『人類2.0 アフターコロナの生き方』を読んで
noteで話題となっていた本。予約注文しておいたので、早速読んでみました。
いつも週に1冊ペースの私も、夏季休暇でステイホームしていたこともあり、2日で読了しました。
内容はコロナ禍で著者が考える近未来予想。それぞれ、働き方、ビジネス、お金、人類というカットで包括的に提言されているのが特徴かな。
さすがこのnoteで超話題になっただけあって、タイムリーな記事を読んでいる感覚で、非常に読みやすかったです。
以下、Evernoteでトラッキングしたところに感想入れていきます。
働き方2.0 わたしもまだ現役ですが、取り残されないようしないとな・・・
コロナ禍で、誰しも何らか考えさせられるものがありました。そんな中で、結構はっきりと、言い切り型で書かれています。
ミーティング(会議)これからはオンラインがスタンダードになる。
対面 リアルで会うことは"特別な行事"?
そうかもですね。仕事環境。
私もIT業界の端くれで20年、法人営業をしてきましたが、ソリューション営業は、どうしてもプロダクト先行となってしまい、本当の意味での"じぶんごと"として、働き方改革って難しかったんだと思います。
それが、コロナの強制的な後押しで、急激に変わらざるを得ない状況になりました。
私の考察では、最初に『テレワーク難民』の経験。これは実際1人でどうやって仕事環境作るのがベストなのかわかんない状況。居場所が家でもなかったりなど。
次に少し慣れて『ステイホームワーク』の経験。なんとなく自宅がオフィス化。そんなカスタマージャーニーを経ていまがあります。
筆者のいう、会議や対面の価値の変化は、波及的に来るんだと私も感じています。ただし、業種・業界にもよって時差が起こりそうですね。あとは大企業がどこまで本腰を入れて制度・環境を変えるかでしょうか。
時間 移動がなくなり細切れのスケジュールになる。15分単位ですらあたり前。
人間関係 いかにしてリモートトラスト(remote trust)を形成するか。
15分かな?と、個人的には思いましたが、それぞれ基準はあるにせよ、今持っている各人の時間単位が短くなることには同感します。
しかし、移動がなくなり細切れのスケジュールになるというのは、良くないと私は思います。
ただでさえ、マルチタスクで、スマホ脳になっている現代。さらに、最近だとコロナ禍で脳内のストレス反応とかも変化があるんだとか。書店の専門書コーナーで、その手の書籍が結構でておりました。なるべく、マインドフルネスなども活用しながら本来の人間らしい、毒されない思考を保ちたいものです。
ホットチャンネル なんの前触れもなく、いきなり電話をかけてくるような人。
そういった20世紀スタイルのままの人は、リモートトラストが基準の世界では駆逐されていくでしょう。
駆逐って・・・言いたい放題ですね(笑)堀江貴文さんの本で、「電話してくる人とは仕事するな」というのが、数年前に注目されていましたが、さらに時代はそちらの方にいってしまうんでしょうか。
40代後半世代のロールモデルは"24時間働けますか?"とかありましたよね。
私もその世代に入るんだと思いますが、電話自体を全否定されるのは、少し違和感を感じざるを得ません。どんどん過激になると人と会うこと自体を、いつか全否定されそう・・・。
それはともあれ、時代感・世代感が、レガシーになるのは理解。しかしながら、根底にあるものは、人間と人間の信頼関係だとすると、その手段に対する評論をしているに過ぎないのかなと思いました。
リモートトラストという言葉も、標準語になるのかどうかですが、拡がっていくんだと思います。
私もプライベートでは、SNSやオンラインゲームで一度もあったことのない人達で、フレさん付き合いはありますが、確かに独特のリアルがない分、偶像化された部分も多々あり、仲良くなりやすかったりします。
今後広がるであろう、OMO的なビジネスの信頼関係という点では相性が良いような気もしました。SNSアカウントなどもフォロワー増やさないと社会的な知名度など今後はなくなるのかもしれませんね。
通勤/営業/服装/背景/営業資料/ランディングページ
あとは、いろいろ思いつくところがまとめられておりました。ちょっと細かいですが、確実にもろもろ変わっていくんでしょう。
最近、マスクをすることが普通になったせいで、女性は化粧品の使用量が激減して化粧品メーカーなどが大打撃なんだとか。
うちの会社でも、オンライン・ミーティングの時に、SNOWカメラアプリみたいに、化粧加工アプリ連携の機能を開発できないか?と意見が挙がっていました。
同類の話で、最近mmhmmが大人気ですね。一気にブームが来てるような気がします。
これがエバーノートの元CEOのフィルさんが発表しているのがすごいです。Evernoteもまた復活してほしいですが、このYouTubeやWeb会議のひとつ上のレイヤーのサービスが盛り上がってくるんだと思います。
私たち国産のクラウドサービスベンダーも、真剣になってサービスを考え、作っていかないとダメだと痛感します。
社内コミュニケーション
①社内コミュニケーション全般
→ クラウド上で、できる限り多くの社内情報を公開する
②オンラインでの社内ミーティング
