ことばを学ぶこと

僕には3歳になる息子がいる。息子はなかなか言葉が出てこず、2歳の時点でやっと単語が1,2個出る程度で、2歳半の段階で療育を勧められた。

とても悩んだ。

ちょうど、海外に僕が転勤するタイミングでもあったため、息子が僕と暮らすことになれば療育に通うことはできない。

それどころか、日本語の刺激がなくなるためますます言葉が出てこなくなるのではないか。結局、僕と妻は話し合って、一緒に海外に行くことを選択するのだが、日本語の刺激が減る分意識して家庭内での言葉を充実させるようにした。

毎日、kindleで購入した日本語の絵本を30分以上朗読し、絵の描かれたカードを使って、物の名前を当てる遊びをしたり。

何が良かったのかは分からないが、その後3歳を過ぎてから息子は爆発的に言葉がでてくるようになり、現在は通常の生活において他の子供と比較しても言葉の不自由さを感じることはなくなった。

僕自身は昔からことばで不自由することはなかった。小さな頃から絵本を読むのが好きで、2歳の時に絵本の宝島を暗唱していたらしい。受験期になっても現代文で困ることはなかった(漢字はボロボロだったけど)。

最近の若い人たちは(このフレーズを使う時点でもう自分は若者ではないのだなとよく思う笑)、読解力が落ちているから視覚的な情報に頼るようになっており、twitterよりもyoutubeやtiktokが流行っているのはその影響だと何かで聞いた。

別にyoutubeやtiktokを否定する気は全くなくて、僕もyoutubeをエンタメとて楽しんで見てはいるが、やはり読書の面白さを知らないのはもったいないと思う。まだ若い頃にハリーポッターの新刊が出るたびに図書館にわくわくして借りに行ったり、表現の美しさにため息が出るような小説を読んだ時の喜びは、他では味わえない。

僕は、息子がどんな大人になるのかについて、過剰に介入するつもりはないけれど、読書の面白さ、言葉の面白さはこれからも伝えていきたいと思っている。僕の恩師が高校生の頃にこんなことを言っていた。

「読書をしないことは、人生において大事な親友がいないのと同じくらいもったいないことだ」

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?