まずいから食べないでねと言われたお土産
焼き肉屋や居酒屋では、食後にさっぱりしてもらうためかミントガムをくれたり、韓国レストランでは韓国のあめちゃんをくれたりする。
週末ランチに伺ったのは台湾グルメとスイーツが食べられる「台湾キッチン」
おいしいランチとスイーツ、台湾茶をたらふくいただき、会計を終えたときのこと。台湾のお寺にお供えしてそうなギラギラした金色の入れ物の蓋をあけながら
「おひとつどうぞ」
といわれたので~とありがとうございますと遠慮なくいただく。
飴かチョコレートか、小菓子かなとしげしげと小さい金色の物体を眺めていると
「まずいから~食べないでね」
とニコニコしながら、外国人特有のイントネーションがかわいらしい日本語でいわれた。
あげといて食べないでというのはどういうこと?!と怪訝な顔をしていると、それを察したのか
「食べられるよ。だけどチョコレートの中に変な甘いものが入ってるからまずい。だから食べちゃだめ。これは玄関に置いておく。大金もちになれ~る」
とニヤリ。
台湾は取材でもプライベートでも何度もいっているが、知らなかった。
ガイドブックにもきっとのってない。
現地のスーパーでも見たことがないし、最近のはやりなのかと聞くと、昔から台湾人は玄関にこれを置いてお金を呼び寄せているのだそうだ。
ここみてと持っていた金色の入れ物を指さす。
側面に何やら文字がみえる
財源廣進(ざいげんこうしん)
初めてみる四字熟語だ。
「これ見ると、わかるね。財源(お金)が広くなって進むね。アップアップ!」
ほほお、これは面白い。
しかし、ここで問題発生。
マンションの玄関は壁面がシューズクロークになっていて、その扉に鍵をかけたりするフックがある。ということで、置物などを置くスペースがナッシング。靴箱を開けっ放しにすると玄関に入りにくくなるし、かといって扉をしめたらご利益が閉ざされそうな・・・
その場合はどこに置くのが正解か聞いてみる。
「それは問題ね。下に置くのはあまりよくないね。う~ん、玄関に近い部屋の入口とかに置けばよい。知らんけど」
とこういうときに使うのに最適な大阪弁を最後につけてリスク回避をされる。
実際にお金ががっぽり入るかどうかは横に置いておくとして、いい話を聞いた。
次の台湾旅行のお土産はこれで決まりだな~と、友達に、まずいから食べないでね~とお土産を渡すシーンを想像し、ニタニタしながら、早速購入場所を聞いてみた。
「正月にしか売ってないね」
がっくし。正月は実家に帰るから台湾に行くことはない。
残念すぎる。
ちなみこのまずくて食べられないお菓子とコインを一緒に玄関におくのが正しい置き方。
おお!うちも金運アップのお供えしたい!という人へお店情報をご案内。
陽気でお話上手な台湾出身のお姉さんがいる「台湾キッチン」はJR弁天町駅から徒歩10分強の住宅街の中にある。
特にこれといった観光地もなく、今まで降りたことがないくらいまったく縁もゆかりもない駅だ。
アジアングルメにいつもアンテナを張り巡らせているグルメ友人のおかげで知ることができた。この友人のグルメ情報は絶対の信頼をおいているので間違いないとばかりに出かけたのだ。
住宅街の中にあるため、道すがらも特に目立ったお店もなく、グーグル先生がいないとたどりつけないほどひっそりした場所に台湾キッチンはあった。
パステルグリーンの外観がとってもキュート。店内もこじんまりとしつつも白を基調としたかわいらしい雰囲気。
しか~し、かわいらしいのは店内だけじゃなかった!
今回ランチでいただいたプチ電鍋定食。
なんですか、このかわいさは!
何より、一家に一台はあるといわれる電鍋の器のかわいさといったら。
かわいいだけじゃなく、味も逸品。
イントネーションがかわいい日本語を話すお姉さんとお母さんの二人で営むこちらのお店。お姉さんはパン修行中でパンスイーツ担当、お母さんは台湾料理調理師国家資格をもつ本格派でご飯担当。
電鍋の中身は魯肉飯(ルーローハン)or鶏肉飯(チーローハン)or香腸飯(台湾ソーセージハン)から選択可能で、本日は魯肉飯。
八角がバリバリきいてて台湾で食べた味そのもの。
小皿料理は週替わりだそうで、本日は客家(はっか)料理。
客家とは、外からきた移住者のことをいい、台湾では新竹市あたりに多く住んでいる。
その伝統料理がずらりと並んでいた。
もちもち大根餅には金柑ソースがとろーりとかけられさっぱり後味、黒キクラゲと台湾パイナップルの和え物はパイナップルの酸味と甘み、キクラゲのこりこり食感、黒酢のさわやかな酸味がいい塩梅。
デザートはヘルシーな仙草ゼリー。
ということで、ぺろっと平らげてしまった。
そして本格派の台湾茶が飲み放題。
ジャスミンの茶のすっきりとした飲み口、爽やかな後味で遠慮なく飲みまくった。
友人とこりゃうまいと言いながら2時間も居座った結果、ヘルシーランチだったこともありなんだかおなかがすいてきた。
ということで、豆花をいただくことにしたのだが、だいぶおなかがすいていたようで3種類トッピングのライトなものではなく、アフタヌーンティーで訪れた人が単品で頼むであろうがっつり6種類トッピングをオーダー。
さらに、紅茶シロップ、豆乳シロップ、温かいピーナッツスープとあり、二人とも選びきれず、温かいピーナッツと紅茶シロップそれぞれ6種類トッピングと、どんだけ食べるんだよというほどのオーダーをした。気の置けない友人との食事時は、満腹中枢がいかれるらしくとどまることを知らない。
両方注文して大正解。
そもそも豆花は、豆腐をふるふるさせたようなものでとってもヘルシー。いわゆる罪悪感なしというやつ。チュルンチュルンと食べられてしまう。
しかも、温かいピーナッツスープもあま~い紅茶シロップも甲乙つけがたいほどのお味。
もともと台湾のとろとろ食感の煮ピーナッツは大好物なんでトッピングなくても食べられる。
トッピングは煮ピーナッツスープはマンゴープリン、紅茶スープは煮ピーナッツの違いだけであとは、タピオカ、愛玉子、線草、緑豆、芋粒といったラインナップ。
タロイモがなかったのが残念だったがこのトッピングも日によって変わるのだとか。
ちなみに営業は金・土・日のみ。というのもイントネーションがかわいいお姉さんが平日パン屋さんで働いているから。限定というと、さらに特別感が増してまた食べにきたくなる女心をがっつりつかむ。
パン屋ということは、将来は台湾で人気のあのネギパンももしかしたら食べられる?と聞いたらニヤリ。
このお姉さん、商売上手で、台湾料理や切り絵といった台湾関連のイベントも開催しているよというので、帰宅後、HPを拝見したところ・・・
ここで謝らせてください。
イントネーションが微妙とかさんざんいっていたお姉さん、日本語能力検定や大学で教師免許ももっているれっきとした語学を教える先生だった!!!
微妙ではなくかわいらしいに訂正させてください。すみません。
ということで台湾語の講座も開講中。
財源廣進がうまく進んだら、金運に導いてくれた先生ということで受講しよう!
は!台湾語講座だから違うか。
早速、玄関に近い部屋の入口付近にお供え。
お供えはしたものの、まずいレベルがどの程度まずいのか確かめたくてうずうずしているこの気持ちをどう静めたらいいだろうか。
簡単に手に入らないとなると・・・また食べに行くしかない。
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