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美術館巡り

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文学にまつわるテーマで美術館を巡った様子をアップしていきます。
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2020年7月の記事一覧

ポーラ美術館を巡って(神奈川県・箱根町)

<美術館紹介> 2002年9月にポーラ化粧品の創業家である鈴木常司氏が収集した美術品約9500点を展示するため開館しました。所蔵する集めたコレクションは、西洋絵画、日本の洋画、日本画、版画、彫刻、東洋陶磁、日本の近現代陶芸、ガラス工芸、化粧道具など多岐にわたりますが、モネ・ルノアールなど印象派の充実度は群を抜いています。 入口のガラスデザインが印象的です。 富士箱根伊豆国立公園に位置し、「箱根と自然と美術の共生」のコンセプトのもと、ブナやヒメシャラなどが見られる遊歩道を

成川美術館を巡って(神奈川県・箱根町)

<美術館紹介> 1988年に開館した日本画家の作品4000点余りを所有していた個人美術館です。文化勲章受章画家・山本丘人氏に平山郁夫氏など誰もが知る現代日本画作家の作品をコレクションされています。年に3回展示替えを行い、美術館収蔵の秀作をご紹介しています。箱根の芦ノ湖のほとり、箱根海賊船が発着する元箱根港の目の前に建っており、展望ラウンジからの眺望はまさに絶景。 敷地入口から美術館玄関まで、屋外のエスカレーターで上ることができました。樹齢3000年と言われる長寿の樹「大王

バンクシー展を巡って(神奈川県・横浜市)

<展示場紹介> 横浜駅直通・アソビルにてバンクシー展を開催していたので行ってきました。横浜駅直通で雨に濡れません。みなとみらい線なら徒歩5分程、みなみ東口出るとすぐのビルです。1階は、お食事のテーマパークみたいなところ。展示場の2階半分は謎解きアトラクション。他の階は、ワークショップを楽しめたり、子供の遊び場がありました。整えられた美術館ではなく、少し古いビルが会場というのも、バンクシーの雰囲気を盛り上げてくれました。 その後、10月からは大阪でも開催予定。正式には「バン

国立新美術館を巡って(東京都・港区千六本木)

<美術館紹介> コレクションを持たず、国内最大級の展示スペースを生かした多彩な展覧会の開催、美術に関する情報や資料の収集・公開・提供、教育普及など、アートセンターとしての役割を果たす、新しいタイプの美術館として、2007年1月に開館。 内外から人やモノ、情報が集まる国際都市、東京に立地する美術館として、「美術」を介して人々がさまざまな価値観に触れる機会を提供し続けています。「森の中の美術館」をコンセプトに設計された建物の南側は、波のようにうねるガラスカーテンウォールが美し

熊谷守一美術館を巡って(東京都・豊島区千早)

<美術館紹介> 画家・熊谷守一氏の旧宅跡地に建てた美術館。1985年に熊谷守一の次女である榧氏が開館し、2007年より区立美術館として運営。守一氏の油絵、墨絵、書が展示されています。明るく、細部描写の簡略化を追求したフォービズムの画家と位置づけられていますが、作風は徐々にシンプルになり、晩年は抽象絵画に接近して「画壇の仙人」と呼ばれました。その頃の傲岸不遜な青木繁氏と、彼だけは親しかったそうです。 『絵なんてものはいくら気をきかして描いたって、たいしたものではありません。

大倉集古館を巡って(東京都・港区虎ノ門)

<美術館紹介> 大成建設や東京経済大学などを興した実業家・大倉喜八郎氏が収集した日本・東洋の絵画、書跡、彫刻、陶磁器、漆工、金工、刀剣、能面、能装束、考古遺物と中国の古典籍を収蔵・展示するため、1917年に邸宅の一角で開館した日本最初の私立美術館です。 関東大震災で一時休館を余儀なくましたが、1928年に建築家伊東忠太の設計による耐震耐火の中国風の展示館で再開。横には大倉氏が創設したホテルオークラ。ちなみに大倉氏は帝国ホテルの創設者でもあります。 <訪ねた日> 202

菊池寛実記念 智美術館を巡って(東京都・港区虎ノ門)

<美術館紹介> 実業家であった菊池寛実の三女である菊池智の現代陶芸コレクションを一般公開することなどを目的として2003年に開館した美術館。明治・大正期の資産家・千葉亀之助氏の邸宅を菊池寛実氏が引き継いで竣工。美術館敷地内には国登録有形文化財となっている大正時代の洋館「菊池寛実記念智美術館別館」が建っています。下の写真で右の建物が別館。左が美術館になります。 ゆえにレトロでモダンな造りをしています。東京の虎ノ門と六本木一丁目の間、ホテルオークラ東京から程近くにあり、現代陶