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Cin cin!
「はい!じゃ皆さま、チンチーン!」毎年イタリアから日本に遊びにくる友達との乾杯はカジュアルイタリア語で「Cin cinチンチン」必ず。オペラを生業としている彼女の声はものすごく響き渡るのである。日本人としては少し気になる単語なので恥ずいのだ!
その「Cin cin」も慣れてくれば楽しい宴の「始まりの音」に聴こえてくるから不思議だ。ある日彼女と日本でブラブラしている時「もう夕方だし、疲れたからチンチンしようか?」などと電車の中で言われた日にゃ周りの目が気になって仕方ない。声が響く。イタリアの地下鉄はたまに音楽を奏でる人や歌を唄ってチップを稼ぐ人がいるくらいざわついているが、日本の電車は静かだ。
そんな時だったか違う時だったか「ゆき、あなたは周りの目を気にしすぎる。あなたが思ってるほど周りは気にしてないから、あなたが心地よいと思える事を大事にして生きなさい。」と言われた。
実はこの言葉で自分でかけた呪文が解けた気がした。
小さい頃から周りの顔色を気にして、周りの人が楽しく過ごせるように。無理矢理笑ったりして、合コンではお笑い担当。そんな風に生きていた。
この春も夏も日本に遊びにくる予定だった彼女。新型ウイルスのせいで来られなくなってしまった。
いつか、この世界が少しだけ変わったら、またイタリアに行こう!そして彼女とたくさん「Cin cin」しよう!
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