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日本海の美しさと荒々しさ― AD『Shallow Water』が放つ音色は旅へと誘う

 台湾音楽が好きになり、アーティストの紹介記事を書くようになってから、幸いなことに台湾で活躍するアーティストや、台湾を始めとする海外でも活躍するアーティストとのご縁に恵まれています。
 そのうちの一組が、日本の音楽ユニット、AD。ギタリストで作曲家の山崎昭典(Akinori Yamasaki)と、ギタリストでコンポーザーのdrowsiness、それぞれが国内外のアートシーンなどでも活動する音楽家です。
 ADとの最初の出会いは、2021年の夏。彼らが台湾の3ピースバンド四枝筆 Four Pensとコラボした楽曲を発表した際に、連絡を頂いたことがきっかけでした。ポップさの中に、凛とした美しさを持つ四枝筆 Four Pensと、ADのアンビエントで清廉さや透明さを感じる楽曲に心奪われ、楽曲制作の経緯などについての話を伺い、昨夏にnoteでも公開しました。

 2022年3月9日(水)に、彼らの1stアルバム『Shallow Water』が、ついにリリースされました。このアルバムは、四枝筆 Four Pensとのコラボ曲「潮隙 Spindrift」を含んだ、全11曲を収録。今回は、ADの新作や彼ら自身について話を伺いました。

浅瀬の水音が目に浮かぶ楽曲

――ごぶさたしています。今日は、よろしくお願いします。

2人:よろしくお願いします。

――今回のアルバムのタイトル『Shallow Water』ですが、"Shallow"は"浅瀬"って意味ですよね?以前のインタビューでdrowsinessさんが、”日本海の浅瀬がとても綺麗だった”とお話を頂いたのが、タイトルにも反映されているのでしょうか?

drowsinessさん(以下、drowsiness):そうですね。それに何よりも、僕自身が、一緒にやっている山崎昭典さんが2014年に出したアルバム『海のエチュード』に、すごく感化されたんです。『海のエチュード』で描かれている海を、日本海の浅瀬と勝手に解釈をして、その世界観に続くような音の世界を紡いでいきたいという思いがあって、” Shallow Water”という名前を選んだんです。

――そうなんですね。聴いていると、水面に反射する光を感じる音があったり、エレクトロの音の増幅が、波の寄せては返すといった感じがありました。そういった雰囲気や音づくりを意識されてきたのでしょうか?

山崎さん(以下、山崎):2019年にRedBull Studio Tokyoで、僕とdrowsiness君が、初めて一緒にレコーディングしたんです。その時の1曲目で、収録曲「Shallow Water」が録れちゃって。drowsiness君は、前からのイメージで”Shallow Water”って言ったのだと思うんですけども。まぁ、そこから2人で自由に発想を飛ばして曲のアイデアを出していったんです。”こういう曲欲しいよね、こういうのも欲しいね”といった感じで。そうすると、結局 ”旅する”といった感じの曲が出来上がっていってたんです。
僕らは、ギター同士なんです。ギターとギターの2重奏音で、音を広げて、オーケストラのような感じを作るというか。そういうアレンジをしたかったというのはあります。

――なるほど。ギターも、drowsinessさんのエレクトロな音と、山崎さんのアコースティックな音が、人工と自然が調和するという印象を受けました。そういったことを敢えてやったのではなく、お2人の特性を活かした結果、そうなったのですか?

drowsiness:そうですね。僕の得意なところ、山崎さんの得意なところというのを、山崎さんにプロデュースして頂いたような感じなんですよね。そもそもADというのが、そういう感じでして。ここは山崎さん、ここは僕の特性を出す、みたいなことを、山崎さんが音楽の技術や解釈で昇華してくださったところが、非常に大きくて。もう山崎さんなしでは、ADというユニットも、「潮隙 Spindrift」という楽曲も語れないんじゃないかなと思っています。

――山崎さんが、プレイヤー兼プロデューサーという立場で牽引していくという関係が、ADにはあるのですか?

