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【日記】渓流釣りと因果な商売
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渓流釣りをしてみたいという、同年代の女性を連れて、樹齢200年を超えるブナが立ち並ぶ森の中の沢へ。
まず、ボクが昼飯用の岩魚を2尾だけ確保。まずまずの良型も釣れて手応えを楽しめた。
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その後、彼女に竿の振り方を教えて釣り登る。
ボクがやっている釣りはテンカラという毛鉤を使った釣り。
この毛鉤を飛ばすのに少々コツが要る。
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彼女はなかなかセンスが良く、初めてにしては毛鉤が飛ぶのだけど、なかなか思ったポイントに落とすことができない。
釣れないまま、昼近い時間になったので昼食に。
すると楽しそうに道具を出してパスタを茹でだす。ジェノベーゼに、ヒラメのムニエル、デザートまで。
昼食は用意するとは聞いてきたけど、ここまでとは思わなかった。
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ボクが釣った岩魚は捌いて刺身に。
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のんびりと食べながら色々な話をする。
お互い大学生の子供がいて、パートナーがいる。
それぞれの家のこと、子供のこと、パートナーのことと、話題は尽きない。
特に夫婦のこととなると、それぞれに長い時間を過ごしているので、色んなことがあったし、それによってできた哲学的な考え方もある。
彼女もまた、大きな出来事があり、そうした哲学を持って生きている。
そんな話を聞いていて、ボクはどう思ったか?
小説のネタになるかも。
そういえば、だいぶ前に読んだ小説家のエッセイに、
「小説家は、親兄弟、友達を売る因果な商売だ」
と書かれていた。
なるほど、こういうことか。
確かに、ボクもすでに実体験や、友達に聞いた話などを小説に入れ込んでいる。
そりゃ、該当の人が読んだら、
「これ、あの話じゃん」
と怒るかもしれないなぁ。
話は親のことなどにも及び、そこでも彼女はなかなか特殊な環境の話をしてくれた。
これまた小説のネタに…。
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その後も釣れないまま、納竿予定の滝に到着。
滝を越えて、さらに少し沢を登り脱渓。
滝壺にはのんびりと岩魚が泳いでいた。
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結局、彼女に岩魚を釣らせてあげることはできなかったけど、楽しめたというので良かった。
こんな1日もいつか小説のワンシーンに、なんて頭をよぎってしまう。
やっぱり小説家って因果な商売なのかもなぁ。
まぁ、まだ商売になってないからいいか。
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