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記憶の街へ

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50歳過ぎると、記憶の街から、出会った人たちが遊びに来ます。 彼らとの思い出話を書き留めてみました。
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2024年1月の記事一覧

【記憶の街へ#9】ボクにできることは何もなかった

【記憶の街へ#9】ボクにできることは何もなかった

(1921文字)

何年か前に、ハワイから帰国した妹と母と話していた時のこと。
「そういえばYさんどうしてるだろうね」
急に妹がそう言った。
Yというのはボクが初めて付き合った女性で、高校生の頃から21歳までの目まぐるしく環境が変わる時期を一緒に過ごした。
なぜ急にそんなことを言い出したのかと尋ねると、そこからさらに6〜7年くらい前に、帰国して母と駅前を歩いていた時に偶然会ったという。
将来は結婚

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