山崎:あはは。そうですねぇ…(笑)drowsiness君のギターというのが、都会的でオシャレな音なんですけど、僕の方は、丹後半島に20年住んでまして。エレクトロニックも好きなんですけれど、それがもう、アナログの音のように聞こえてきだしていて。やっぱり20年ここに住んでいて、生活の中から出てくる音という…。僕も最初の頃、2005年頃に出した1stアルバムでは、電子音響とクラシックギターの融合を目指してやっていたんですけども、そこから時間が経つにつれて、エレクトロニックも、自然の音に聴こえてきたな、と最近は思っていて。そういった自分自身の音と、drowsiness君のキラキラしたところが合わさって、化学反応が起きているな、というアルバムに仕上がりましたね。

「Shallow Water」(Live at FOSSIL STUDIO)

――アートワークについて教えてください、今回も画家・アーティストの中山晃子さんの作品ですが、ピンクのグリッターと紺色のアクリルペイント、このコントラストがとても美しいですね。こちらは、イメージをお伝えして作って頂いたんですか?それとも、中山さんの方からの提案だったのですか?

drowsiness:そうですね、両方といった感じですかね。僕の方からいつも、中山さんにアートワークの相談をしているのですけれど、今回、『Shallow Water』というタイトルだけに、青のイメージがあったんです。僕は、中山さんの描く青がとても好きで。すごい綺麗なんです。中山さんの描く色で、僕が一番好きなのは、青なんですよ。いまは、赤も好きなんですけどね、ちょっと浮気はしていますが…(笑)
その青で、浅瀬の色を出して欲しいという相談をした時に、ちょうど中山さんが描いた絵の中に、このアートワークがあったのです。それで、中山さんから、この絵を提案して頂き、買い取らせて頂いたんです。『Shallow Water』のために、もともとできていたかのような絵で、青だけではなくて紫色もあったり、色自体もエイジングがしてあったりというのを見て、一目惚れしました。山崎さんには、決めた後に、”これです!”と報告したので、ちょっと押し付けてしまったような感じですね(笑)

――山崎さんは、絵を見たときの印象はいかがでしたか?

山崎:いや、もう美しいなと思いました。さすが!ピッタリだな!と思って。これはもう、drowsiness君と中山さんに感謝だなと思いました。

『Shallow Water』アートワーク

――そう考えると、ADというのは、山崎さんとdrowsinessさんのユニットというだけではなくて、中山さんも含めて3人でやっているのかもしれないですね。

山崎:そうですね。実はまだ中山さんにお会いしたことがなくて(笑)いつかお会いできるのを楽しみにしているんですよ。でも、実際に3人のユニットかもしれませんね。

人との縁がつながりユニットが生まれる

――中山さんは、お二人を繋げるのにも一役買っていたそうですね。

drowsiness:もう少しその辺の経緯をお話すると、2014年 僕が大学4年生くらいの時に、山崎さんとは、対バン(共演のこと)をする形で出会ったんです。僕は当時、"関西でのライブに出させてください!”と面識もない関西のインディーレーベルに、ご相談をしたんです。そのレーベルが、sukima industries といって、山崎さんの『海のエチュード』を扱っていたレーベルで、レーベルオーナーの浅利さんから”山崎昭典さんのレコ発(発売のこと)のイベントがありますので、それに出て頂けませんか?”とご連絡を頂いたんです。

――初めまして対バンだったんですね。それはレーベルの方も心が広いですねぇ。

2人:そうです(笑)

drowsiness:お恥ずかしながら、当時は、山崎昭典さんという存在も知らなかったですし、その先にいらっしゃる、鈴木昭男さん(サウンド・アートの先駆者的存在の1941年生まれのアーティスト。山崎さんの師匠にあたる人物)のことも、お名前くらいしか知らなかったんです。山崎さんと鈴木さんの関係も知らなくて、本当に初めまして、といった状態でした。

