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伝説の叔母になった妹

次女と車に乗っているとき、こんな話をし始めました。

「クリスマスにサンタさんにもらったSwitch Liteあるでしょ?
本当はね、お姉ちゃんが持ってるテレビでできるSwitchが欲しかったんだ。
でも、わたしが『ゲームがほしい』ってお願いしたから、サンタさん間違えちゃったんだと思うの。だから、今年のクリスマスはチェーリングとSwitchをお願いしようと思ってるの。」

次女のSwitchライト。でも、こちらじゃなくて
コントローラーが外れて、テレビでも出来るこちらのSwitchが欲しかった!

「(えっ)あ、そうだったんだ。サンタさん、間違えちゃったんだね!」

そんな話をしていると、次女がさらに言いました。

「ゆいってさ、Switchを2つ持ってるよね。すごいよね。2つのゲームでどうやって遊んでるのかな?使ってるのかな?私にくれないかな?」

※ゆいとは、私の妹で娘たちの叔母です。

「ゆいに聞いてみたら?」

「えー、ママが聞いてよ。」

「いやいや、そこは自分で聞いてみなさい。お願いしたいことは自分の口で伝えるのが一番伝わるよ。」

「わかった。そうだよね。」

その後、私が出かけている間に、次女はキッズ携帯で妹にメールを送ったそうです。

「ゆいにそうだんしたいことがあるんだけどさ」

「さんたさんが、スイッチライトをまちがえてもってきちゃって、ももはおおきいほうがほしいんだ」

「おおきいスイッチがほしいんだけど、ゆいのひとつもらえないかな?」

すると、妹から私に電話がありました。

「ももちゃんからこんなメッセージが届いたんだけど、聞いてる?」

「うん、聞いてるよ。自分で連絡してみなさいって言ったの。」

「なるほどね!それにしてもサンタさん、なんで間違えたのかな?笑」
「ちなみに、今夏だけど、ももちゃんはずっとそのことを考えてたのかな?」

…確かに。

昨年のクリスマスの朝、次女はサンタさんからのプレゼントを喜んで開けましたが、その喜びと同時に、「まぁいいか!」と少し残念そうな表情で言っていました。
その後も遊びながら、「これ、大きい方のSwitchだったらできるんだけどな」と
つぶやいていたことがありました。


妹と私は思い返して笑いながら話しました。

「Switchをあげたら、ももちゃん喜ぶだろうね。」

「うん。大きくなっても忘れない、太っ腹な伝説の叔母になるね。」

「じゃあ、もしあげなかったら…」

「ゆいはSwitchを2つ持ってて、どうやって遊んでるのかなって語り継がれる伝説の叔母になるね。笑」

どちらにしても伝説の叔母になる選択肢の中、妹は言いました。

「よし!ももちゃんにあげよう!メール返すわ。」

「ありがとう!!!ももちゃん、絶対喜ぶよ!」


でも私は知っているのです。
妹が大切にしている2台のSwitchには、特別な思い出があることを。

看護師の妹は、コロナ禍に東京から京都へ転勤し、誰にも会えない期間、Switchで「あつまれどうぶつの森」を楽しみ、癒されていたこと。
任天堂が大好きで、日々の生活を彩ってくれていること。
もう1台のSwitchは、ゼルダとコラボした限定版で、どちらも妹にとって大切なものだということを。

それでも、妹が姪を思う気持ちと、大切なSwitchを受け継ぐということに、じーんと胸が温かくなりました。

妹は次女にこう返信しました。

「ママと相談して、ももちゃんにスイッチを送ります!」


次女からの返信は…

「ちょっとまって」

「ままによんでもらうから」

そうか、まだ読めない漢字があったんだ!笑


「ままとそうだんして、すいっちをももちゃんにおくります。」

次女は「ママ、ママ、ママにいうね」と妹に返信し、

しばらくして…

「ゆいにだいじなことゆってなかった。」

「ありがとうございます。」

妹からは「どういたしまして(^^)」という返信がありました。

私が帰宅すると、次女は満面の笑みで玄関まで走ってきて、
「ゆいがSwitchをくれるって!やったー!」と飛び跳ねて喜びました。

「よかったね♪」と一緒に喜んでから、私は大切なことを伝えました。

「改めて、ちゃんとお礼を言おうね。電話で自分の口で伝えることが大事だよ。」

次女は妹に電話をかけ、「ゆい、Switchをくれてありがとう」としっかりとお礼を伝えました。さらに、お手紙を書いて妹に送りました。

家族や友達でも、感謝の気持ちはメールだけじゃなくて、声に出して伝えること。
嬉しい気持ちは何度でも伝えようねと、次女と話しました。

お願いもお礼も、自分の言葉で伝えることが一番大切だということ。
妹が大きな気持ちで受け入れてくれたおかげで、次女は大切なことを学ぶことができました。


…それにしても、なぜ、叔母のことを呼び捨てなのか?と疑問の声が聞こえそうですが、そこは妹公認の「Hey!YUI!」のテンションで呼び合うフレンドリーな三姉妹です。

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