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わたしのなつやすみ 最先端技術で深く潜る

7月末、夏休みになり早々限界になった。
常に喋り揉め続ける子供2人、テレビ、原稿、言葉の取り扱い量が多すぎる。
 頭が火照り、服薬しても3時間ほどしか眠れない日々。映画や読書は到底、漫画も読めず、ブライアンイーノを聞きながら1日中料理と食べ物の段取りをしていた。それ以外の時間は爪を見ていた。仕事は早々に諦めた。

「花束見たいな恋をした」の麦が仕事を始めカウリスマキ作品のゆったりした時間の流れを楽しめず「パズドラしかできねんだよ」と言ったことはあまりにも有名ですが、パズドラの方がいくらかマシ。パズドラの先にあるのが、自分の爪をぼんやり眺めることです。

「私たちの母は子供に依存せず尊重され、感情にまかせ辻褄の合わない暴論で叱ることも無かった。しかし間違いなく愛されていた。」

これは、100年後、私の子供達が私の葬式の後、親族とごはんを食べながらお喋りする予定のセリフ。こう言われるにはどうしたらいいかが、私の育児の物差し。感情的になるわけにはいかない。
予定を前倒しして松阪へ帰省した。

夕方になると溜まった湿気が水蒸気になりのぼる

仕事少しと炊事をしただけで、あとは眠っていた。実家に帰るといくらでも眠れるのは何故だろう。眠る以外何もできなくなる。

1日おきにスーパーに行くだけしか予定がない。包丁を持った姿など見たことなかった父が何度も「梨剥いたろか」と聞いてくる。梨を食べたくない時など無いので、毎回剥いてもらう。
小ぶりで味の濃い幸水は、父の推し梨園で買ったそう。いろんな推しがある。

家の前の畑にはブルーベリーの木が3本あり、どれも鈴なりで、暇に任せてブルーベリーパイも焼いた。「もう飽きた、捨てよかな」と言っていた母も食べていた。

子供達は広々した家を走り回り、食べまくり、あまりの健やかさに体が発光していた。

2週間ほど滞在して帰宅。
なんとか数日耐えて、今度は夫が子供達を姑の家に。ここから私は2週間で1ヶ月分の仕事をこなすことになる。

せっかく仕事も溜まっているし、と、急遽、兵庫県立先端科学支援センターの予約を取る。電車を乗り継ぎ片道3時間ほど、溜まっていたラジオを聴きながらだとあっという間だった。

森の中、広い机、つよいwifi
自動販売機までの道のりですら綺麗で
小鳥の声が聞こえる
時間により光の長さが変わる
設計:磯崎新
庭:ピーター・ウォーカー
社会から遮断されエスケープしているような感覚

昼は施設の食堂で食べ、夜は食堂の弁当が届く。
働いて、疲れたらサウナやマッサージ機でリセットし、また働く。年末にグループで出そうと計画しているフィクションも書き上げ、仕事も一通り終えられた。

1日目の夕方、とても短い間雨が降った。
風でゆれる木や、すでに雨雲が去った西側の空を染める夕日を見ながら雨音を聴いていると、強烈な幸せを感じ、少し泣きそうになる。

私は私の体に、どこにでもいけることを教えてあげないと。
私は私の頭に、もっといろんなことができることを教えてあげないと。

育児は幸せな作業だが、家庭に繋がれているのは確か。意図的に鎖を切り行動範囲をこじ開けるリハビリを進めたいと思う。
私はいつまでもそこにいない。

3時間かけ帰宅し、また仕事。
長いインタビューを取る。1時間以上話していると、事前調査では教えてくれなかった「それが聞きたかったんです!」というような話をしてくれる瞬間がありおもしろい。
ほとんど寝ずに仕上げ、次は京都へ。

既存建物は築105年の登録有形文化財を一部残す旧日本生命京都三条ビル(一部1983年に建て替え済み)。1914年に竣工した文化財部分の建物は、東京駅や日本銀行の設計で知られる辰野金吾率いる辰野・片岡建築事務所の設計で、石貼りの外観などにその作風がよく表れています。 
株式会社リビタ PR TIMES