山崎:対バンをしてから、アルバムをリリースするまでの間は、drowsiness君からちょこちょこメールが来たり、僕のライブに来てくれたりだったんです。それで、動きが出たのは、2018年で、drowsiness君が台湾で中山晃子さんと仕事をした時に、彼女から” ユニットをやれ!”と言われたことなんだよね。

drowsiness:はい。その間に、僕自身が精神を病んでしまって、2年間寝たきりの状態だったんです。いま思えば若かったゆえというところもあるんですが、その時は、山崎さんとのユニットをやらせて頂くどころではなかったんです。家族からも病気のきっかけになった音楽を止めるように言われていた状態だったのですが、中山晃子さんが、僕の復帰 第一弾のライブに誘ってくれたんです。それが縁もゆかりも思い入れの強い台湾だったことは奇跡だと感じてます。そのライブは、WOW BRAVO & FUNKY RAPという、台北の士林(シーリン)にある洋服ブランドのお店で中山さんの個展があって、僕がオープニングイベントのライブのゲストとして参加することになったんです。

――そこで復帰ライブをして、その場でキッカケができたということなんですか?

drowsiness:そうなんです。それで、その時に泊まっていたホテルが、ドアが同じだけれど、部屋は別々というユニークなところだったんです。中山さんとは、大学の先輩後輩という関係でしたし、ステイしている間は朝の4時とか5時くらいまで、お酒抜きでいろんな話をしていたんです。ここでは言えない話ばかりです(笑)
その時に、僕が中山さんに”山崎昭典さんとレコーディングする話がある”と相談したところ、中山さんの尊敬しているアーティストが鈴木昭男さんだったことや、山崎さんと鈴木さんの師弟関係のことも知って、”なんで、そんな方とレコーディングしないんだ!!いますぐメールしなさい!”と言われまして。もう、正座させられて叱られているみたいな状況になり、その場で、山崎さんにメールをしたんです。

山崎:そうそう、夜中にメールが来て(笑)

drowsiness:それで、山崎さんから”やりましょう”と返事が来て、実現したんです。そういった意味では、ADは Akinori Yamasaki プロデュースであり、Akiko Nakayamaプロデュースという感じでもあるんです。

京丹後という場所が作る曲の魅力

――そういう経緯があったのですね。では、京丹後の海をテーマにしたのは、なぜですか?

drowsiness:何よりも僕自身が長年患った病気の時も含めて、一番救われたというか、支えられた音のひとつが、『海のエチュード』だったことが大きかったです。その頃、ちょうどアンビエント、環境音楽をひたすら聴いていまして、それで山崎さんの音楽をいろんな場面で聴いていたんです。
山崎さんとレコーディングすることになって、僕自身は、『海のエチュード』の世界観に触れたい、触れさせて頂きたいと思って。そこだけは、想いとしてあって。それで、海というのが、丹後半島の日本海だということが、僕の中で繋がったので、日本海の浅瀬の海“Shallow Water”を作品にするのが良いのかなと思って、いったんテーマを仮置きさせてもらいました。

――山崎さんは、その話を聞いたときに、いかがでしたか?

山崎:“Shallow Water”という言葉を知ったのは、レコーディングをして1曲目を聴いた時なんです。確かに、“Shallow Water”という、まんまの曲ができたんですよね。そこから、いろんなアイデアを出して、曲を録っていって…。2019年2月に録音して、3月に丹後半島のうちのスタジオ(FOSSIL STUDIO)で録って。最後に、「Seagull」って、四枝筆 Four Pens の「潮隙 Spindrift」が出来上がった時に、これは旅だったな、という感じになりましたね。drowsiness君を通して見た、日本海の旅っていうものになりましたね。

「潮隙 Spindrift feat. 四枝筆 Four Pens」

――drowsinessさんの視点からみた日本海の魅力はありましたか?

