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スタッフ間の連携が高級ホテルのすばらしさなのに

外資系ホテルブランドの日本初上陸の地としてよく大阪が選ばれる。

あのリッツカールトンも大阪からスタートし、すでに開業25周年。
老朽化が進んでいるかと思いきや、リッツ―カールトンらしい英国風のゴージャスな邸宅は健在。お金をかけて、水回りやじゅうたんをリニューアルしたとはいえ、やはりスタッフひとりひとりの気配り、清掃のたまものだろう。

高級ホテルにいくとコンシェルジュからフロント、レストランスタッフ、ドアマンまでスタッフ教育が行き届いていることに感動する。

客室数が300とかあるホテルでもひとりひとりへの気配りに脱帽する。
たとえ1泊でもお客様との会話の何気ない一言を覚えていて、サポートをしてくれるのが「自分は特別な客だ」と思わせてくれ、気持ちがよくなる。

とあるホテルに2泊したときのこと。
ホテルから徒歩15分ほどの場所に、隠れた夜景スポットがあるとなにかのサイトで読み、その行き方がわかる地図がないか尋ねた。
あいにく簡単なホテル周辺散歩の地図しかなく、それでも丁寧に目印を書き込んで教えてくれた。

その地図をたよりにいったものの、暗がりだったことと山頂にいく道が狭く、どこから登ればいいかわからなかったこともあり、断念。
ホテルに戻った時に、フロントの人に
「いかがでしたか?」
と聞かれ
「実はたどりつかなくて・・・」

というと、「わかりづかったですよね。すみません」と謝ってくれた。

そして、次の日の朝。朝食を食べたあと、ラウンジで新聞を読みながらコーヒーを飲んでいると

ニューフェイスのスタッフが声をかけてきた

「ゆきんこさま、夜景に再度チャレンジするかわかりませんが、もう少し詳細な地図を手に入れましたので、もし行かれる場合はご活用ください」

とグーグルマップを印刷し、赤で丁寧にマークをつけた地図をくれた。

彼女はわたしの顔を知らない。推測するに、前日の申し送りかなにかで、わたしの夜景失敗談が伝えられ、朝ごはんの予約をしていることを確認し、レストランスタッフに、きたら声をかけてもらうように伝える。レストランスタッフから声を掛けられ、さりげなくわたしの顔を確認し、ラウンジでゆっくりしている絶妙なタイミングでお声掛けする。

といったところだろうか。本当に心の底から感動した。何より、名前を呼ばれるってのが特別感がある。

2023年7月1日に新たなホテルブランドがなんばにオープン

かつての南海ホークス(現ソフトバンク)の本拠地、大阪球場があった場所に、タイを代表する高級ホテルブランド「センタラホテルズ&リゾーツ」の日本第一号店「センタラグランドホテル大阪」がオープンした。

「タイと日本の美と文化の融合」がコンセプト。おお!と、さも知ってますテイで驚いてみたものの、そういえばタイはバックパッカー時代にしかいっていない。格安のゲストハウスが並ぶカオサンロードでごろごろしていただけなのに、おお!もへったくれもない。

タイの家庭的で温かみのあるホスピタリティでお客様へくつろぎの時間を提供します

ということらしいので、タイの高級ホテルとはどんなもんだろかと、泊まるには高すぎたので併設されているレストラン「スアンプア」に出かけることにした。

なんでもタイ出身のシェフが腕をふるう本格派のタイ料理が食べられるらしい。

オープン記念で休日ランチブッフェ6000円と、記念なわりにはやっぱり高く感じるものの、一度食べたいと思ったらいかずにはおれず、お出掛けした。

入口からタイでお世話になった3輪自動車のトゥクトゥク。


これはテンションあがる!

ブッフェ台にはタイ料理にかかせないナンプラーをたっぷり使って炒めたエビやタコ、春雨、豚肉炒めと、ナンプラー、ココナッツミルク、レモングラス、唐辛子の入り混じった南国の香りが漂い、日本にいながらにしてタイ気分!


