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マラケシュの道案内ボーイズ
8日夜に発生したモロッコの地震。
ニュースでマラケシュの旧市街の映像を見るたびに心が痛む。細い道を迷いまくって歩いたのが昨日のことのようだ。
旧市街の迷路を地図で正確に記載するのは神業。地球の歩き方もかなり頑張って書いてくれたがほぼあてにならない。看板や目印となるお店を覚えて歩いたものだ。
とはいえ、赤い土壁の店はどこも同じようなものを売っていて、覚えたつもりでも毎度迷うのがマラケシュ旧市街。細い道をぐるぐるよく歩いた。
観光客はほぼ迷うのがわっているのか、ちびっこたちがわらわらと集まってきて
「お前はどこいく?案内してやる」
といってくれる。小学生くらいのちびっこだから安心して、
「このホテルなんだけど」
とホテルのカードを渡すと、さらにわらわらと集まり総勢15人くらいでホテルまで案内してくれる。
ぐるぐる回っていたのがうそのようにものの数分で到着。大体はあっていたようだ。
「ありがとう!」
といってホテルに入ろうとすると、金を要求される。
インドで散々やられているのにちびっこというだけでまたしても油断してしまった。
無視して、ホテルに入ろうとするとかばんやら服を引っ張られる。仕方内いので、ちびっこたちを引き連れホテルに入ると、フロントのおっちゃんが追い払ってくれた。
お礼としていくばくかのお金を払ってもよかったのが総勢15人。いくら払えばいいのか。
フロントのおっちゃんは
「あんなのがたくさんいるから、迷ったら電話してほしい」
といってきた。いや、もう迷わない!完璧に覚えてやる!とヘンゼルとグレーテルのようにパンを落とすわけにもいかないから、写真を撮って、これで安心!と思ったものの、また迷う。そしてまたちびっこたちにつかまるというループを1週間もやったくらい細い道が入り組んでいる旧市街。
泊まったのは、美しい中庭がある歴史的建造物をリノベーションしたリヤドと呼ばれる宿泊施設。
あのリヤドもがれきに埋もれたかもしれない。あのちびっこたちは夜も闇バイトをしていたからうまく逃げられたかもしれない。
「命は助かったけれど、帰る家がない」
旧市街に住んでいたおばちゃんは涙ながらに語る。
1日も早い復興を心より願うばかりではなく、家がなくなったとしても生きてさえいればなんとかなる。一人でも多くの人が助かることを祈るばかり。
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