オンラインでミーティングを開催するのであれば、参会者全員がオンラインで参加すべき。その理由は、情報の格差が起きやすいから。
③部署内や同僚との交流
企業全体の雰囲気をかぎ取る役割があった。
垂れ流しのオンラインミーティングチャンネルをひとつ開設する。ROM専(見るだけ・聞くだけ)
④上司と部下とのあいだのコミュニケーション
心理的安全性。ポイント、小さな相談事を簡潔に伝えること。簡潔な情報共有、些細な変化の共有、「Go/Not Go」で答えられる質問、そうしたものが円滑なコミュニケーションにつながる。
社内コミュニケーションのところ、メモ取りした量が多かった、自分が普段考えていることなんだと思いました。
①の公開する!という方針は非常に共感します。
7月から新しい組織の立ち上げに関わり、全体のグランド・ルールを考える機会がありました。
その際も、社内のビジネスチャットは、役職や雇用形態など関わらず、フルオープンでやってみています。今まで良くやっていたホウレンソウ的な報告が必要なくなったことは、効果が大きかったです。特に在宅ワークが多くなるとなおさらですね。
②の情報の格差は、できてないけど実際どうなんでしょうね。出社している人達も、会議室を取っていないミーティングなどは、イヤホン🎧をしてデスクに座っているのを、よく見かけるようになりました。そして、話しかけると無視されて、よく見るとイヤホンしてウェブ会議してるとかw
もうじきに、VRグラスにイヤホンして、個室に入ってどこかのネカフェみたくなるのかも知れません。ちょっと嫌ですが・・・。
③④はオンライン環境ということで、これから職場の環境改善的に、いろいろなアイデアが出てきて、変わっていくんだろうと思います。
垂れ流しのオンラインミーティングチャンネルも、うちでも試行的にやってみたりはしましたが、あることに安心感があるので良いのだと思いました。それが、心理的安全性へと繋がるのだと思います。
1on1もこまめにやった方がいいでしょうし、逆にその分、しっかりとした時間管理が必要になると思います。なんか自動で最適化とかされそうですね。
最近流行りのZoom飲みと言うか、オンライン飲み会も一次会・二次会など境目もないし、ましてや店員もいません。そうなると会議のように、ファシリテーターが必要になってくるのかもしれません。
また、各自の性格もあるでしょうが、他人に気を遣ってしまう人にとっては、自分のプライベート空間すらなくなってしまうようで、辛いでしょうね。
あつかましく、無限に付き合いたい!というような面倒臭い人に巻き込まれないようなモラル形成の仕組みが必要かと思いました。今はないですもんね。
私も流石にノリノリのキャラは、リアル居酒屋・スナック・夜の街ではありますが(笑)そういう人に限って、自宅では静かに引き篭ったりするもので、ちょっとテンションが上がらんと思います。
少し話はそれますが、今後は、このようなデジタル世界のルールやアルゴリズムみたいなのは、ブロックチェーンの中に搭載されて運用されていくような気がしています。スマートコントラクト的なやつです。ビットコインじゃない方ですね。個人的に好きなんですよね・・・ブロックチェーンはインターネット以来の大発明だと思ってます。また、その本は別の機会に。
マネジメント層がやるべきことは山積み・・・ですよねw
対面がなくなる前提でのワークフローの構築
社内ルールの整備
各種ビジネスインテリジェンスツールのアップデート
HDX(ヒューマンデジタルトランスフォーメーション)への転換が重要。
①社内デジタルデータへの安全なアクセス環境の整備とそのリテラシーの獲得
②従業員同士でのスムーズなオンラインコミュニケーションの促進
③従業員一人ひとりのコンディションの把握とマネジメント
この辺からは、ちょっと読むスピード上がりました(笑)
最近よく聞くことが多かったというか、やって当たり前のことかと思います。
特に私も所属している大企業は、ある意味この手のルールの歴史の集合体みたいなものでした。このコロナで良くも悪くもパラダイムが変わり、強制的な改革の後押しになっているのだとすると、大企業にこそ、チャンスが出てくるような気もしています。
ドラッカーさんが言うように、マネジメントとは、人を管理することじゃなくて、ルール・仕組みを考えて、作って、管理運用することなんだとすると、まさに「おっしゃる通り!」的なことですね。
HRテックみたいなジャンルが、ここ数年耳にすることが非常に多くなった気がします。どんどん人間のDX化が進むと、いつの日か強いAIが、人間のアルゴリズムを理解し、チュートリアルテストをパスする日は近いような・・・。
実際どうなんでしょうね。でも不可逆的に後退はしないんだとすると、DXは放置しておいても進むんだと思います。レイ・カーツワイルさんの予測通りなのかもしれません。
ビジネス2.0 各業界分野に広く言及してる。
大企業・グローバル企業 :日本全体の営業利益率4%程度というのは、世界的にみて明らかに低い水準。日本を変える新陳代謝が起きるかも。
飲食 :外食、中食、内食、そして配食(デリバリー)の4つの分類で市場が語られるのではないか。ウェブ業界のキーワード
スマホファースト → ホームファースト、リモートファーストなど?
