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実験的睡眠満タン生活の報告

月20本くらい記事を書くと、私の中にある言葉が全て出ていってしまったようでSNSにもここにも書くことが無くなってしまうな…

フリーランスになったので、実験的に毎日「もうこれ以上眠れないまで寝る」というルールで生活してみているが、人生から退場したと思った読書が再び生活に戻ってきた。

仕事や家族を持って以来、本を開いて文字を追っても目をすり抜けてどこかに消えてしまう。
一人ぼっちで図書館にこもっていた子供の私は、
家族や友人と引き換えに読書を捧げたんだと
、特に残念にも思わず諦めていたのに。

前回「ああ本が読めるようになった!」と感動したのは、次女の妊娠中だった。
切迫早産で急遽入院になり24時間点滴と絶対安静。出産までの2ヶ月を病院のベッドで過ごすことになった時。

テレビも退屈でwifiも無く、通信制限のかかったスマホで読みたい本を何時間もかけて探し、入院案内が書かれたプリントの裏にリスト作った。薬の副作用で手が震え、いつにも増して字が汚い。
父に渡すと、汚いメモを頼りに図書館に行き、司書と人と一緒に本を探し集めて届けてくれた。
子供の頃、何をお願いしても聞いてくれなかったのに。
こんなに優しいことあるんか、私もしかして相当ヤバいんか?死ぬんか?と思いながら受け取って、毎日寝ても寝ても有り余る時間にまかせ読んだ。
この子はちゃんと産まれるのか?と集中できない
時は音読した。
同じ部屋のベトナム人は日本語が通じず、朝の4時
から部屋の洗面台で洗濯するので、私も堂々と音読をした。

阿川佐和子さんや高山なおみさんのエッセイや、小川糸さんの小説、三島由紀夫とか漱石の日記や
随筆も読んでいた。伏線など複雑なものやサスペ
ンス、ファンタジーはまだ読めなかった。副作用で動悸も激しく、ハラハラするものは
すぐに汗だくになりのぼせた。
体が耐えられない気がした。

感動して泣いたこともあったのに、タイトルも内
容も覚えていない。
読めていること、読んでいると気が遠くなるほど
有り余る時間が少し早く過ぎる気がして嬉しかった。
覚えているのは、窓から見える田植えすぐの
田んぼと、2ヶ月で青々と成長した稲が風で
波のようにゆらぐ光景と、風呂に入れずベタベタになった私の髪の毛の絡まり。

今はというと、取材させていただく方の書籍が目
の前にドンと積まれている。
ざっと読んで気になるところに付箋を貼り、
2度目にじっくり読んで、また別の山に移動する。
読めてる!と思えるほど理解できている自信はな
いが、おおなるほど、と感心し面白いと思える程
度には読めている。
取材とは別に読んでいる随筆や漫画もあり、
リビングのテーブルは混沌とし、本棚の密度も
上がってきた。ああ本当の私だと思う。

これ以上眠れないまで眠る、寝切ると、読書だけ ではなく、色々な習慣が戻ってきた。
副菜と汁物を作ること、簡単なお昼ご飯を作るこ
と、ぼんやりやりたいことを考え実行に移すこ
と、新しい夕飯やお菓子やパンのレシピに挑戦す
ること。

会社勤めが私にいかに向いてなかったかを
欠けていたパーツの再来で実感している。
ただ同じ時間に起きて、電車に乗る、
それだけが何故あれほど苦痛だったのか。
私には耐えられず
大きな何かが損なわれていたことに
睡眠を満たしてやっと分かった。   

弱いものには弱い者なり闘い方を
ちゃんとできない自分も悔しいが
私はここでしばらくやっていこうと思う。

映画は 小早川家の秋

小津安二郎なのに、観賞後「沁みた〜!」みたいな感情にならなかった。でも面白いです。


あと、新しい胸糞映画の金字塔「胸騒ぎ」

とにかく最悪で友人であろうともあまり他人の家には行きたく無くなる。
「拒否しないことを続けるのは、捧げたことと同じ」。怖い。


デッドデッドデーモンズデデデデデストラクション後編

「世界中が敵に回っても、私だけはあなたの味方!」なんてチンケなセリフ、全く信用できねぇな、と思っている人に。世界を犠牲にしても構わないほどの誰かが見つかれば、そこで人生上がっちゃってもいいんだな。そんな人ができたら、
いいな。

それでは
また

おやすみなさい


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