【詩】光の雫


(※高校生のとき部誌に掲載していただいた詩です。)         (※画像は「みんなのフォトギャラリー」からお借りしたものです。)

ぶっきらぼうに結ばれた口
ちょっと厳しめの目つき
でも本当の君は仲間思いで
大人びていて
お祭り好きで…

私はそんな君の後ろ姿だけで
満足なのに
君たちが幸せそうに笑うだけで
よかったのに

あの八月の日
君は煙管を持ったまま
煙草を吹かすのも忘れて
夜空一面に広がる花火に
見惚れていた

君の瞳に映った花火が
消える
私の瞳に映った君が
消える

今年もまた八月が来る

君のいなくなったこの世界で
今年もまた夜空に光の雫が落ちる

儚く消えるその光が
あの日の君と重なって

ああ、泣いているのは
私、だったんだ




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