わざわざとハヤカワ五味氏に学ぶ、ブランディング論 -#notemeetup
note主催の note creator meetup #4に行ってきました。
今回のゲストは「パンと日用品の店 わざわざ」の代表 平田はる香さんと、小さいサイズ専門下着ブランド「Feast」やラフォーレに出店して話題となった「Dubble Chaca」を手がける 株式会社ウツワ代表のハヤカワ五味さん。
テーマは「デジタルでブランドのストーリーを語ること」だったのですが、ゲストがゲストだけに小売についてのお話も聞けるかなと期待を抱きつつ向かったところ、小売から経営、人材採用に至るまで情報ずっしりのイベントで、ほくほくしながら久しぶりの渋谷の雑踏を帰ってきました。
note のイベントだけに、明日になればレポートはきっと色々上がると思うので、私は特に印象に残ってかつ私のメモがわりにもしっかりと書き留めておきたい、“ブランディング”についてのところを。
結論から言うと、平田さんがおっしゃった、
大手メゾンのようなブランドはブランディングしてブランドになったんじゃないですよね
(記憶を辿って書いているので一言一句あっているかわかりません)
と言うところに尽きました。
ブランドはそのブランドの生き様が現れた結果
先の平田さんの言葉をもう少し深く話すと、「LOUISVUITTON や patagonia のような今大きいブランドは、別にブランディングしたくてそうなったのではなく、ブランドとしての使命感や社会的に提供したいミッションをやり続けた結果、それが受け入れられ、広く認知されて今がある」のだと。
ハヤカワさんは「はじめにきちんとパッションがあった上で、それをどう届けるかと言うところでのブランディングは必要」と補足的に自身の意見を述べていましたが、基本的に、どちらもブランディングありきでないことは明らか。
もちろん、きっとヴィトンもパタゴニアも、”どう届けるか”のところを全くもって考えてないわけないとは思いますが、まずはそこではないでしょう、と言うことです。
じゃあ、わざわざはブランディングをしてないのか
では、わざわざではブランディングをしてないのかと言うところなのですが、私からするとめっちゃしているじゃん!と言うのか印象なのです。
そもそもブランディングって、ざっくり
ブランディング(英: branding)とは、ブランドに対する共感や信頼などを通じて顧客にとっての価値を高めていく、企業と組織のマーケティング戦略の1つ。ブランドとして認知されていないものをブランドに育て上げる、あるいはブランド構成要素を強化し、活性・維持管理していくこと。- wikipedia
と言うことなのですが、わざわざが発信しているnoteの記事も、instagramも、ECサイトも、その全てがわざわざを大事に思う顧客との繋がりを強めていくもので、平田さんの日々の発信そのものが顧客にとっての価値を高め、わざわざをブランドとして育て、わざわざのブランド構成要素を強化したり活性したりしているのです。
ただ、平田さんが言いたかったのは(多分)、ブランディングと言う走れる手法はないよ、と言うこと。
ブランドのあるべき姿を目指し、ブランドのお客様を観察し、各SNSやその他のサービスを研究して、ブランドが届けたいことが一番届きやすい方法を選びながら届けていく。それってとても“ブランディング”なんていう簡単な言葉で語れるような一朝一夕にできる手法はどこにもないのかもしれないけれど、それこそが、ブランディングだとわたしは思うのです。
これ余談ですが、ちょうどKIDSLINEの代表、経沢香保子さんがやっている(オフレコのようですが)かほこママのVoicyでも「自己プロデュース」という言葉でも「手法の話ではなく、なりたい姿に向かって必要なことをやっていく」という意味で似たような話をしていました。
note を使って人材のフィルタリングをしている話
ちょっとだけブランディングの話からそれますが、平田さんもハヤカワさんも話していたことで興味深かったのが、「note でビジネスサイドの話を書いているのは採用のため」ということ。
例えばわざわざで、パン屋さんあるいは雑貨屋さんとしての温かいブランドが出来上がれば出来上がるほど、採用でもそれが好きそうなふわっとした人ばかりが応募してきてしまうのだとか。でも、実際にはもっと泥臭いところもあるし、働き方は地味に淡々と信頼を積み上げることも重要だったりして、楽しそうでふわっとしたお店としての見た目だけで来られてしまうとお互い辛いと。
それを防ぐためにこそ、noteにはお店の裏側的な話、経営面のことやどんな働き方をしているのかといったところをしっかり書いていくことが人材採用の部分でフィルタリングになり効いてくるのだそう。
それはハヤカワさんも全く同感で、なんならインターン向けの研修資料をnoteでまとめて販売しようかなと思っているとか(これは名案!と思いました)。
実際、ハヤカワさんのnoteでは「ジェネレーションZのアパレル経営論(β)」というマガジンを社内外に向けて更新されています。
今日の話の中でも合わせると1/3から半分くらいのボリュームで細切れに人材の話が度々出てきたのですが、印象として、経営者の仕事って自分の会社にあった人を集めることなんだなと改めて思いました。
平田さんも採用の質問を受けたときに、大事にしていることに「気の合う人」をあげていて。
会社って人の集まりなわけで、会社やそのサービスの文化を作るのは社員だったりするんですよね。
だから、結局、平田さんやハヤカワさんがnoteを通じて効果を感じている人材戦略も、最終的には会社のブランディングに繋がっているなと思ったわけです。
まとめ
最後に。
冒頭にあった平田さんの、
大手メゾンのようなブランドはブランディングしてブランドになったんじゃないですよね
というひと言ですが、
詰まるところ(私の解釈では)、まずはブランドとして「どうなりたいか」が大事で、そこなしに手法の話をしてもダメだよ、って、当たり前っちゃ当たり前の話なのです。
でも、ビジネスがうまくいっていなかったり、自分にとにかくモヤモヤしている人って、うっかりするとついつい方法が目的化しやすいところがあると思うので、何より大事な「どうなりたいか」から逃げずに向かい合ってそのためにやれることをとことん考えることが何よりものブランディングというところは常々心に刻んでおきたいと思います(自戒を込めて)。
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