国境またぎはできるか?!
昨日までのブータン旅行記はこちら。
バックパッカー時代、国境またぎの写真を撮るのを趣味としていたものとしては久しぶりに国境またぎがしたい!
と伝えると
「またぎはできないと思うけど、国境は連れて行ってあげる」
とチュキ。午前中は仕事があるから”家の中”で自由にしててというものの、初めての土地で家の中でじっとしていられるはずはあるまい。とはいえ、パーソナルビザを取ってくれたブータンの友人たちに迷惑をかけることはできないので、ひとまずチュキの家の敷地内の道路側の入り口に立ち、人間ウォッチングすることにした。
アジアあたりをうろうろしていると働き盛りの男子どもが道端で雑談?何を話しているのかはわからないがたむろしているのをよく見る。自分は気ままに旅しているくせに
「ぶらぶらするなら働きなさいよ」
といつも思うのだが、彼らなりになにか仕事を探しているのかもしれない。
昨日の夕方も同じように行き交う人を眺めていたのだが、夕方になると大勢のサリーを着た女性たちが同じ方向に歩いていく。おそらく歩いていく先にインド国境があるんだろうなと思っていた。
チュキの仕事が終わり、いよいよインド国境へ!とドキドキして車に乗り込み、窓の外をせわしなく眺めていたら、あっという間に到着。3分かかっただろうか。
「あれが国境よ」
出入国手続きの簡素な小屋があるだけかと思いきや、意外と立派な門。しかも、ブータンの伝統建築によくみられる木組みのイラスト装飾つき。
出入国のカウンターはインド人用とブータン人用にわかれていた。国境に住む多くのインド人たちはブータン側に毎日のように出稼ぎに来ているから、カウンターで名前をいって通過するといった簡単なチェックだけうけているという。
モディ首相ウェルカムを目の当たりにしたあとだっただけに、インド人がブータンに出稼ぎにくるのが想像つかなかった。
「確かにブータンはインドからの輸入に依存している。さまざまなインフラはインド政府の援助があってこそ。でも、国境の人たちは貧しい。ブータン人のほうが豊かな生活をしているし、ブータン側にきたほうが稼げるの」
なるほど。先日のインド総選挙でモディ―首相が圧勝しなかったのは農村地帯の貧困層へのサポートがおざなりになっていることが原因とニュースでみた。その現実を目の当たりにした気がした。
出入国審査を終えた車がどんどんインドに入国していく。
国境またぎは可能かどうか・・・門のところにいた警察官に聞いてみた。するとニヤリとしながら
「やってもいいよと言いたいところだが、君はブータンの滞在ビザを持っているだよね。インド側に足を踏み入れたらブータンに戻れなくなるよ」
と脅された。
な、なんと!そんな危険は冒せない。
「一応、僕は警察官だから規律は守らなくちゃいけない。またぎは見逃せないけど、ブータン側から写真とるだけならいいよ」
といわれてとった写真が上。
ゲレプはなかなか立派な建物が見られる町だが、インド国境側の街は掘っ立て小屋のようなものが見える。経済成長が著しいインドというより、昔ながらのインドがまだそこにあった。
インド側のトラックも多く行きかう
「全部、インドのナンバーね。マインドフルネスシティーの開発が始まっているのよ」
マインドフルネスシティー、そう、ここゲレプは今、ブータンの中で最もホットな街なのだ。
お次はゲレプは変わる!ブータン政府が力をいれるマインドフルネスシティへ続く。
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