秋の風
「なんかちょっと風が秋っぽいよね」
いつもの公園を過ぎたところ
土手沿いの木陰の小道には涼やかな風が流れている。
鼻から大きく行きを吸い込むと、
かすかな木々の香りのなか
やわらかい秋を少し感じた。
周りの音もボリュームダウンしていて風に乗って運ばれてくる蝉たちの声も小さく聞こえてくるだけ
通りすぎる人たちも
いつもすれ違う顔ぶれが
少し穏やかな表情で
それぞれの感覚で秋を感じているよう
喧騒とした仕事のことを
考えることをふとやめて
ベンチに腰かけて
お気に入りのハンドタオルで汗を拭い
立ち上がってゆっくりと歩きだすと
通りすぎる風のなか
やわらかい秋を少し感じた。
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