見出し画像

体内舌戦

似たようなことで毎回悩んでいる。
頭脳党と精神党に分かれて毎日議論している。

私の体内という国に於いて。

国会ぐらいの感覚でやれば良いと思うものを毎日毎日論戦を繰り広げている。

野次を飛ばすのは「自律神経党」である。

頭脳党党首が言う「現実的な方法論に至ってはこのルートを通り、以前のような財務体制を敷くことによって、安定が得られる。」

精神党党首が言う「そう言って10年以上その政策を実施した結果、こうなったのであればその方法論は間違いであったと一度認めたらどうなんだ」

自律神経党たちの野次が飛ぶ
「そうだ!」「そうだ!」

頭脳党「それでは、代案はあるのか。いつまでもこうしていたら結局苦しむのはそちらも同じことだ。これが駄目ならどうしろと言うんだ。代案を示せ。」

精神党「今やりたいことをする。これしか無い。今のまま再び前回の制作を繰り返してみろ、この国(私の身体)は崩壊する。」

頭脳党「非現実的な希望に縋って精神を磨耗し続けていたらやりたいことがやらねばならぬことになる、それはここ3年で立証されたことだ。崩壊崩壊と貴方方は声高に叫ぶが、崩壊せずに二十うん年持ったのだからその意見はただの脅しだ。」

自律神経党「他人事だ!」「現実を観ろ!」

精神党「自律神経党からのアンケート結果としては、この方法を取ることによって掛かる負荷の増大、そして我々精神党の声が届かなくなること、この国を相対的に見ればマイナスになっている。」

頭脳党「この国では民主主義体制を取っている。つまりこの国の意見としては頭脳党の方に多数派に流れて今、我々の勢力が増大しているのだ。詰まるところ、「意思」は我々の方に圧倒的に傾いている。」

精神党「それはお宅らが脳という実権を握っているからだ。何度も言うが、ここに於いて、多数決など意味を為さない。結局お宅らが操作しているのだ。」

頭脳党「ならば操作権利を一度お宅らに譲ろう。そうなった時、崩壊したら責任の所在は結局のところ私たちに来るのだ。"頭脳が正しい判断を下さなかった"と。お宅らには責任という概念が欠如している。これは心の問題では無い。対外的(物質的な、社会的な)な、問題が山積みになっている。」

精神党「それなら、この国の舵取りを芸術に切ればいい。そうだ、結局のところ、その時の結論もお宅らに邪魔されたのだ。」

頭脳党「それが最良と、その時は自律神経党とも合意したが…。」

自律神経党「しかし、治らなかった。つまり間違っていたのだ。頭脳党と組んだところでだ。」

頭脳党「いやいや、自律神経党の方々の考えはわからぬ。お宅らは本当に風見鶏だ。精神党との議論の方がまだ建設的だ。」

自律神経党「しかし、実質的な国の中身を動かすのはいつも我々なのだ。」

精神党「意見も言わず、同意も得ず、強行する点に於いては、目に余る。もっとハッキリ言ったらどうだ。」

自律神経党「ハッキリいう頃には精神党、お宅らが答えを出している。」

云々…

なるほど喧しい。
こんなのが毎日続く私の神経回路はもはや機能していない。散々論戦を繰り広げ、最後は持ち帰り、翌日も同じことで同じように詰り合うのだから。

応援いただけましたらサポートお願いします。いただいたサポートは今後も活動を続けていくのための費用と生活のために使用させていただきます。