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川の字就寝と育児の「他人事感」について

「川の字で寝る」というのは、両親に子供を加えた家族が同じ部屋で布団を並べ仲良く眠るスタイルとして、もしくは、家族の理想像として有名なものである。

子供が生まれてもうすぐ半年がたつ。

我が家もこの例に漏れず、畳の部屋に布団で、子供を交えての就寝スタイルを取るようになった。

同じ部屋で休むことのメリットは、何といっても夜中の対応(ミルク、オムツ替え)における負担の少なさだ。

子供と別室就寝なら、

起き上がる→立ち上がる→歩く→子供のところへ

という工程が必要になるが、同室就寝なら、

起き上がる

という動作一つだけですぐに対応できるので、負担を少なくできる。

ことに我が家は、夫が深夜と早朝に弱く、就寝から翌朝の起床までの十二時間は実質ワンオペ対応となるので、できるだけ負担は減らしたい。

実は、退院後から生後三ヶ月くらいまでは別室就寝だった。

しかし、生後四ヶ月手前くらいで夫がひどい風邪を引き、わたしと子供で数日リビングに布団を敷いて休んだところ、「うわっ、めちゃくちゃ楽…」ということに気付いてしまい、以来同室就寝のスタイルに移行した。


●様々な「川の字」

同室就寝をするようになってから気付いたことがある。

一口に「川の字」といっても様々なスタイルがあることだ。

図解しながら書いてみよう。


●子供真ん中スタイル

当初のスタイルがこれだった。

理論上は、父親側、母親側どちらからも対応することが可能となる。

育児を平等に負担している感じも出すことができる。

しかし、さっき書いたとおり、夫は深夜と早朝が苦手なので、例え子供が隣にいたとしても対応することは少なく、結局怒りの種になった。


●父母子スタイル

次に、父母がとなり同士で、母親が子供と一番近い場所で就寝するスタイル。

思い返せば、わたし自身が両親と同じ部屋に寝ていた頃もこのスタイルだった。

親がわたしを育ててくれたように、わたしもこうやって子供を育てるのか…なーんてしみじみするかと思いきや、そんなのは大間違いである。

以前別の記事で書いたように、母方のじいじ(つまりわたしの父)は、一切孫のオムツに触れることができない。

このスタイルでは、子供との間に母親が入ることで、父親の育児に対する「他人事感」が更に強まる。

我が家も当然、夫は深夜や早朝に起きてくれなかった。

(とある本には、父母子の就寝スタイルは「母親が父親の支援を得て育児をする理想的なスタイルで子供の心理発達にもよい」と書いてあるらしい。孫引きを読んだだけで原典に当たらないのは本当はよろしくないのだけれど、思わず「きいいいいいっ!」となってしまった。)

●母父子

そして、父親が子供の一番近いところに寝るスタイル。

実は先日、一度これをやってみた。

夫の体調がよく、仕事も連休前ということで余裕があったため、試しに子供の就寝から翌朝の起床までの世話を、全て夫に任せてみたのだ。

結果はどうだったか?

嬉しくてテンションが上がり、いつもより寝る時間が遅くなったので単純な比較はできないのだけれど、正直「夜中に起き上がらなくて良いってこんなに楽なのか」と感動した。

といっても、夜中に子供がグズリだした時点で目は覚めてしまい、布団の上に座ったりはしたので、完全に連続した睡眠は取れなかったのだが。

驚いたのは、一晩子供から離れて寝ただけで、わたし自身にとっても子供のお世話が「他人事」となり、夜中の何時頃に子供が目を覚ましたか、オムツがどれくらい濡れたのか、ミルクはどれくらい飲んだのか、残したのか、吐き戻しはあったのか、着替えをしたのか、すぐ寝付いたのか…というような、いつもならすぐに答えられる情報の数々について、全く疎くなってしまうということだった。

つまり、深夜から早朝にかけての子供のお世話の全てを夫に一任して一晩眠っただけで、夫がどんなふうに奮闘し、具体的にはどんなことに困ったのか、ぼんやりとしか分からなくなり、翌朝には育児がすっかり「他人事」になっていた。

これは自分の中で大きな発見であった。

●いまの就寝スタイル

いま、我が家の就寝スタイルはこんな感じで落ち着いている。

父母子の「標準的川の字スタイル」の派生版だ。

子供が先に眠り、大人があとで眠るので、子供と大人の動線がかぶらず安全性を確保できる。

また、父母が隣同士なので、寝る前に小声で少し話すということもできる。

加えて、父親と子供の距離が比較的近いので、父親の「他人事」感もいくらか軽減されている。

(ことに最近は子供が成長して泣き声も大きくなり、夜中に子供が泣くとその声に反応して夫も目を覚ます[ほとんど起き上がりはしないが]ので、わたしは密かに「しめしめ」と思っていたりする。)

とはいえ、今後も子供の成長に合わせ、就寝スタイルは少しずつ変化してゆくと思う。

わたしだって時々は夫のように、就寝から翌朝までぐっすり眠ってみたいのだ。

そんな期待を抱きつつ…

あなたは今、どんなスタイルで眠っていますか?

子供の頃、どんなスタイルで眠っていましたか?


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