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展示会に行くのは1日ひとつだけにしています

私は美術展や個展などは、だいたい1日ひとつ、多くてふたつ程度しか行きません。というか、行けません。〇〇売り場などのリサーチなら、何件も行けますが、高度な美術品や工芸品などの場合は沢山観る事は出来ません。

例えば、正倉院展のような、人類の至宝のようなもの、その他素晴らしい創作性のものなどは、真剣に観ると物凄く疲れます。

相手は、私よりも遥かに大きな存在で、それを受け止めるのですから疲れるのは当然です。

東京国立博物館は年に何度も行きますが、ウチはだいたい常設展しか観ません。しかし、東博の常設展は素晴らしいものがたくさんあるので「今日は茶陶を観に行こう」「今日はアジアの染色染織をメインに」という具合に、決めて行きます。実際、館内は広いので相当な距離歩く事になりますし。

全体をざっくり流して、気になるものだけ拾い観することはありますが、全体をまともに受け止めたら神経が持ちません。

良いものだからこそ、10〜20点も観たら神経が疲れてしまって感受性は閉じます。

素晴らしい展示会で名品揃いで、感情が高ぶったとしても、精神に刻み込んで持ち帰る事が出来るのは1日に1〜3点だと私は考えています。(むしろ、精神が高ぶったならなおさら)

他の人は分かりませんが、私には「今日は展示会を5件回った」なんて芸当は出来ません。

仕事のことで、仕入れであるとか、仕事として観るものがあらかじめ決まっている場合なら何件も回れますが、ちゃんと鑑賞するということになると出来ないのです。

なので、私は知り合いの個展などは、そのためだけに出かける事が多いです。外出のついでに他の事はするとしても、他の展示会を予定に入れたりは殆どしません。

実際、自分が展示会をしている時に「今日はこれからあと3件、展示会を回らなければならないんだー」などと言われると、なんだか自分の展示会を適当に流されている感じがして、あまり気分が良いものではありません。

ウソだとしても「今日は、あなたの展示会のためだけに外出したんだよ、あなたの前にも後にも、何か作品なんて観たくはないし。帰りに食事はするけどね。笑」なんて言われたら、それは作者としては嬉しいものです。


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