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罵倒を愛する人々

全く無自覚に自然に他人の心へ深く刺さる「罵倒」を放つ人は、相手が幼児でも少年でも青年でも中年でも初老でも老人でも大恩ある人でも他人でも親族でも親子でも師匠でも同僚でも後輩でも、全く不条理であっても・・・

その時に罵倒したければ自然に効率よく刺さる毒矢を放つ。

その人はとにかく不快を感じれば相手に罵倒を刺したいのだ。言葉だけでなく、声色、言い回し、ニュアンスにも凝る。全く自然に。

彼らは自分の不快を瞬時に解き放ちたい、それ以上の理由は無い。動機が単純だから強い。そのために全てのエネルギーを使うほどに。

そういう性質の人は意識に上る前に罵倒が終わっているほどに罵倒のシステムが出来上がっている。

だから反射的にそうするし、だから自分がそういう人間だという自覚も全くない。むしろ気遣いのある人間だと自らを思っている。

その悪癖は強い自覚が無ければ治らないがそもそも治す気は無い。

なぜなら「その罵倒を深く愛しているのだから」

そういう人とは今までイヤというほど出会って来た。彼らはどこにでもいる全く平凡な人たちなのだ。


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