とあれもこれもとよくばって盛り付け、席に戻ると、ブッフェについているワンドリンクをトレイにのせ、テーブルをみて、どこに置こうか迷っている女性スタッフがうろうろ。

細身の体にタイの衣装をまとったエキゾチックな顔立ちの女性スタッフは、思わず見入ってしまうほどの美人。

もりもりにもったお皿の置き場所を確保しつつ、まだうろうろしているお姉さんに

「ここに置いたらどうですか?」

と声をかけると、にっこりしながらグラスを置こうとした瞬間、うまくもてなかったのか

がっしゃ~んと派手にビールグラスをテーブルからイスからぶちまけ、さらに友人のかばんにもひっかけてしまった。

「も、申し訳ございません」

とすぐに謝罪し、テーブルを拭きつつ、

「新しいお席をご用意します」

とここまではよかった。

その新しいお席とやらは、レストランのはじっこで最初のテーブルよりも狭く、居心地がよろしくない。サービスしろとは言わないが、予約して、席を確保したのだからそれに近いところをお願いしたいところ。

「あのう、席ってここしかあいてないでしょうか」

と丁寧に伝えると、少しお待ちくださいと奥にいってしまわれた。

ほどなくして、背が高くちょっとイケ叔父風のレストラン責任者らしき人がきて、日当たりのいい席を用意してくれ

「この度は申し訳ございませんでした」

と丁寧に誤ってくれた。

さすが、高級ホテル!とここでは思ったが、席を移動したあと、盛り付けたお皿にビールまみれになったから、全部のお皿はこないし、水のサーブもない。
ぬれたかばんも最後までふかずに若干ぬれたまま。

「ビールがこぼれてしまったので、お皿は下げさせてもらいました」

の一言はないのかな~と思いつつも、もう一度取りに行き、スタッフに

「お水ください」

ともう一度オーダーした。

いろいろあったもののおいしく食べ終わって、会計にいくと、普通に
「一人6000円になります」
と忙しいのか笑顔もなく、キャッシュなの?クレジットなの?な目でみられ、VISAタッチでスマートにピッと支払いが終わると
「ありがとうございました」

と抑揚のない言葉で終了。オープンしたてで笑顔の余裕がないのか。忙しすぎて疲れているのか。

恩着せがましくはしたくないけれど、
「今日は、いろいろご迷惑をおかけしました」
ぐらいの一言があってもいいレベルのホテルだと思うのだが。


ブッフェ以外にも選べるメイン料理があり、タイ特有のスパイスをきかせた料理はどれもこれも美味。料理がおいしかっただけにスタッフ教育が行き届いてないところがとても残念だった。

ホテルや飲食業界の人手不足がよくニュースになっているが、開業前研修も十分な時間がとれないほどなんだろうか。

フロントで、タイ伝統のトリートメント「スパ・センパリー」のパンフを見ていたら

「見学されますか?」

とスパに案内してくれ、なんばの真ん中とは思えない緑のオアシスの中で体験できるタイ古式マッサージを想像し、うっとりしてしまったくらい素敵なホテル。
質問にも丁寧に答えてくれたスパのスタッフさんは完璧。

1階のレストランと4階のスパのスタッフを一緒にするのは無理かもしれないが、今後に期待するしかない。

もうちょっと暑さが落ち着いたらタイでも流行っているルーフトップバーで夜景を見ながらカクテルをかたむけ、タイ古式マッサージでリラックスして、広いベッドで寝てみたい。

ちなみにおしゃれなルーフトップバーの入口に南海ホークス時代のバッドやグローブが展示されていた。外国人観光客には見向きもされてなかったけれど、往年の南海ホークスファンは必見!というほどの展示はされておりませぬが(笑)。お宝があるかもないかも?!

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