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デザインコンサルとイノベーションスクールでの10年間から考える「個人の創造的能力」の高め方

30歳でコンサル脳からクリエイティブ脳への進化

「イノベーション」という言葉、毎日いろんなところで目にします。

私は、10年ほど前に、東京大学にてスタートしたイノベーション教育プログラムの「i.school」(旧称:東京大学i.school)への「学生」としての参加をきっかけに、「イノベーション」の世界に入り込みました。

当時の私は、大学院終了後に野村総合研究所にて経営コンサルタントを3年間ほど経験した後退職し、東大院の博士課程に在籍していました。30歳の頃です。i.schoolでの学習経験は、コンサルにかぶれていた自分の脳味噌が生まれ変わって、とても創造的になったような感覚があったのをクリアに覚えています。

それ以来、今ではもうこのテーマで10年ほどが経ち、気がついたらi.schoolでディレクターを務めるようになっていて、その仕事で並行して、i.labという会社を創業し新規事業開発のコンサルタントさせていだいたり、「INNOVATION PATH」(日経BP社)という書籍を出版させていただいたり、東大・早稲田で教鞭を取らせて頂いたりしてきました。


「人の創造性はどうやったら高めることができるのかな?」

教育活動も引き続き、i.schoolや早稲田大学ビジネススクールにて、行っていますが、このnoteでは少し違った側面から、私の体験談というか実践知を提供していきたいと思っています。

普段の私は、「イノベーションマネジメント」が専門で、クライアントである大企業の「新規事業アイデア創出のために」とか、「新規事業を生み出す人材を育成するために」とか言ってます。

でも、このnoteでは、もっと基盤となる部分、「人の創造性はどうやったら高めることができるのかな?」という素直なテーマで記事を書いていきます。

別に、「イノベーション」とか、「新規事業開発」とか、そういうお仕事の人ではない人にとっても、日々創造性が求められる世の中ですからね。在宅ワークをしていると、仕事だけではなくて、家事や育児の時でも普通に創造的思考は求められます。

noteでは、それくらい、私たちの生活の広い分野で活用できるような、創造的な能力について考えていきます。


創造的な成果物の品質は「やり方」と「能力」の掛け算の面積

仕事だろうが、家事だろうが、目の前に創造的な成果物が求められる何らかの用事(=タスク)があるとします。そして、その成果品質は、以下の図のような「やり方」と「個人能力」、それぞれの習得度の掛け算で決まるとします。つまり、その面積が成果物品質というイメージですね。

当たり前ですが、やり方の習熟度が高ければ、より成果物品質は高くなりますし、一方で、能力が高ければ、また成果物品質の面積が大きくなります。

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自己反省:「能力」の向上よりも、「やり方」の習得を重視

(自分の10年間の「イノベーション教育」の反省も含めて言いますが)創造性やイノベーションをキーワードとした教育機会では、十中八九「やり方」の知識習得のみを行っています。

新しいフレームワークや思考プロセス、インタビューのやり方、グループワークの仕方、ブレストのやり方、、、ほとんど「やり方」の紹介と知識習得です。

バスケットボールで例えると、ルールを学んで、ドリブルとパス、シュートみたいな基本的な動作を紹介されて、チーム組んでさぁ練習試合をしてみましょう、という感じです。

ちなみに、練習試合で学ぶことは否定はしていませんし、いい面としては、練習より本番ぽくて「楽しい」という点があります。また、個人能力が異なる人が混在している場合でも、練習試合を通じて、それぞれが大なり小なり何か学ぶことがあるというのも良い点です。


やりたいのは、創造的思考のための、頭の筋トレ

たぶん私が気になっている問題としては、バスケットボールのやり方は教えているのですが、個人技として、どうやったらより上手に、ドリブルやパス、シュートが出来るようになれるのかまでは、教えていないということかなと。さらに言うと、ドリブルやパス、シュートみたいに、学ぶべき能力の特定も、実はあまりできていないような気がします。

まして、そのさらに基礎となる、「筋トレ」のようなことは全くできていないのが実情です。いい感じに筋肉ついたら、むしろバスケットボールだけではなく、サッカー、テニスにも役立ちます。

noteでは、創造的な成果物を出すための、プロセスとかツールみたいな「やり方」の知識習得ではなく、身に着けるべき「能力」の方の特定と高め方に焦点を当てて記事を書いていきます。さらに、能力の中でも、特に「筋肉」というか、汎用的に使えるように、より基礎的な部分を重視していきます。


次回予告:一つ目の能力は、「メタ認知」です。お楽しみに。


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