「夏輝」ってイケメン?いや、甘くてとろけます
松葉カニ、香住カニ、越前カニ、柴山カニ、そして、取材時に真顔でまじんカニと言ってしまった忘れられないブランド「間人カニ(たいざと読む、念のため)」などカニブランドはなにがなんだかわからないくらいブランドがある。
牛にいたっては県名や地名がついたブランド牛がわんさかいて、もはや味音痴の私には違いが全くわからない。
冬のフルーツ女王いちごにいたっては枚挙にいとまがない。
甘さ爆発なのか、甘さ控えめなのか、甘酸っぱいのかジューシーなのか、もはや何を食べてもおいしすぎて、なんて表現したらわからないのでいちごの取材はうけないようにしている。
いちごのみならず、何を食べてもおいしく感じる、音痴ならぬ舌痴のわたしだが、このたび出会ってしまった「夏輝(なつき)」は、これまたなんといったらいいか、一言ずばりうますぎた。
「夏輝(なつき)」は友人から紹介された。
夏の時期に鳥取の海沿いに行くなら夏輝でしょと。
夏に輝くと書いて「夏輝(なつき)」。
超絶イケメンを想像してしまいそうな、いやいや健康的な美肌が魅力的女子を思い浮かべそうな、いや、夜の闇に燦然と輝くホストを感じてしまうような名前。
「夏輝って誰?」
と聞いたら、
「はあ?何言ってるの。鳥取方面にいく、何かない?という流れでなぜ男を紹介すると思うのかあんたの思考回路相変わらずわからんわ」
あははは~と大笑いしながら
「天然岩牡蠣のブランド名な」
と教えてくれた。
ほぉ、岩牡蠣にもブランドがあるのか。知らんかった。天然か養殖かはあるにしても岩牡蠣は岩牡蠣でしょと思っていた。
「天然岩牡蠣にブランド名がついてるのは鳥取だけなんですよ!」
と自慢げにいう鳥取出身の友人の鼻をへし折るべく、
「天然岩牡蠣 ブランド」でぐぐると
おお!トップに「夏輝」きたー!
次に三重ブランド 岩がき
これはブランド名じゃないか。
次にお目見えしたのが隠岐のいわがきブランド化推進協議会のページにあった「隠岐のいわがき」。牡蠣の王様とうたっているほど自信がある模様。しかも、「夏輝」のギラギラしたネーミングとは真逆の清楚な女性を思わせる「春香」なんて名前がついている。
おお!あるじゃないか!とおもいきや離島育ちの養殖いわがき。
そこからグーグル検索10ページ目まで粘ってみたものの、天然岩ガキのブランドは「夏輝」しか見つけられなかった!
悔しいけど、何が?認めざるを得ない。
「鳥取県だけでした」
と落胆しながらいうと
「なんでがっかりしているのか意味わからんけど、とにかく食べてみて!」
ブランドにするぐらいだからおいしいに決まっているが、どのくらいおいしいのか実食するべく、鳥取ではなく、鳥取漁港にほど近い兵庫県の湯村温泉にある湧泉の宿 ゆあむにチェックイン!
なんでもここの料理長は宿周辺の漁港を自ら歩き、おいしい海の幸を取り寄せて料理を提供してくれるのだとか。もちろん、「夏輝」も料理長のお眼鏡にかない、はれてホテルの会席料理に採用。
温泉で汗を流し、いよいよ「夏輝」とご対面!
こ、これはかなり大ぶり。
しかも、ブランド帯付きときた!
仲居さんいわく、鳥取県内で採取された天然の岩牡蠣が「夏輝」と名付けられ販売されるのだが、このブランド帯つきは、下の殻が平らで、殻の長さ13㎝以上の大きく、身入りがいい岩牡蠣だけに与えられる特権なんだとか。
希少性の高い天然岩牡蠣の中でもトップクラス中のトップの「夏輝」が味わえるとうことだ。
生牡蠣をちゅるんと食べるイメージだったのだが、よ~く見るとカットされ何かがトッピングされている。
最高の「夏輝」を最高においしく食べてもらうようにと料理長が考え抜いたのが低温蒸し。低温で蒸すことで身の大きさはそのままに生のような味を残しつつ、さらに食感を出すという絶妙な仕上がりにしているとのこと。
トッピングはトマトポン酢ゼリー。これまたなんとも夏らしい。
ブランド帯付きなだけあり、肉厚。
しかも、白さが際立つ美人さん。あ、いやイケメンか。
一口かむごとに牡蠣のエキスがじゅわ~じゅわ~と口の中に押し寄せ、これぞ口福のひととき。生よりも食感がよく、さらに口の中に牡蠣の余韻が残り、幸せ時間が延長!
トマトポン酢ジュレと一緒に食べると後味さっぱり、ジュレをよせて(←料理長すみません)岩牡蠣単体で食べると牡蠣の甘味を存分に感じる。1枚なのにボリュームたっぷりでかなりの満足感。
これが低温蒸しのなせる業というやつか。
ミネラルやビタミン豊富で「海のミルク」とも呼ばれる栄養満点の岩牡蠣は夏バテ予防にも効果的。これも仲居さんの受け売り。
わたし、ちょっと夏バテ気味かも、熱さにやられて体力落ちちゃったかも、冷たいものばっかりたべて栄養が足りない!なんていう人(私)は猛暑を乗り切るべくイケメン?な「夏輝」で英気を養ってはどうだろうか。
1枚食べただけだが、かなりエネルギーチャージして、自宅に戻り、外気気温37度でも冷房つけずに扇風機だけで仕事がこなせているのは天然岩牡蠣のおかげではないかと思っている。
ちなみに、ゆあむから車で20分のところにある諸寄(もろよせ)海水浴場は白い砂浜とエメラルドグリーンが美しいビーチ。
秋田で日本海の荒波にもまれて泳いだ幼少期の記憶により、日本海は波が高く、真っ黒でおどろおどろしいというイメージだったのに、日本海とは思えないほど穏やかで沖縄とまではいかないが透明度もかなり高い!
写真の一枚でもあればよかったのだが、日差しが強すぎてすぐに車に引き返したため、目に焼き付けて帰ってきた。気になる方はこちらのゆあむのビーチ情報でどうぞ。
それにしても、料理がうまいと日本酒が進む。実はこのホテル、KEG DRAFT SAKEが飲めるのだ。世界初のドラフト日本酒サーバーの実力とはいかに?!はまた次回。