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読み聞かせ本【和書】

子どもが生まれて2ヶ月の頃から、読み聞かせをしてきた。もちろん、初めは絵本から。幼稚園の年長さんくらいからは、少しずつ、物語を読んだ。

そんな、我が家で読んできた数々の本のうち、私も子どもたちも大好きな本を紹介したい。

年長〜低学年向け

★星モグラサンジの伝説(岡田淳/理論社)

岡田淳さんの本はどの作品も大好きでオススメなのだが、星モグラサンジは痛快さナンバーワンだ。

NHKのみいつけたという番組に「おててえほん」というコーナーがある。就学前の子どもたちが手のひらを絵本に見立てて開き、自分の想像力でお話を作っていくのだが、これがなかなかいい。子どもたちの紡ぐ物語は奇想天外なものばかりで、ほっこりする。星モグラサンジも、ぶっ飛んだキャラと破天荒な生き様で、おててえほんに負けてはいない。

大人になるとこんな物語を思いつくのは、実はとても難しいことなんじゃないか。岡田淳さんは天才だと思う。

同じ岡田淳さんのお話で、低学年には次の2冊もオススメ。我が子にも何度か読んできた。

★雨やどりはすべり台の下で(岡田淳/偕成社文庫)

★ムンジャクンジュは毛虫じゃない(岡田淳/偕成社文庫)

高学年向け

高学年になったら、大概の児童書は自分で読める。だから我が子にも、もう読み聞かせしなくていいんじゃない?と聞いたことがある。

すると、「自分で読むのと読んでもらうのは違うんだよ。読んでもらう方が場面を想像することに集中できるって感じで。だから止めないで。」と、断固反対された。

読む側の大人にとっても良い事がある。大人になると児童書を読む機会が減るが、読み聞かせを通して触れることができる。

子ども向けと侮るなかれ。真摯でまっすぐな生き方、素朴でシンプルな友情や愛情に胸を打たれる。

児童書に描かれる世界は、もしかしたら大人にはきれいごとに思えるかもしれない。でも初心忘れるべからずとはこのことで、そんな純粋な姿にハッと気づかされることも多い。

★守り人シリーズ(上橋菜穂子/偕成社)

上橋菜穂子さんの物語は、壮大だ。実在しない地理、国、文化、言語。物語の背景にある設定がガッチリと固まっていて矛盾がない。シリーズ全部を読み聞かせしたが、とても長いお話にも関わらず、実在する世界の歴史物語のように連続したドラマが展開されていて、飽きない。

主人公バルサの戦闘シーンは香港映画のワイヤーアクションを彷彿とさせる。しなやかで強靭な体と心は、誰もが素直に憧れる格好良さがある。

ところどころに描かれる食事シーンも、また面白さのひとつだ。異国の名前の食べ物として描かれていても、美味しそう、作れそう、と親近感を感じる。

★鹿の王(上橋菜穂子/角川文庫)

守り人シリーズよりは短いが、こちらも壮大な物語。

国と国、民族と民族の、力の均衡を保つのが如何に難しいか。国を統治する者の責任。そんな大きなくくりで読むこともできるし、親子・家族・友人など小さな単位の人間関係における、素朴だけど手放す事のできない心情を描いた物語として読むこともできる。医学の物語として読むこともできる。

守り人シリーズより更に複雑・難解で大人にも十分に読み応えがある。個人的にとてもお気に入り。

★二分間の冒険(岡田淳/偕成社)

岡田淳さんの作品は割とほのぼのしたものが多い印象だけど、こちらはスリル満点の危険な冒険物語。

現実の世界から異世界に移動してしまい、冒険をする主人公。危険な冒険をする中で、自分にとって本当に大切なものに気づき、強くたくましく成長する。それはありふれたストーリーのようだけれど、岡田淳さんの紡ぐ言葉に吸い込まれるように夢中に読んでしまう。

現代的でありながら、流行り言葉に頼らない丁寧な文章で、子どもの頃にはこんな日本語にぜひ触れてほしいと思う。

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