ギリシャ神話 ヘラクレスの冒険 アマゾーン女王の腰帯とメラトニン

エウリュステウスの娘アドメーテーがアマゾーン女王ヒッポリュテーの腰帯(アレースの帯)を欲しがったために、これを持ってくることを命じられた。
ヘーラクレースはアマゾーンとの戦いになると考え、テセウスらの勇士を集めて敵地に乗り込んだが、交渉したところ、ヒッポリュテーは強靭な肉体のヘーラクレース達を見て、自分達との間に丈夫な子を作ることを条件に腰帯を渡すことを承諾した。
ところがヘーラーがアマゾーンの一人に変じて「ヘーラクレースが女王を拉致しようとしている」と煽ったため、アマゾーン達はヘーラクレースを攻撃した。
ヘーラクレースは最初の甘言は罠であったと考え、ヒッポリュテーを殺害して腰帯を持ち帰った。

一説ではヘーラーが変装したのはヒッポリュテー本人で、彼女に変装したヘーラーが『ヘーラクレース達が国を乗っ取ろうとしている』と他のアマゾーン族を唆し襲撃させた。
突如襲撃されたヘーラクレースは激怒。ヒッポリュテーに攻め寄り、必死に身の潔白を訴えるヒッポリュテーを殴り殺してしまった。
冷静さを取り戻したヘーラクレースは、ヒッポリュテーの目は嘘を言っているように見えなかったと、話も聞かず殺してしまったことを後悔した。

アドメーテーはもともとアルゴスのヘーラー女神の女神官だった。

松果体ヘーラーが関わってくる話。
アマゾーンは女性の国、つまり卵巣を指す。
その女王の腰帯は、軍神アレースの帯でもある。

松果体からはメラトニンが分泌され、概日リズムを司り、睡眠を促している。

このメラトニンだが、松果体以外でも産生されている。卵胞の顆粒膜細胞(卵胞上皮細胞)。
なんのためにかとういうと、卵子を守るため。
卵胞内の活性酸素が増えると卵の質がさがる
卵胞内の活性酸素の量とメラトニンの量が逆相関している

卵胞内の活性酸素が多量だと細胞障害される。
メラトニンは、その活性酸素を打ち消すため、抗酸化物質、ラディカルスカベンジャーと呼ばれる。
生殖細胞に害にならないようにメラトニンが卵子をまもっている。

卵胞が成熟するにつれ活性酸素も増えるが、卵胞内のメラトニン量も増加し、排卵時には血中の2~3倍にもなっている。
さらに、卵胞内のメラトニン量は、血中からも移行するので、24時間の日内変動があることもわかっている。

アドメーテーはアルゴスのヘーラーの女官、つまりセロトニン。セロトニンはメラトニンの材料。
アルゴスは腸内細菌叢を指しており、そこで生成される物質がセロトニン。

顆粒層細胞はアロマターゼを有しており、内卵胞膜細胞により産生された男性ホルモンからエストロゲンを産生することができる。

つまり、アマゾーン女王の腰帯(卵胞顆粒膜細胞)は、アレース(ステロイド)と密接に関係する。


ヘラクレスがテセウスらとアマゾーン(卵巣)に乗り込む理由。

テセウスは血圧を上げるレニン(タンパク質分解酵素)を指している(テセウスの冒険参照)
卵巣にはアンギオテンシン1をアンギオテンシン2に変化させるレニンが存在し、アンギオテンシン2のもととなるアンギオテンシン1も存在している。
エストロゲンがアンギオテンシの生成に関与していることもわかっている。

つまり、卵巣とエストロゲン、レニン、血圧調整には深い関わりがある。

こうして松果体以外でのメラトニン生成をDNAヘラクレスが獲得した。同時に卵巣でのレニン生成機能も獲得したのが、この冒険の意味である。


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