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のぞみ123両っす

2022年10月、日本の鉄道開業150周年を記念してJR東日本全線、その他、鉄道路線7社の列車が連続する3日間乗り降り自由というJR東日本パスが発売された。

その新聞広告欄をみて娘に電話をかけてきた栄吉(父)。

温泉と電車をこよなく愛する父は、JR東日本が発売する大人の休日倶楽部に入り、3日間乗り降り自由パスを使ってはどこかに出かけていた。

しかし、コロナ禍で、お母さんから
「乗らないのに、年会費もったいないでしょ!年金少ないくせに」
と相変わらず余計な一言を必ず言う、自分の嫁からぼろくそにいわれ、泣く泣く解約した。(←嫁に逆らえない)

それから2年。
大人の休日倶楽部並みのお値段のお得パスが年会費を払わずとも使えるとのことで食いついたのだ。

興奮さめやらず、ちっさい字で書いている注意書きは一切読まずにJR秋田駅へ。

現金を用意してみどりの窓口に飛び込んだが

「えきねっと(Web)限定発売です」

とあっさりと門前払いをくらい、WEBで予約ができない栄吉は娘に電話してきたというわけ。

ちなみに、SIMフリータブレットをわたし、ラインのセッティングもしてあげたのにいまだにWEBでの予約の仕方を覚えない。電車の乗り換え案内アプリは使えるようになった。

まあ、WEBで予約するくらいだからいいかとさくっと予約。
しかし、次なる発券が大変だった。ICカードを持っていればカードに登録して乗れたのにICカードを持っていない致命傷・・・

仕方ないので、ラインにQRコードを送り、タブレットをもってJRの券売機にいかせ、ガラケーでトークしながらようやっと発券。
銀行のATMだったら、間違いなくオレオレ詐欺と間違えられただろう。

これで懲りたかと思いきや、なんと

鉄道開業150年記念の締めくくり!JR東日本オリジナル特別企画乗車券を発売!ーファイナルー

が、2023年3月に開催されるからまたお願いしますと電話がかかってきた。
ほんとにファイナルにしてほしい。そして、鉄道好きの老人のために75歳以上はみどりの窓口でも可としてほしい。JR東日本さん、ほんとにお願いします。

日本で鉄道開業150周年ということは、ヨーロッパは200周年超えてるのかというのが妙に気になって調べていたら、昨年、スイスが鉄道開業175周年だったそうな。

スイスの鉄道開業記念は日本とはスケールが違い、山岳鉄道を100両で編成し、世界最長の世界最長の旅客列車のギネス記録挑戦だった。100両つなぐと約2kmにもなり、しかも挑戦する日は全線運休。
つないだだけでなく、約25km走ったってんだからほんとすごい。

やっぱりヨーロッパは遊び心が違うな~と感心しつつ、100両編成のワードに昔の記憶がフレッシュバック!

天然さく裂の男子の教育係に任命された1か月後。
取材に同行させることになってしまった。

メールや送付状の書き方まで手トリ足取り教えなければいけないやつを同行するのは大変そうだなと思うも、あいさつと笑顔が素晴らしくなんとも憎めないのだ。

「自分、馬鹿なんで、すんません」

といつもノート片手にメモをとる努力家でもあったので怒る気にもなれない。ノートとっているはずなのに何回も同じミスをしてしまうのもご愛敬。

そんな天然くん。
同じ新幹線で行くことを決め、先にのぞみを予約していた私。

「そういえば、明日、何両目なの?」

と聞いたら

「のぞみ123両っす!」

と満面の笑み。ちなみに、「っす」が敬語だと思っている。
これもかわいいから許す。

いやいや、123両っておかしいだろ!!!

「はぁ~?大阪と新大阪つながっちゃうじゃん!」

と笑いを交えて突っ込んだつもりだったが、まだ気づかない。
きょとんとした顔をして見つめられる。のぞみ123号で予約しようってなってんだから、普通は何両目ってわかるはずなんだけれど、突っ込んでも間違いに気づかないし、もういいやとあきらめた。

「のぞみ123両ね、了解~」

とわざと123両を強調し、会話を終了。隣に座っていた女子社員が笑いをこらえきれずに噴出した事件を思い出した。

あの当時は、「123両つないで動く電車なんてあるかい!」と突っ込んだけど、スイスで実現していたとは。

天然くん、あながち間違ってなかったな(笑)

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