見出し画像

567日記② 〜宿泊療養のホテルに

***
発症から3日ほど経過し、熱の方も36度台まで下がり、倦怠感も少し和らいできました。喉の方がまだもう少しといったところですが、回復の兆しが見えてきました。


━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
月曜日。朝から職場のひとたちと少し電話。
最近は陽性者がかなり多くなっているので、皆小慣れてきてはいるけれど
報告のレギュレーションでは総括系の方々に手間をかけてしまう。

「保健所との対応はどんな感じかな?」
「SMSが来るだけみたいです……」

以前なら、住んでいる場所の保健所、職場の近くの保健所とそれぞれ対応して経路や濃厚接触者などを厳密に報告していた。
よくよく考えてみると随分対応も簡略化されたもんだな、と。
3年近くたって、まさか自分が感染するとは思ってもみなかったけれど、SMSだけの対応でもすんなりと受け入れていることが少し怖い気がした。

PCR検査の陽性の報告が医療機関からなされると、まずは厚生労働省からSMSが飛んでくる。内容は、「療養中の方が関心の高い事項」と「接触確認アプリCOCOA」の登録案内。
その後、私の場合は1日後に保健所からSMSが届いた。HER-SYSという健康状態入力フォームの案内。問診と体温などを日々入力するシステムのようだ。

9時の全体ウェブ会議。
なんとなくいつものようにログインしてみたものの、顔出しする気力もなくROM専状態。ネタがネタだけにだれからも触れられずで、そのまま終了した。テレワークの時代、へんな話ベッドの中からでも会議に参加できてしまう。
自分の中で、仕事との線引きをしっかりすることが大切だと改めて感じる。


10時過ぎ。東京都の宿泊療養の担当の方から電話があった。
宿泊療養のホテルが決まり、本日の12時に送迎車が手配されたとのこと。
昨日の電話で、いつになるかわからないが、決まったら数時間後に送迎車がいくかも、というのは噂通りだった。

宿泊療養は、一度ホテルに入ってしまうと、部屋からも基本出られずで、感染日をゼロ日と起算して10日間は外出禁止となる。
1日3食のお弁当とお水・お茶、ちょっとしたアメニティは提供されるが、
その間のナイトウェアやタオル等、必要なものは全て持参しないといけない。

Tシャツ、下着、タオル、バスタオル、飲み物、お菓子、本、PC、ノートなどなど、リュックひとつで行こうと思っていたけれど、さすがに諦めてRIMOWAの小さいやつを引っ張り出して詰め込んだ。


──12時30分。迎えの車が来る時間を30分ほど過ぎているが連絡がない。

「すいません。先ほどお電話いただいたものですが、送迎時間を再確認したくて……」
「少々お待ちください。午前中の送迎も遅れているようで……事故渋滞で1時間ほど遅れているようです」

宿泊療養の施設は、東京都では現在30施設あるようだけれど、混雑している中、実質半日ほどで割り当てていただけたのはラッキーだった。
しばらくすると送迎車の運転手の方からお電話があり一安心。13時過ぎにきていただけることに。

宿泊療養施設のWebページを熟読しながら、なかなかポジティブな気分にはなれないけれど、選択の余地はない……ということで覚悟を決めた。


──白いワゴンがマンション前に到着。
スーツケースとリュックにありったけのものを詰め込んで車に乗り込む。
感染防止のシートがしっかりついている。
もう1名同乗者がいるとのことで、1キロほど先で停車。
やっぱり、たくさんの方が宿泊療養を利用されているんだな。
しばらく待つと、スーツケースと手荷物を3つほど持った女性が同乗してきた。


無言のまま、ホテルまでの20分ちょいの道のり。
車内は、特殊な空気が流れている。
場所は東京ビッグサイトのすぐ近くの「東京ベイ有明ワシントンホテル」だった。

到着し荷物を持って入り口にいくと、名前の書いてある封筒をとって、ガラス越しにスタッフの方に見せる。
血圧を測定して、封筒にメモをとり、そのまま部屋に入った。

──部屋に入るとすぐに、内線がかかってきて、健康状態の登録などを案内された。
封筒の中の書類をみると、これから毎日、健康チェックとして「LAVITA」というWebのシートに簡単な問診と体温やパルスオキシメーターで計測するSPO2を、1日2回記録していくことになるとのこと。

スマホで少し登録しはじめると、今度は看護師さんから内線がかかってきた。Webで登録した基本的な問診よりも、詳しく話を聞いてもらえて、少し安心した。
熱は36度台になってきていたので、解熱剤も飲むのもやめた。


ホテルを退所する時には、厚生労働省が定めた基準があって、発症して10日間だけでなく、症状が治まってから72時間経過という条件もあるらしい。

これから1日2回、朝の7時と夕方16時に体温等のチェックを看護師さんに見てもらうことで、しっかり経過を観察し療養できるから安心できる。


──とは言うものの。
ホテルの部屋から出られるタイミングは、朝食・昼食・夕食のお弁当をとりにいく1Fまでのタイミングのみ。
外出はもちろんNGだし、面会もできない……。

快適な「巣ごもり生活」ができます!と案内にはあったけれど、結構ストイックな10日間になりそう。


それと、自宅に残してきた家族が心配……(涙)
でも、ここまできたら、しっかりと療養するしかないな。

療養生活のルーティンをしっかり考え、規則正しいリズムをつくり、生活をリセットしたい。


©️Mahalopine


記事執筆のための、いろいろな本の購入費用として活用させていただきます!