みっつの『ち』
新下関駅から徒歩約10分の場所に『ちー食堂』はある。
おふくろの味がコンセプトの食堂だ。ここでは働いている人が、「従業員」ではなく、「おかん」と呼ばれている。いつ行っても、おかん方が明るく元気はつらつに出迎えてくれる。
『ちー食堂』の創業者である山下さんは不動産業も営んでおり、中古物件リノベーション販売をメインにしているだけあって、店内もセンス良く、ナチュラルな感じに仕上がっている。
和室もあり縁側で庭を眺めながらの食事もできる。
山下さんとはかれこれ長い付き合いで、行った際には一緒に食事をするのだが、ご馳走になった上、いつもPayPayで自分の分までスマートに支払いを済ませてくれる。そのため、日替り定食の価格が思い出せないでいる…笑
この内容でかなりリーズナブルなのは覚えている。リーズナブルな価格設定、スマート払い。
彼は細身だが、太っ腹なのである。
不動産事業部の事務所も同じ建物内にあり、休みの日以外はこの昼ごはんを食べていると言うのだから、なんとも贅沢でうらやましい。しかも日替りで。
『ちー食堂』の名前の由来が気になっていた。ちーさんという、おかんがいるのかな?と思いながら聞いてみるとそんな単純なものではなかった。
山下さん曰く、『ち』には3つの意味を込めているらしい。
・地産地消の『ち』
・食べるものが体・血をつくるの『ち』
・粗食。お腹いっぱいは体に良く無い。腹八分。小さく食べるの『ち』
そして、ちー食堂の“ー”の伸ばす部分には
“3つの『ち』に込められたそれらの食事を、次世代に残す、伝える、続けていく→ ー”という意味を込めている。
だそうだ。
たしかに、地元下関のとれたて野菜が入った具だくさんのみそ汁や漬けものなどの発酵食品は栄養バランスもよく、自然としっかり噛んでたべるので少量でも満腹感を感じる。ゆっくり食べるので会話もはずむ。
ゆっくり食べ終わった後はもちろん、翌日も体調がすっきりして『整ってる感』がハンパない。
そして美味しさの秘密は何か?きっと食材だけではなく、おかん方にある。
おかん方は、「愛情たっぷりで作ってるのよ〜!」なんて、飾り気なしの満面な笑みで言っていたりする。笑
その一方で「料理は科学だ!」なんて言うプロの料理人もいたりもする。
もちろんプロと言うだけあって美味しいとは思うが、同じ食材、同じ調理方であっても料理は作り手によって美味しさが変わる非科学的なものでもあると思う。そう、おかん達はすごい!
いつも、なるほどなぁと店をあとにしている。『ちー食堂』は学びの場でもあるのだ。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?