教育 :オンライン授業の準備がほとんどできていなかった・・・
IT後進国の扱い。対面式の授業を重視し過ぎた弊害。
大企業の社畜リーマンとして、大企業のこと書いていただいていたのは嬉しかったです。しかも、営業利益率が低いから、日本を変える新陳代謝が起きるかも!とか。もちろん、やっていかないとダメな訳ですが、それがボトムアップで起きる仕組み・仕掛けを考え、バイラル的に拡がっていかないと、従来の正攻法だと希望はないのかなと、自分でいてもつくづく思います。
外食、中食・・・の下りは、配食(デリバリー)はありかも知れません。でもその仕組み仕掛けを、ウーバーほにゃららららに気づいたら、取られちゃっているのも、日本らしいというか、なんとも情けないところ。3割くらい持っていくみたいですよね。
あのモデルが、無機質なクラウド・AIのようなコンピュータに有機物質な生身の人間がコントロールされている姿なんだと、つくづく感じます。私はいまだに一度も頼んだことはないのですが(自分でもびっくりw)、休日にウォーキングしている際に、配達員の数を数えるゲームをするのが日課になっております(笑)
※最高記録は15 ubereats
あとはウェブ広告などの嗜好性とかは当然変わるんでしょう。YouTuberの時点で世界的にとっくに変わっていますし。在宅ワークがベースとなり、コンシューマよりの思考になるのかどうかは、クエスチョンですが、メンタルの帰属する場所が、会社ではなくなるのかもしれません。
その昔、創価学会に所属するお客様と居酒屋談議をしていた時、「日本人のナショナリズム」というテーマで飲んでいたことを思い出しました。
酔っ払っていたので適当な話かもですが、最終的に私も含め、会社・仕事にメンタルを帰属させ、安定を求めている人が多いような気がします。または家族や恋人もあるでしょう。そういう意味で、宗教やボランティアなどの活動も、今後注目を浴びるのかもしれないなと思いました。
お金2.0 資本主義の崩壊的な最近のお話。
国家予算 :Business Roundtable
企業のステークホルダーは株主だけでなく、従業員、地域コミュニティ、そして社会全体に広くわたる。
SDGs 持続可能な開発目標
ESG 環境・社会・企業統治
トリアージ
アメリカ 600兆円を超える経済対策を発表。日本は事業規模200兆円以上の補正予算を計上。スペインはベーシックインカムを主要国のなかで初めて導入。日本の年間税収額60兆円、およそ2割を還元した(12兆8803億円)
さらっと読んでしまいましたが、最近のトレンドなお話をコロナに合わせてされています。アップルが時価総額が2兆ドルの大台に接近したり、GAFA+Mの時価総額が、東証一部全体の時価総額を越えた時代です。企業が国家並みの役割を担うことが、求められてきているのかも知れません。
最近少し思ったのは、オリンピックのバッジと同じくらい、サラリーマンのおっちゃんたちが胸にピンバッチを付け出したSDGsがあります。これらもコロナ時代では、加速するのかなと思ったりました。
あとはベーシックインカム。なんかバズりそうですね。いずれは社会福祉の観点でも生かされる的なものになるのかもですが、先進国では、スペインが初めてだったのは知りませんでした。今度、何か本あれば読んでみたいですね。
人類2.0でまとめ。
著者の言う通り、今の置かれている状況は、国家レベルで、ある意味競争ですもんね。
コロナ禍で、毎日毎日、その手のニュース番組や動画を見ることが増えまくっている訳ですが、その中であの、サピエンス、ホモデウスのユヴァリさんも、コロナについて、いろいろ言っておりました。
この本は、ユヴァリさんレベルまではいかないにせよ、タイムリーなこのタイミングで、最速のスピード感で出版されたことは価値があると思いました。
今のコロナ時代を生きる上で、また元気で日本らしい日本をつくりたい!と思う気持ちは共通です。
著者が言うように、悲観的にならず、最大のチャンスと捉え、自身の行動を変え、会社を変え、社会を変え、国を変え、地球レベルで貢献できるような流れになれば嬉しいですね。さて、また夏休み明けたら気合入れて頑張るかな〜。
©️Mahalopine
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