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キャビキュリフェス2022の裏側

只今絶賛キャビキュリフェスリハーサル真っ最中。昨年も行われたキャビキュリ主催二日間の音楽祭が今年もまたやってきます。キュレーションとオーガナイズ、裏方全てを担う運営チームの一人として、今回キュレーションするにあたって個人的に思っていたことや考えたことを公演前にまとめていこうと思います(ネタバレ含む)。公演にいらっしゃる方、いらっしゃらない方にも読んでいただければ嬉しいです。

キャビキュリ2022

先ず今回のプログラムです。

2021年に開催したキャビキュリフェス第一回目では、一日目にアンサンブル九条山によるピエロ編成(にヴィオラが加わったもの)のプログラム、二日目は室内オーケストラの公演がありました。文化庁のARTS for the future!助成のもと普段より大き目の規模で公演を打つことが出来たため、前からやりたかった室内オーケストラ編成のプログラムを組むことになりました。

キャビキュリ2021

プログラムリサーチと決定方法

そしてキャビキュリ2022は、一日目にパフォーマンスをテーマに打楽器多めの編成プログラムを、そして二日目は中編成アンサンブルプログラムをお届けします。いつもキャビキュリのキュレーションでは、事前にそれぞれがリサーチをしてやりたい曲を出しあい、その後実際的な事柄を含めて精査しつつプログラムを決定していきます。これは、完全に裏側の話ですが、当初挙がっていた曲(惜しくも諸々の理由で断念した曲含め)を挙げていきます。今回演奏する作品のほかにも、こういうのがあったのね、とふんわり受け取って頂けたらと思います。同じ作曲家でも別の作品が当初候補に挙がっていたりしました。

因みに、最初にざーっとプログラム候補を挙げるときは大抵明確なコンセプトやテーマなどはなく、単に面白いとか好きとか聞いてみたいとか、感覚的にリストアップしています。そこから挙がってきた作品を見て共通点を探したり、どういうところに面白みを感じているか分析しつつ、そこからテーマ性も含めて絞っていきます。

候補作品の例

Øyvind Torvund (1976-): Neon Forest Space (2009) 

二日目公演で取り上げるエイヴィン・トルヴンは、最初別の作品が候補にありました。どちらも同じCDに入っており、今回公演で演奏する「Willibald Motor Landscape」はCDの一曲目、最初候補に挙がっていた「Neon Forest Space」はCDでは二曲目に挿入されています。

Christian Winther Christensen (1977-): Andante con moto (2010)

二日目に取り上げるクリスティアン・ヴィンター・クリステンセンも、当初は「Andante con moto」が挙がっていました。こちらは、バスクラリネット、トランペット、ピアノ、ヴァイオリン、ヴィオラ、チェロという組み合わせのために書かれた作品で、今回は編成が合わずに断念しましたが、いつか挑戦したい作品の一つです。今回は、クリスティアンの別の作品「Almost in G」を演奏します。

Kristine Tjøgersen (1982-), Seafloor Dawn Chorus (2018) 

https://vimeo.com/653159294

一日目に演奏するクリスティーヌ・ヒョーゲションも最初は別の編成の作品が挙がっていました。これらの作曲家以外で100作品弱候補が挙がっていたのですが、全てを書くことが出来ないので、以下に作曲家だけをリストアップしていこうと思います。

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