天気予報アプリを使わずに明日の天気を調べてみたら
先日、ふとこんなことを思いました。
何か気になることがあれば、スマホをさっと手に取り、さくっとGoogle検索し、ささっと結果が分かる今日この頃。
2025年に開催される大阪・関西万博の公式キャラクターの名前がどうしても思い出せず「ゲジゲジくんだっけ?違うよね?」なんて言っていたとしても、「万博 変なキャラ」でググりさえすれば、すぐに「ミャクミャク」くんという名前が見つかります。
でも、本当にそれでいいのかなあ、なんてこともたまには思う訳です。
たまにはググることなく、もっと他の方法で求める情報にたどり着いてみたいなあ、と。
いつも、は嫌ですよ、たまに、なら。ね?
そこで「何か分からないことがある時、すぐにググったりアプリを使ったりせずに答えにたどり着くまでを、遊びとしてやって記録してみたら、結構面白いんじゃないか?」というアイデアが浮かんだのです。
そこで昨日、早速やってみることにしました。
テーマは「天気予報アプリを使わずに明日の天気を調べてみること」。
●調査方針
浮かんだ方針は二つありました。
一つ目は、新聞の天気予報欄を見ること。
これなら、すぐそばにあったテーブルの上にある新聞紙を手に取るだけで、簡単に明日の天気予報が分かります。
しかし、それではなんだかつまらない…というのと、昨日その時間帯には郵便受けへ一番新しい新聞を取りに行っていなかったので、すぐに見られるのは前の日の新聞でした。
できれば最新の情報がほしい…ということで、次に浮かんだのが電話を使う方法でした。
二つ目は、電話で明日の天気予報を調べること。
思い付きはしたものの、ハードルがあることに気付いていきます。例えば…
・明日の天気予報が分かる電話番号って何番?
・電話番号案内の番号があったけど、ほとんど使ったことがなくて忘れちゃった…
特に二番目の電話番号案内の番号 (電話をかけるとオペレーターが出て「●●の電話番号を教えてください」と伝えれば自動音声で教えてくれるサービス)は、今もサービスがあるのかすら不明。
となれば、自力で調べるしかありません。
(※調べてみたらまだやってました)
ここで強力な助っ人となったのが、一ヶ月くらい前に郵便受けに入っていた「タウンページ」でした。
●タウンページを開く
「タウンページ」、ご存じですか?
日本全国市町村毎に作られていて、お店や官公庁などの電話番号が掲載されているわら半紙刷りの冊子です。
わたしが子供の頃は必ず家にありましたし、公衆電話に入ると分厚いタウンページが置いてあったものです。
青い表紙の「ハローページ」なんていうのもあって、確かこちらには個人名と固定電話番号が載っていたような記憶も…
そもそも地元には、タウンページやハローページとは別に、誰が作っていたのかは不明ですが市内の個人名の電話番号&住所録帳というのがあり、同姓同名を探したり、多い名字はどれなのか数えてみたり、これは同級生のあの子のおじいちゃんかな、お父さんかな…なんて推測する遊びをしたりしていました。
ほんの20~30年前の話ですが、まだ個人情報保護という世の中ではなかったんですよね。
今では、よく考えると怖かったよなあれ…としか思いませんが、亡くなった祖父の名前が新しい電話番号&住所録帳に何年も残っているのが、悲しくもなんとなく嬉しかった記憶があります。
●天気予報案内の番号にたどりつくまで
さて、タウンページです。
開くとすぐのページに、110や119といった緊急用の電話番号は掲載されているのですが、さすがに天気予報が分かる電話番号の記載はありませんでした。
となれば、タウンページのなかから自力でひろいだす、という方法が一番手っ取り早そうです。
天気予報を出しているのは気象台です。
ということは、官公庁関係の電話番号のなかにあるのでは…そう踏んで、タウンページ巻末にある官公庁の電話番号一覧から探してみることにしました。
気象台、気象台…
あっ、ありました!!