drowsiness:山崎さんに、初めて日本海の海岸に連れて行ってもらったの時はちょうど夏の終わりかけだったんです。見た目はすごく優しい海なんですけど、水平線の先まで見ていくと、だんだんと色が黒潮のように濃くなっていくんですよね。優しさもありながらも、カオスな感じもあり、優しさと怖さを兼ね備えているなと。そういう意味では、本当の意味での自然だと思いました。

山崎:冬の海は、すごい荒れていているんですよ。スタジオから車で5分くらいで海なので、こういったものを観ているんですよね。そんな中で、自然との関わりっていうのが、自ずと出来上がっていていくというか。ただ単に癒されるのが自然ではない、という感じ方が身についてきた、というのはありますね。

――聴いている曲の中で、穏やかに始まり、途中で非常に盛り上がり、また最後に穏やかになるというものも多い印象があって。私、詳しくはないのですが、能が好きでして。その世界と、曲の世界が近いなと思うことがありまして。あの世とこの世の狭間を表すような。

山崎:演劇の音楽もやっていて、今は京都の烏丸ストロークロックという劇団の『新平和』という演劇の音楽を担当しています。そこの劇団が、けっこう能を取り入れているといるんですよね。能と言うのは、黄泉の国を行き来するというのが多いと思うのですけれど、丹後半島自体が、黄泉の国だったっていう説もあるんです。まぁ、ちょっとスピリチュアルというか、霊的な土地でもあるんですよ。そういうところに、インスパイアされているからっていうところが大きいかなと。

――京丹後の海はもちろん、天橋立もそうですが、日本海側の海は平安時代から和歌に詠まれることがありました。もしかしたら、人を惹きつけるものがあるのかもしれませんね。

山崎:これは、確かな話ではないのですが、江戸時代までは丹後半島にある経ヶ岬が、日本で一番北だと思われていた、というのがあるみたいなんです。昔は、都からこっちに飛ばされるというのは、左遷になるのですけど、そんな中でもやっぱり、京都の芸術の原型みたいなのが、こっちにあるのではないかなと思うことは、ちょっとありますね。自然との関わりとか。京都市内も自然が豊かなんですが、海に出ようと思ったら、日本海まで丹後半島まで来ないといけないんで。そこで自然との関わりがあって、いろんな絵なども残されていますね。

――確かに、太平洋の方を向くと外国は遥か遠くになりますが、日本海は大陸との玄関口の役割を果たしていましたね。だから海の向こうに思いを馳せるという意味でも、京丹後の海が舞台になることもあったのかもしれませんね。

山崎:確かに玄関口だったんですよね。海沿いには、日本のトップ10に入るような前方後円墳もあるんですよ。そういう豪族が住んでいたんでしょうね。その時代の世界観では、玄関口は、瀬戸内海か日本海でしたから。そっちが正面だったということが残っていますね。

京丹後の海(イメージ)

――そういうお話を聞くと、四枝筆Four Pensに京丹後の観光大使になってもらったら良いんじゃない?みたいな話も以前しましたが、このアルバム自体も京丹後の風景に合わせてみたら、魅力がより多くの方に伝わるように思いますね。

drowsiness:確かに。昨年のリリースした「潮隙 Spindrift」は、Spotify Taiwan にもパワープッシュして頂いて、再生回数が3万6000回近く記録しているということが有難いなと思っているのですが、台湾の方たちにも、流行っているカルチャーというだけで切り取らないで、僕たちがレコーディングしていた京丹後とか、RedBull Studio Tokyoとか、そういうところに関心を持ってもらえたら嬉しいなと思っています。まぁRedBullというのが、山崎さんが大好きな飲み物でもあるというのもありますし…(笑)

熟成期間を経て作られたアルバムへの想い

――アルバムを制作は2019年で、リリースが2022年ですが、制作時と今とで、心境の変化はありますか?

