越の国作りー北極星と断層

密教と断層に絡む考察から、再び越の国の話しに戻る。キーワードは不動。

夜空の不動の星といえば、北極星である。北を示し、方角を知るための重要な手掛かりとなる。

古代の人々にとって、不動のモノへの信仰は大きかったと推測する。不安定な生活の中で、変わらないモノが絶対的な心の拠り所となった。

しかし、北極星も変化する。紀元前3000年頃はリュウ座αのトゥバーンが北極星であり、このトゥバーンに面してエジプトのクフ王のピラミッドが建設された。
さらに紀元前1000年頃は、こぐま座のβが北極星となり、さらに時を経て現在のこぐま座αが北極星となった。
北極星とは真北の位置を正確に示す星がないため、近くにある明るい星を北の指標にしているのである。

ここで、クフ王のピラミッドが何故北極星に面して作られたかを考察する。
恐らく、不動の力を吸収するため。
王は絶対権力者であり、生前の力が大きければ大きいほど、死者となってもその力を持ち続けると考えられ、死者つまり地下の国を治める。地下の世界は地震と密接に結びつく。
エジプトにもプレート境界が存在しており、地震とは無関係ではない。プレート境界上にピラミッドを建設し、不動の北極星の力を取り込んだ。
地鎮への祈りこそ、ピラミッドの本質だったのではなかろうか。

そして日本の古墳もまた、ピラミッドと同様の意味を持つと考えられる。

さて、越の国作りである。
姉倉比売神社の謎解きの際、四三の星と結びつく事を指摘した。北極星へ導く北斗七星が立山であり、姉倉比売神社が北極星であると。

おそらくこぐま座β(旧北極星)が大沢野姉倉比売神社、こぐま座αが呉羽姉倉比売神社にあたる。
大沢野姉倉比売は牛首断層上に、呉羽姉倉比売は呉羽山断層上に建つ。

さて、さらに古い北極星リュウ座のαはどこに配置されるか。
北斗七星とリュウ座の夜空の配置と照らし合わせ導き出されたのは、岐阜県飛騨神岡のスーパーカミオカンデである。跡津川断層上である。

夜空の星の配置基準は、夜の力が最も大きくなる冬至の真夜中である。

越の国作りは、星の配置によって決まった。
そして、それには断層がセットになっていた。

夜空と地底世界が密接に結びついていた。

さらなる秘密がある。
北極星は仮の真北である。
天の極はそこからさらに数度ずれたリュウ座のくねった身体の辺りになる。
見えない、隠れた神がそこに鎮座する。

それが何処にあるかは、地図をみて調べて欲しい。

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