「週間天気予報」「自動音声案内」、これはまず間違いなさそうです。
電話をかけようとして、ふと手の動きが止まりました。
ハローページに載っている電話番号は、市外局番を抜いて掲載してあるのです。
このあたりの市外局番、何だっけ…
移住してきて三年目、市内には何度も電話をかけていますし、今思えばすぐ下にも載っています…スマホの中の電話番号帳を見ればすぐにわかったことなのですが、この時は混乱して、必死にハローページの別のページをめくっていました。
加えて、そもそも市内から市内へ電話をかけるなら市外局番は要らないのですが、ここのところ、Google Map等に記載されている番号をそのままスマホに登録してかけるのが慣例になっていたことから、そんな知識もすっかり抜け落ちていました。
すぐに市外局番はみつかり…いよいよ天気予報案内の番号に電話をかけることにしました。
●電話をかけてみて気付いたこと
「こちらは高松地方気象台です。3月25日11時発表の天気予報をお伝えします」
…というような自動音声が流れてきました。
自動音声とはいえ流暢なしゃべり方で、昔の道路交通情報のようなロボットめいた感じがありません。
最近の自動音声はなめらかだなーと思いつつ、明日の天気予報に耳を傾けたのですが、ここで非常に驚くことになりました。
天気予報の情報が、今一つ耳に入ってこなかったのです。
もちろん、音声としてはちゃんと聞こえていました。
にじゅうろくにちのてんきよほうをおつたえします、あすはくもりときどきあめ、さいこうきおんは…というような音声は確かに聞こえていました。
しかし、それを具体的な情報…曇り時々雨、という情報に変換するのに、予想以上に時間がかかっている自分を発見しました。
おそらく0.何コマというようなわずかなタイムラグなのだと思います、ですが、聞こえてくる音を情報に変換しているうちに、予報がどんどん先へ行ってしまう…驚きでした。
自動音声の速度がはやすぎる可能性もあります。
ただ、普段自分がいかに視覚情報に頼っているかを思い知らされました。
そして、ふと疑問に思いました。
わたしたちは普段、耳から入ってきている音声情報を、もっといえば、五感で感じ取った情報を、どれくらい正確に受けとることができているのだろうか、と。
●2024年以降どうなるのか?
なお、天気予報案内電話番号には「INS」というマークがついていました。
凡例を調べると「INSネットサービス」とあり、検索すると(すぐにググってしまいました)、「ISDN」という通信規格において提供していたサービスの一つだということが分かりました。
わたしもあまり詳しくはないのですが、ISDNといえばわずかながら記憶があります。
二十年以上前、インターネット接続には「ダイヤルアップ接続」を使っていました。
懐かしい方も、まったく知らないという方も、太陽系外から届いたようなこの不思議な音声を是非一度聞いてみてください。
電話回線を使うので、インターネット使用中は家の電話が使えなくなり、外出先から帰ってきた家族に「まったく電話が繋がらなかった!」と激怒されることもよくありました。
ですから、インターネットを使うときには家族に「電話使えなくなるよー」と一声かけてからするのが常でした。それか、家族が寝たあとにこっそりと…あとは分かりますね?(笑)
後年このダイヤルアップ接続に代わって出てきたのが、ISDNやADSLといったデジタル回線を使ってのインターネットサービスでした。
我が家に導入された時には「インターネットを使っている時も電話が使えるなんて画期的!」と思ったものです。
ダイヤルアップ接続よりも思い出や思い入れはなくなりますが…
そしてこのISDNですが、来年2024年に終了が予定されているそうです。
もしタウンページにあった「INS」がISDN終了に大きく関係しているとすれば、今後電話番号での天気予報案内がどうなるのか、非常に気になるところです。
…あ、これもググらずに、今度改めて調べてみようかな。
🍩食べたい‼️