drowsiness:ありますね。2019年の時は、集大成は、この作品かなと思いましたが、いま僕からすると、改善点とかもっと良くしたいという欲がでています。

山崎:本当はこの作品は、2020年に出る予定だったんです。コロナで延期になってしまったのですが、その間にdrowsiness君が、アルバムのマスタリングのやり直しやプロモーションなども含めて出来る限りのことをしてくれたんです。いろんなアイデアを出して、たくさんの方に、コメントをお願いしたのもそうですし。そして2022年のいま、いちばん良い体制でこのアルバムを出せることは、drowsiness君に感謝という感じです。いろんな方のおかげで。

――いい意味での準備期間だったですね。熟成をさせていたような感じですね、プラスに考えると。

drowsiness:正直なところ、とても良かったです。

山崎:作品に対するコメントを多くの方に貰っていて。その人たちが、本当に素晴らしいんです。台湾の四枝筆 Four Pensとか、好樂團GoodBandとか…。コメントを読むだけでも楽しいんですよ。アーティスト同士だからかもしれませんが、あぁこういう感じで聴いてくれているんだ!とか。本当にみなさん、良いコメントをくれました。

――台湾のアーティストでも、日本のアーティストでも感じていることに、共通点がたくさんあって、それが音楽の凄さだなと感じました。

drowsiness:そうですね。国が違うからといって、感じることが異なるというのはないですものね。もうひとつ、ちょっと違う視点でお話をすると、ADの音楽は、日本でも台湾でも決してマスの音楽ではないと思っているんです。他の国に渡っても、決してマスではないと思っています。この作品をアジアの国に広げていくというのは、僕にとって、とても実験的な取り組みなんです。僕の人生においても。
それが、四枝筆 Four Pensとの「潮隙 Spindrift」や、好樂團GoodBandからのコメント、日本でもthe telephones / Yap!!!の石毛輝さんや、永井聖一さん、鈴木昭男さんなどなど、僕の大好きな方からコメントを頂いていると、みなさんに背中を押してもらって、この作品が世に放たれて行くことに、感慨深さを感じます。本当に、みなさんに応援して頂いているんだな、と感じています。

四枝筆 Four Pensからのビデオコメント

みなさんこんにちは!Four Pensです。 シャオシーです、 サニーです、ビボです。 ADのニューアルバム「Shallow Water」をお薦めしたいです。  「潮隙 Spindrift」は、ADと一緒に作った曲で、私(シャオシー)の作詞作曲なので、おすすめしたい曲です。

四枝筆 Four Pensビデオコメント日本語訳

台湾のバンド 落差草原WWWWから『Shallow Water』コメント。

靜謐的街道 溫暖的陽光灑落 簡約透明的聲音 隱隱約約 想念久違遠方城市的樣子 . 2022 推薦日本新朋友 AD-Japan 首張創作專輯《Shallow...

Posted by 落差草原 WWWW / Prairie WWWW on Tuesday, March 8, 2022

台湾のバンド Elephant Gym (大象體操) ベース/ボーカル 張凱婷KT Changからの『Shallow Water』コメント。

日本自然器樂組合AD 今天(3/9)發行第一張專輯《Shallow Water》🎧
一邊做事一邊心裡有點焦慮,因為要對抗逃避心態、試圖跟上每件事情的進度。
結果想說新專輯耶!點開來聽之後,瞬間有被撫平的感覺......


 

――コメントのひとつひとつに愛を感じます。この先にADさんの作品は、CDやアナログなどのパッケージでのリリースをする予定はありますか?

drowsiness:いったんは、デジタルだけという形ですね。でも山崎さんは、フィジカル(パッケージ作品)を出したいですよね?(笑)

山崎:そうですね、カセットテープから何か出したいと思っていますが、それはまずデジタルを出してから考えます。

――あのアートワークですと、アナログレコードの7インチやLPのジャケットも綺麗でしょうね。

drowsiness:そうなった場合は、中山さんの絵を買って頂くという気持ちで、アルバムを買ってもらいたいなと思いますね。

――そうなるとお部屋に飾りたくなりますね。

2人:本当にね、そう思っちゃいますね(笑)

