見出し画像

日本以外でかばんを置いて注文できる国

昨日までのブータン旅行記はこちら

友人宅はティンプー市内の西側のモティタン地区のちょっと山を登ったところにあるため、ティンプー市内へは下るだけ。意気揚々と下っていくと見えてきたのが、ティンプー名物「交通整理の交差点」。


と思ったら、ただの交差点だった。ニュージーランドでもお世話になったラウンドアバウト。右側をみて車が来てなかったら交差点の中に侵入でき自分の行きたい方向にいくなかなかよくできたシステム。

初めてラウンドアバウトにチャレンジしたときは、かなり緊張したが、慣れてみれば簡単。ただ右を見ればいいだけなのである。
交通量の多い日本にはないシステムだなと思っていたのだが、軽井沢にあってびっくりした。

「おまわりさんいないね」

というと、

「ああ、交通整理しているの見たいの?」

と言われ、本物の交通整理の交差点へ。


いたいた。おまわりさん。パロ空港からティンプーにくるときも信号がなくて、本当に信号がない国なんだなと思っていたが、ティンプー市内にもほんとにない。

手信号をしっかり見てるんだろうな~と思いきや、ドライバーを眺めているとおまわりさんを見ているようなみていないような…カメラを向けると張り切って交通整理をしていたので、ちょっと観光要素も入ってきちゃっているのかもしれない。

だいぶ歩いてきてのどが渇いたな~と思ったところで突然思い出した。
そういえば、両替していないからお金(ニュルタム)がない。

一緒に歩いて来た友人のお母さんに

「水買いたいから両替したい!」

というと、

「買ってあげるから大丈夫よ」

というものの、いやいや、泊らせてもらっているし、今後もお土産買うだろうし、いろいろ必要なのでね~なんていうと、どこやらに電話をかけ始めた。

「姪っ子が銀行に勤めているからそこに行きましょう」

いたるところに親戚、知り合いがいるブータンである。

銀行はいたって普通の作りなものの、まだ来て2日目。色とりどりのキラ(伝統衣装)を見ているだけで楽しい。

こんな感じ↓

上と下の色の組み合わせや装飾品の付け方で個性を出しているらしい。

そんな色とりどりのキラを見ているうちに、姪っ子ちゃんがやってきた。うん、かわいい。

「こちらにどうぞ」

とうながされるままに受付のカウンターへ。
さほど待っている人もいなかったが、すぐに両替することに。

受付の中の子に姪っ子ちゃんがごにょごにょ言いながら

「いくら両替しますか?」

といわれたときに、えっと・・・

は!かわいいキラに気を取られてリュック置きっぱなしで来てしまった。まあ、友達のお母さんがいるから安心だろうと座っていた場所に戻ると、リュックだけがぽつんと残されていた。

友達のお母さんはというと、どこにでも知り合いはいるようで、端っこのほうで楽しそうに立ち話をしている。

リュックから離れていたのは約1分くらいだったかもしれないが、どこかの危ない国だったらとっくになくなっている。

日本も席にかばんを置いて注文しにいってもかばんが無事な安全な国だが、ブータンはそれ以上かもしれぬ。それにしても、パスポートも全財産も肌身につけず、リュックに全入れしている時点で、平和ボケしている自分に驚く。久しぶりの海外旅行で危険感度が鈍っているようだ。

という話を友達のお母さんにいうと

「昔は人のものをとるなんてことは絶対にない!と言いきれてたんだけれど、今はね、もしかしたらあるかも・・・確率的には低いけど気をつけないとね」

と悲しそうな顔でいった。
ブータンも近代化が進み、さまざまな情報が行きかい、貧富の差も少しずつ出てきた模様。幸せの国も近代化には抗えないようだ。

お次は銀行の中の食堂で初モモの巻き。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?