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警察が乗り込んできた話〜香港編〜

今日は日曜日なので、軽く小ネタでも。

タイトルだけみると、まったく軽くはなさそうだけれども、まあそれはそれとして。

当時、16階建マンションの8階に住んでいた私。

息子を学校に送り出し、娘をプレイルームに連れて行く準備をしておりました。

ふと、出窓のほうからネコの鳴き声が聞こえた気がして

「ん、ネコがいる?」

と思い、おもむろに窓を開け、となりを見ると…

ギリギリ植木鉢が置けるほどのスペースで、ネグリジェ姿の女性が膝を抱えてすすり泣いている。

その瞬間

「やばい…やばいよ…」

ちょっとでもぐらつけば、間違いなく転落。
相手を刺激しないよう瞬時に気配を消し、静かーに窓を閉めて、まずは深呼吸。

さて、どうしよう。

と考えていたら、あっという間にマンション周辺に人だかりができて、大騒ぎ。

友人からも電話がかかってきて

「なんか、Yukieさんちのマンション、大変なことになってるみたいだけど、大丈夫?」

「あ、それ、うちのおとなりさん。
 ごめん、今日プレイルーム行けそうにないわ」

みたいな会話をし。

メイドさんも、何の騒ぎ?という状態で、とりあえずやってきて。

落ち着かないまま家で過ごしていた、その時。

警察の人がどやどやと、我が家に入ってきたのでした。

あ、覚えてないだけで、インターホンで対応はしてます。多分。

が、総勢10名とは聞いてない。

警察の人いわく、部屋がちょうどマンションの中層階になるため、下からはしご車は届かず、屋上からもムリ

となると、となりの部屋からアプローチ!

という展開になったらしい。

実際に、説得にあたったのは、女性の警察官で、出窓から体を乗り出し、延々と話し続けている。

そんな緊迫した状況の横で、私を始め、ほかの警察官もすることがなかったのか

「あなたは日本人?」
「娘は何歳?」

と、どうでもいい話をしていた。

結局、救出までに1時間くらいかかった記憶があるけれど、その間、どうやって会話をつないでいたかは、まったく覚えていない。

おとなりの女性が、無事部屋に戻り、となりの部屋の玄関が開けられた途端、騒ぎでビビった犬まで、我が家に乱入。

一件落着したら、もう用はないとばかりに

「Thank you. Thank you.」

と言いながら、10名の警察官は、またどやどやと立ち去って行ったのでした。

そして、残されたのは、当然のように土足で歩き回られた大量の足あと。

メイドさんが「アイヤー!」と叫びながら、現状復帰してくれました。ほんと、ありがたい。

ちなみに、そのおとなりさん。

以前にも、別の場所で似たような騒ぎを起こしていたそうで、寂しさのあまり、歳の離れただんなさんの気を引きたかったらしい。

「念のため病院に」

と警察の人から言われ

「あ、ちょっと待ってて」

バッチリ着替えて、メイクまでして出て行った姿は、翌日の新聞の一面にちゃっかり載っていました。

以上、香港女性、強し。な出来事でした。

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