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コーヒーとせんべいおごるよ
コロナ禍でありとあらゆるものが禁止された中のひとつに試食がある。
たかが試食されど試食。
一口サイズの本当に試す程度の試食から、丸ごと一つ食べさせてくれる大盤振る舞いのものまであるが、どちらにせよ試食というのはなぜかおいしく感じるものなのだ。
空腹でなくても、販売員の説明を聞いたりしているだけで妙に共感してしまいおいしく感じたり、ちょっとした立ち食い感覚がおいしくさせたり、何より、説明員の一生懸命さに心打たれ、結果、買ってしまうのである。
特に空港や駅などお土産選びをしているときの財布の緩み方は半端ない。
空港限定、今だけのポップアップ店など特別感を出された日にはもう買うしかないとばかりにまとめ買いすることもある。
特に財布の紐がゆるゆるどころかぶちぶち切れてしまったのが鹿児島空港。鹿児島空港はほぼ全商品、全飲料、試食、試飲ができるんじゃないかというほどの試食天国で、さつま揚げをつまみながら、日本酒の試飲をしたこともある。もはや居酒屋いらず。すすめられるまま買いまくるため、鹿児島空港からの帰りは両手がふさがるほど。
そんな試食天国も、コロナ禍のルールには抗えず、試食が一切なくなり、お気に入りのさつまいもケーキだけ買ってさみしく帰路に就いた。と考えると、やはり試食にのせられて購入していたとみる。
そんな寂しい時代も終わりをつげ、試食がいたるところで再開し始めている今日この頃。またしても財布のひもがゆるゆるなってきているがそれもまた楽しいもの。
そんな中、友人と兵庫の山奥ドライブを楽しんでいた時
「ちょっとお茶しない?コーヒーとせんべいおごるよ」
といわれた。
なんだ、その変な組み合わせは?
しかも、運転してもらっているんだからそれは失礼と
「いやいや、わたしがおごりますわ。コーヒーとせんべいじゃなく、コーヒーとスイーツにしようよ」
と提案するも、いいからいいからと入っていったのは「海鮮せんべい 但馬」
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工場見学ということは、わかったぞ。
「おごるとかいって、工場見学するとせんべいがついてくるというからくりってやつか」
というと友人は意味深な表情でニヤリ。
なんかあるな~と怪しみながら中に入ると試食パックがずらずら~り。
![](https://assets.st-note.com/img/1690550189188-Dvdo9NCBum.jpg?width=800)
たこ、えび、いかといった海鮮から、たまねぎ、とうもろこしの野菜系、わさび、醤油、塩などのスパイス系と30種類はあっただろうか。
販売しているほぼすべてといっていいほどのせんべいが食べられる。
一方通行で、トングを持ち、せんべいをピックアップして食べていくスタイル。
正直、食べ続けていると、何を食べてどれが一番おいしかったかよくわからなくなってくる。が試食大好き女はひとつもすっとばさずに完食。いや、完試食?
とにかくおいしい!という記憶はあるし、これだけ食べさせてもらったんだから一つくらいは買わねばという自責の念、いや、違うな、良心の呵責、なんかこれも違う気がするけどとにかく購入しなければいけない気持ちになる。
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が、いざ買おうにもやはり何が自分のお口にめしたのか覚えていない。
というわけで、いろいろ入っている但馬ミックスをチョイス。一つだけってのもな~となんとなくおいしかった記憶が残るとうもろこしも購入。かなりパンパンに入って550円はお得ではなかろうか。
パン屋や百貨店のケーキやにいっても同じことを思うのだが、なぜ一つだけ購入ができないのかわからない。恥ずかしいから?せこいと思われたくないから?たった一つのために働かせるのが申し訳ないから?いやいや、結局、ええかっこしいなんだろな、そろそろ一つでも購入できる人にならんといけん!とよくわからないことを誓う。
レジに並びながらふと横をみるとと
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これか!コーヒーおごってあげるの正体は!
こんなことじゃないだろうかと思ったんだよね。
でも、まあ無料となれば遠慮なく。
薄いかなと思いきや、まあまあ濃いめのコーヒー。何から何まで太っ腹。
コーヒー飲んで一息ついていると、アジア系の観光客を乗せた大型バス2台がご到着。
みんな試食に向かうのかなと思いきや、トイレに直行したり、無料コーヒーを飲んだりしてゆっくりしているだけで、誰一人試食しないし、購入する気配もない。
10分ほどで全員バスに戻り、去っていった。
え?トイレ休憩だけでもOKの契約?太っ腹すぎやしないか?
それとも往路でお土産をすでに買ってもらった?であればいいが、もし便利にトイレ休憩だけ使われているのであれば、交渉すべし!
と2杯目の無料コーヒーを遠慮なくいただく自分もどうかと思う。
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