山崎:(笑いながら)とりあえず、最初はデジタルですね。

――今後、ライブなどのご予定はいかがですか?

drowisiness:そうですね、僕のプロジェクトdrowsinessは昨年10周年だったこともあり、アニバーサリー的なことはやりたいなと、周りの人には相談しています。そことADの『Shallow Water』のリリースイベントが、上手く掛け合わされたら良いな、と思っているのですが、こればかりは、僕ひとりでは決め切れないところがあるので、水面下で回りの人と相談しています。

――それは実現したら楽しみですね。

drowsiness:そうですね!いろいろと企画はしていきたいと思っているので、楽しみにしていてください。

――2022年は、アルバムをリリースしていますし、次の企画など控えているような感じで、お忙しいですね。お二人それぞれのプロジェクトもあって、とても楽しみです。今日はありがとうございました。

2人:ありがとうございました!

プロフィール
AD

AD 左:drowsiness 右:山崎昭典Akinori Yamasaki

京都在住の音楽家である山崎昭典とdrowsinessによるプロジェクト。2020年3月に鈴木昭男のイベントにオープニングアクトとして出演後、東京と京丹後にてレコーディングを行ったことにより始動。洗練されたアコースティックサウンドに独特のエフェクティブなエレキギターサウンドを重ね、唯一無二のサウンドが展開される。

山崎昭典Akinori Yamasaki
京都府丹後半島在住のギタリスト、作曲家。
2001-2003年にかけてサウンドアーティスト・鈴木昭男氏のアシスタントとして活動。2005 年に英国音楽誌WIREのサポートのもと、ファースト・アルバム『RED FIELD』をリリース。(マスタリングは宇都宮泰氏。)クラシック・ギターの伝統的な手法と電子音響の先鋭性が見事に調和した本作は、WIRE誌のコンピレーションCD『WIRE tapper 13』に楽曲が収録され、UK実験音楽シーンを代表する批評家・音楽家のデヴィッド・トゥープ氏が賞賛するなど高い評価を得た。
ソロ名義でのライブのほか、2011年『異邦人』(京都舞台芸術協会プロデュース)や2015年『新・内山』(京都芸術センター主催)など様々な表現分野で活躍中。2014年に前作から約8年の歳月を経てセカンド・アルバム『海のエチュード』をリリース。(マスタリングは大城真氏。)現在3ndアルバムを制作中。関西を中心に日本各地のほか、これまでにロンドン、ソウル、香港、台湾縦断ツアーなど海外での演奏活動も行っている。

インタビューに登場した『海のエチュード』はこちらからも聴くことができます。
Spotify
Apple Music
YouTube Music
CDはこちらから

drowsiness
2014年 東京造形大学造形学部デザイン学科サステナブルプロジェクト専攻領域 卒業
ギタリスト、コンポーザー。2011年よりdrowsinessとして音楽活動を開始。現在までに3枚のアルバムをリリース。打ち込みやループステーションやパソコンを一切使用せずに、80年台のエフェクターやギターを用いてリズミカルかつポリリズムな唯一無二の音の世界観を展開する。また、国内外の展覧会や美術館、アートフェス、ギャラリーでのパフォーマンスや国内外の企業や映像作品への楽曲提供、コラボレーションも積極的に行う。


AD 1stアルバム『Shallow Water』
2022年3月9日(水)デジタルリリース。

1.Shallow Water
2.Echo/Cave
3.Towa Kimi Ni Kiku
4.Flashback at the Moment
5.Squealing Sand
6.Pleasure, Seaside
7.Unforgettable Flight
8.Wind Footsteps
9.Praying Forests.
10.Seagull
11.潮隙 Spindrift feat. 四枝筆 Four Pens

bandcampで販売中

Spotifyなど各種サブスクリプションサービスでも展開中。


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