一つであります

地域新聞をつくってみたい方へ

”自分たちの暮らす地域を知る”
地域新聞をつくってみたい方は、創刊や仕組みづくりをお手伝いいたします。ぜひお気軽にご連絡ください^^

連絡先:名山新聞編集長 門間
Twitter 名山まちあるき隊へのDM
または
メール(meizan.machiarukitai@gmail.com)

バックナンバーのご案内

最後までお読みいただき、ありがとうございました。
これからも名山新聞をよろしくお願いします。

2021年9月25日 名山新聞編集長 門間ゆきの

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