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鹿を食べる。

昨日は都内のとあるワークショップで鹿を捌きました。

以前から狩猟、屠殺に興味がありました。
例えば焼肉屋に行って
好きな部位を選ぶとき
どこがどこにくっついてた部位なのか検討もつかず
とりあえず聞いたことあるお肉を頼むという日常に
こんなんでいいのかなという気持ちがありました。

もし自分が今里山に放り出されたら
肉の捌き方も知らずに
肉を前に飢えて死ぬに違いない。

肉が肉になる前の状態を知りたい
知ってから自分の気持ちがどう変化するのも知っておきたい
好奇心をいっぱい抱えて参加しました。

参加した人は総勢25名
皆多少の動機は違えど似か寄った好奇心を抱えていました。

狩人さんが丁寧に切り方を説明。
コミカルに冗談を挟みながら手際よく肉を部位ごとに分けたり切り方を指導。次第に焼肉屋で聞いたことのある名前が出てくる。

最初はさっきまで歩いていたように感じるくらい自然な死体だったのに
ものの1時間で皮を剥がれ、肉塊となっていました。
その時の心境の変化は自分でも驚くほど落ち着いていて
筋肉の仕組みや肉の解体に集中していました。

一緒に見学していた息子(3歳)は
最初から鹿を肉としか見ていなかったようで
「早く食べたいな〜〜」なんて呑気なことを言っていました。

解体を終えた部位は次から次へと炭火で焼かれ
ビールと共に肉を食べました。

体力勝負の作業を終えた後の鹿肉は、血液が奮い立つような味がしました。
さっぱりした味わいでいくら食べてももたれませんでした。
ただ、流石に反動で野菜が欲しくなり
夕飯は炒め野菜とご飯で済ましました。

その日の夜、お風呂に入ると
いつもより体が熱い
子供達の頬も赤く火照って
全身に血が巡っているように感じて
夜もすぐに熟睡できました。
執筆している今も
内側からなんとなく温かいような気がします。
鹿肉、すごい

スーパーで買う肉にはろくに感謝もしたことないのに
昨日捌いた鹿には何度も感謝と畏敬の念を感じています。

あと体験したからやっとわかったことだけど
解体作業は生半可なものじゃなかった。
25人がせっせと作業しても
食べられるようになるのに丸々2時間かかります。
美味しく食べられるようにするまでには
本来途方も無いほど時間と労力がかかることを、知っているようで何も知らなかった。

カフェで仕事しながら
自分は何やってるんだろうなと物思いに耽る。
なんだか今日はいつもより元気だけど、いつもより考えがまとまらない。

(1h 紅茶とともに カフェにて)

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