クロスマーチャンダイジング
難しい感じのタイトルをつけましたが、これは単純に《関連陳列》のことです。
ひと昔前のスーパーは、鮮魚部門、畜産部門、乾物部門と、部門毎にバイヤーがいて、それぞれの予算を抱えていました。
なので他部門の商品を自部門の売り場に置く事など考えもしません。
ところが、とあるスーパーが画期的な人事に取り組み『パート店長』という形でパートのおばちゃんに店長の役割を担ってもらい「徹底したユーザー視点の売場作り」に取り組んだところ売上が急拡大しました。
その1つの大きな取り組みが《関連陳列》という手法で、例えば[豚肉]の近くに[生姜焼きの素]を置いたりする陳列方法です。
この陳列方法は最近のスーパーでは当たり前になっていますが、様々な分野でもこの《関連陳列》が活用されています。
紳士服のAOKIでもフレッシュマンスーツの近くには革靴やネクタイも一式売っていて、ワイシャツとネクタイと靴下3点セット購入で割引き等やっていますよね。
ここで少し注意したいのは『なんでも関連するものが売れるわけではない』という事です。
基本的には「備蓄がありそうな商品より、脇役だけど無くては困る(あったら助かる)ような商品の方が効果を発揮しやすい」ということに注意しましょう。
例えば「カレー粉の側ににんじんや玉ねぎを並べておこう」と思っても、にんじんや玉ねぎは普段から良く使う食材で日持ちも悪くないので備蓄されている可能性が高いです。
それよりも「少しの工夫で旨味アップ」のPOPと共に、普段あまり使わない調味料の[ターメリック]や[ナツメグ]が置いてある方が関心を引きやすくなりますよね。
カレーですから「ご家庭で余計な洗濯物が増えない工夫」なんてメッセージと共に紙エプロンが販売されてるのも面白いかもしれません。
ブリの横に大根を置くよりも[ブリ大根の元]がある方が「そういえば家に大根あるし今夜はブリ大根にしようかな」…となります。
少し上級テクニックですが【No.081"データマイニング"】に書いた「オムツとビール」もこれですね。
小さな子供のいる家庭では 母親はかさばる紙おむつの購入を父親に頼み、店に来た父親はついでに缶ビールを購入している事がデータから分かったあるスーパーがこれを関連陳列したところ驚くほど売り上げが急上昇したという話です。
販売データは宝の山だと思ってください。
お客様視点で購買心理を想像し《関連陳列》の仕組みを組み上げていきましょう!
これは飲食店のメニューなどにも応用できますので再確認してみはいかがでしょうか。
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