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どんな仕事に就きたかったの

先日、母と喋っていたとき唐突にこんなことを聞かれました。
「ゆきちゃんって、小さい頃どんな仕事に就きたかったの?」と。


「お、おぅ……おぅ?」です。固まりました。簡単にまとめてしまうと、私は具体的に「将来はこの仕事がしたい」といういわゆる現実的なビジョンを持ったことがないことに気付いたからです。小さい頃から37になる今まで。


いや、「将来はこんなことがしたい」というビジョンというか志は常に持ってはいました。
ですがそれは、小学生の頃の「ラジオパーソナリティになること」に始まり、次いで「漫才師になること」、その後は「シンガーソングライターになること」を経由したのち「漫画家になること」「小説家になること」を辿っていくという、なんというかこう「その道一本で食っていける保証は多分一般的に想像される職業よりも低い」ものばかりで、なれないことはないのでしょうけれど、なかなか難しいものがある道ばかりに志を抱いていたのです。


加えて私は高校を2度中退し、高校卒業程度認定試験を取って進学はしたもののまたそこでも中退しているという経歴の持ち主なので、「卒業後の進路を考える」という機会にほとんど恵まれることはありませんでした。

10代20代は自宅と病棟の往復で病状も不安定でしたし、「自分の力で稼いで生きていくにはどうしたらいいか」ということを考えることがなかったのです。


くれぐれもここで、会社に勤めるような生活を選んだり、資格を取って働くといったような仕事を選んだり、と、そういうようなことでまとめることが正解だとは思っていません。仕事って言ってもいろいろありますから。

ただ、私は若いころに自分の「進路」について考える機会があまりなく、努力と運と才能がないと務まらないような道ばかり考えていたなぁと。


でもなるのが割と困難な仕事ばかりに憧れを抱いていたことを、悪いことだとも思いません。自分の生計を立てることにはなりませんでしたが、そういった志を常に持っていたからこそいきいきとできた部分は大いにあります。不安定な自分に安定をもたらすものだったとも思います。

それに、どこからどう考えても私は「創り、発信する」ことをしないと生きていけない人間だということは自分でも分かっています。だからこれでよかったんだと思います。


どこからどう見ても「私は私」にしかなれません。会社勤めができなかった自分も私です。クリエイティブなことを常に追っていた(追っている)自分も私ですし、そこから生きがいを得ているところも私です。

「ちゃんと、働いたことがない」などとなにも恥じることはないような気がします。「ちゃんと」仕事に就いた経験は今のところありませんが、なんというか「自分は自分」と胸を張っていてもいいと思う今日この頃です。

自分は自分にしかなれなくて、自分の志しか抱けなくて、でもそれが比較的安定を保障されないものであっても、夢があるということはいいことだと思うのです。


ちなみに病状が割と落ち着いてきた30代に入ってからは、webライターや占い師などを経験させてもらいました。やっぱり、なんとなく「私らしい経歴だな」と思います。

今は就労継続支援B型に通所を続けることを目標としながら、こうやって文章を書いたり気まぐれにお絵描きをしつつ、体調を整えながら生きていきたいなぁと思っているところです。その中で、その先にまた志を見つけることができたらいいなぁと思います。


漫才師、シンガーソングライター、漫画家、などなど。いいじゃないですか。実に私らしい歴代の「就きたかった仕事」です。今はこうやって抱いてきてなにかしらの行動をしてきた今までのことが、今そしてこれからの私の人生において活きていけばいいなと思っています。

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