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読み聞かせの温もりを胸の奥に

生まれる前から続けてきた寝る前の読み聞かせが、中2の夏、唐突に終わってしまった。

中学生になっても寝床に入ってからの15分間は読み聞かせタイムだった。以前、もう読まなくていいんちゃう?と聞いた時は、「自分で読むのと聞くとでは違うんだよ。聞く方が物語の世界をイメージするのに集中できるんだよ」と言われた。
それなら「もういいや」と言われるまでとことん付き合おうと決めていた。

ところが、中2になって勉強が難しくなり、テスト範囲も広くなって、1年生の時よりテスト勉強に時間がかかるようになった。眠気MAXで寝床に入るので「今日は読まなくていいや…」と言われるようになった。そしてそのまま、テスト期間が終わっても読まなくて良くなった。

寂しい。

そもそもこの年齢まで親の読み聞かせを聞いてくれる方が珍しいんだろう。私だって、いつまでも聞いてくれるとは思っていない。それでも子どもとの距離がスッと開いた気がしてしまう。
引き留める気はないが、寂しさは残る。

読み聞かせの時間のおかげで優れた児童書を読むことができた。大人になってしまった自分は読み聞かせの機会でもなければ、それらの児童書を手に取ることはなかっただろう。
子どもたちと物語の感想を話し合えるのもとても楽しかった。何より時間を共有できたことそのものが喜びだ。

子どもたちには何か残せたのだろうか。願わくば幸せな思い出として覚えていて欲しい。そしていつか我が子を抱くことがあれば、厭わず読んであげて欲しい。

本を介して温かい時間を共に過ごす喜びを味わえて、私は本当に幸せだった。聞いてくれた息子たちに感謝している。

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