天井が高くとても気持ちよかった。玄関から階段を降りてベッドとリビングへ、という構造、
潜って隠れているようで安心した。
しばらくずっと仕事をしていたので、久しぶりに映画を観たら全てとても面白かった。
部活の間に飲む給水機の水の味を思い出した。
いくらでも飲める、あの感じ。

観た映画たち

3人のアンヌ ホン・サンス監督
イザベル・ユペール主演

とんでもなくかわいいイザベル・ユペール。焼酎のガラス瓶でループしていた。3人目がとても好き。

テルマ&ルイーズ リドリー・スコット監督

あまりに美しすぎるラスト
これ観てからデスプルーフ観た方が良かったな。

架空OL日記 バカリズム脚本

ブログは「一体どういうつもりだ」と思いながら読んでいたが、ドラマですでに何の違和感もなく受け入れ済で、ゆるいあるあるがただ続く映画は何時間でも観られたし、観終わってすぐもう一度観た。

ご存知ない方のために、ブログのリンクも


インサイド・ヘッド

まだ思春期なのか、よろこびうるせぇな、と思いました。

インサイド・ヘッド2

感情を無理矢理分類しているようで、人間のややこしさ舐めんな、と思いました。
でもこの映画で、苛立ちの原因に納得できる人がいれば喜ばしいこと。

ナショナル・ギャラリー 英国の至宝
フレデリック・ワイズマン監督 181分

ワイズマン監督にしては短めな印象。とても面白い。チャリティーイベントに協力するかどうか、予算について、など会議のシーンがとても好きだった。それぞれの使命のため誠実に働いている様子が見えた。子供向けのツアーも楽しそう。

息子から「今年1番おもしろいから」と連絡が来たので翌日観た。ライアン・ゴズリング何やってもおもしろく見える。監督が元スタントマンだそうで、スタントマンあるあるみたいなのが沢山。
劇中で製作されていた、メタルDUNEみたいな映画もおもしろそうだった。エンドロール大好き。

Chime 黒沢清監督

痺れる。誰がいつ狂うのか、すでに狂ってるのか分からない世界。清潔な映像と、まずそうな料理。丸鶏持ってゴネる女が好きだった。

運び屋 クリント・イーストウッド監督主演

絶対いいに決まってるしな、と後回しにしてた作品。観ていた作品が終わり勝手に再生されたのをそのまま観た。警官にポップコーン差し出すシーン好き。免許返納どころか麻薬運ぶ映画の監督主演を務めるなんて最高。

ヴィーガンズ・ハム

グリーンインフェルノなどに比べれば、何て爽やかな人肉食映画。思想は自由で批判は無いが、人間以外の生き物も総じて雑食より草食の方が臭みなく美味しそうではある。

サユリ 白石晃士監督 押切蓮介原作

ショッピングモールのシネコンレイトショーだったが、人生史上最も劇場の治安が悪かった。
いつもチラッと顔出してお辞儀して帰る劇場スタッフがずっと居て、直接注意もしていた。
怖さが1番読み取りやすく共有しやすい感情なのかな。肝試しの気持ちで来たと思うが、白石監督作品なので途中から静かになっていた。

土曜は道頓堀YOKSOKの最後のイベントへ、徳利ファンの友達が誘われて。終電までにライブが見られるかもと思ったが時間切れで見れず。
HALFBYと懐かしい話をして死ぬほど笑った。

道頓堀を眺めながらDJ聴いて少し踊って帰った


映画以外では味園紅鶴にて、俺スナさん主催のお笑いライブ、大喜利、水着下ネタ大喜利を観た。
ほぼぶっ続けで8時間ほど汗だくで大喜利を…。
笑いすぎたのと暑さが原因か、最後の水着下ネタ大喜利で頭痛眩暈がひどく座ってられず早退した。大喜利上手い人はかっこいい。
味園も終わる。

階段好きだった

宴会場で大勢の友人たちとすきやきを食べたこともあった。味園ユニバースでライブも観た。

近所の甘味処も、行きつけのうどん屋も無くなった。街は良くなっているんだろうか。
そもそも街が良くなるなんて傲慢な考えだろうか。良い街だと思える私でいたい。

それでも居心地が悪ければ、
テルマ&ルイーズのように、アクセルを踏み込み
飛び出せばいい。

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