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【エッセイ】字数制限2000字を巡る戦いの記録

noterによるハンドメイド展示交流会(noハン会)の文芸企画の字数制限は、2000字でした。



◆ ◇ ◆ ◇ ◆

僕には小説を書こうとするとついつい文章が長くなる癖があります。

最初に「まず短編を書こう」と考えてインターネットに書いた小説は14000字。
短編であることに間違いはないと思いますが、web小説としてはとっつきにくいですよね。

その後、他の小説投稿サイトの企画に参加した際は字数制限が4000字でした。
「そんな短くていいなら楽だな」と思っていましたが、決して楽ではありませんでした。
何故なら、4000字には全然収まらなかったからです。

まず。自分にとって気持ちのいい文章を書こうとするとどうしても描写が増えてしまう、文章が長くなるという問題。
そして。頭の中で書きたいことが膨らみ過ぎてしまう、ストーリーが長くなるという問題。

その後、noteを始めてからは10000字程度のものをひとつ書きましたが、noteでもやはりそれは長いということがわかり、その次は3500字程度の小説を書きました。
その時は「自分史上最短の小説が書けました!」と喜びました。



◆ ◇ ◆ ◇ ◆

その数日後、noハン会の文芸企画のことが発表されました。
ぜひ参加したいと思いましたが、その募集要項を見て僕は「バカな!」と嘆きました。
その企画の字数制限は、僕の限界を突破した2000字だったのです……!



◆ ◇ ◆ ◇ ◆

僕は小説を書く時はまずテキスト編集ソフトを使って書いています。

「まずは全部書いてから削っていこう」それが基本だと思うのでとにもかくにも書き始めます。
序盤を書いた時点でテキスト編集ソフトに表示された字数をちらっと確認すると……1000字。
僕は再び「バカな!!!」と嘆きました。



という訳で書いている途中から早速削る作業を始めました。

「会社の夏休みをちょっと早くとって旅行にきた」「旭川のホテルを出てレンタカーで『青い池』や美瑛の有名な坂道や木などを巡ってから富良野の花畑にやってきた」「北海道の夏が意外に暑くてびっくりした」という説明によって季節感やおよその時刻を表現しようとしていましたがばっさりカット。

「娘はいつまでこの家族旅行の思い出を覚えているかわからないから、とりあえず『物』を買って残しておけばいいだろう」というような父親目線での想いも書こうと思っていましたがカット。

(結果的にはすっきりして良かった気がします)



◆ ◇ ◆ ◇ ◆

その後もどうにかこうにか書き進めていき、ひとまず完成させて字数を確認すると……2500字程度。
完全にオーバーしていますが僕は「まずまずだな」と思いました。

さて、どこを削るか、と考えます。

まず、北海道の風景描写が長い。
でも、削りたくありません。
そもそも僕はこの企画が発表されてまず考えた案は、「ひたすら2000字北海道の美しい風景を僕なりの表現で文章にする」「ハンドメイドってつまりこういうことでしょ?」という自分勝手な作品でした。
さすがにそれはボツにしましたが、やはり北海道の美しい風景をnoハン会の中に届けられたらいいなという想いはありました。
なので、削ることはできません。

物語中盤の風景描写が終わったっところで終わらせてもストーリー的には問題ありませんでした。
でも、削りたくありません。
あの終盤部分は、僕からハンドメイド作家さんへの応援メッセージでした。
(noハン会が動き出した頃、作品の価値についてのnoteが投稿されていたことが影響しています)
なので、削ることはできません。



◆ ◇ ◆ ◇ ◆

結果、悪戦苦闘しつつも細かい表現を削っていき、ぴったり2000字に収めることができました。

やはり一作書き終えると達成感があります。

企画担当者へnoteの下書きの共有用リンクを送るため、noteの編集画面を開き、テキスト編集ソフトから文章をコピーして貼り付けます。

しかしそこで僕はまたも「バカな!!!!!」と嘆くことになりました。

noteの編集画面には「2042文字」とか、そんな風に、明らかに2000字をオーバーした数字が表示されているのです。

そんなバカな。

なぜ?

あれだけ頑張って2000字に収めたのに、なぜ?



そこで僕ははたと気付きます。

「奴のせいだ」と。

「スペースだ」と。

「段落の頭のスペースだ」と。

テキスト編集ソフトではスペースは文字数にカウントされていなかったのです。
しかし、noteの編集画面ではスペースもしっかりと文字数にカウントされていたのです。



ちなみに企画の説明では「noteの編集画面で文字数を確認してください」と書かれていました。



僕の戦いはまだまだ続いたのでした……。







◆ ◇ ◆ ◇ ◆

という笑い話でした(^^)
自分の限界をまた突破させてくれたこの企画に感謝しています!

本編はこちら↓




最後まで読んでいただきありがとうございました!

幸野つみ

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