#4  成田空港・初ミッション~~ルーターの借り入れと両替~~・・・ニューヨーク1人旅  2018年11月1日(木)1日目・・・4     

成田空港第一ターミナルの、4階の出発ロビーに到着し、まずはWi-Fiルーターを借りるため、テレコムスクエアの窓口へ向かう。 
ところが、私が行ったのは北ウィングで、ルーターを受け取る場所は、南ウィングとのことだった。
北から南へ、相変わらず16㎏のスーツケースとボストンバック、襷がけ鞄を下げて移動する。
ただ移動するだけなのだが、嬉しくて嬉しくて、うきうきしながら南ウィングへ向かった。スーツケースのタイヤがゴロゴロと鳴る音が快感だった。
 
南ウィング。見覚えのある風景。
そう、10ヵ月前に留学する次女を見送った場所だ。時計台や並んだ椅子、 コーヒーショップもそのままに、窓ガラスからは何機もの飛行機が大きく見えていた。ゆっくりと鳴り響く案内チャイムも懐かしい。
今、成田空港にいる嬉しさを噛みしめ、喜びにひたりながら辺りを見回すと、前方にテレコムスクエアの窓口を発見。そしてすぐ隣に両替所が見えた。Wi-Fiルーターを借りた後に、日本円をドルに両替することにしていたので、ちょうどよかった。
 
テレコムスクエアの窓口で、Verizon(ベライゾン)のWi-Fiルーターを借りた。Verizonはアメリカの通信会社。New Yorkの情報誌やエッセイ本を読み漁ってきた私には、耳なれた社名だ。ここでVerizonと関われただけでも、アメリカ・New Yorkと繋がれて嬉しかった。
簡単に使い方を説明してもらいながら、不備や故障が起きた時の連絡先、 1日に使える時間や容量などを確認する。
すると、文字だけのやり取りなら気にしなくてもよいが、SNSへの写真付き投稿となると、1日1投稿が限界で、それ以上使用すると、たちまち通信速度が遅くなるとのこと。
へ? 1日1投稿だけ? New Yorkから逐一SNS投稿をしようと思っていたので、ガッカリした。でも仕方がない。投稿は宿泊先のフリーWi-Fiからにしよう。街なかでネットがまったく繋がらないよりはルーターで繋がった方が、ずっと安心だ。
帰国する23日の夜に、羽田空港で返却する約束をし、トランプカードほどの大きさの箱型ルーターを借りた。ケースに片付けながら〝New Yorkに着いたら3週間よろしくね〟とルーターに挨拶をした。
 
続いて、お隣の両替所に移動する。日本円で10万円分をアメリカドルに換えることにした。制限内の金額とのことで、希望のドル札を希望枚数替えることができた。窓口のおばちゃんに
「どうしますか?」
と聞かれたが、答えられなかった。何ドル札が何枚必要かなど、さっぱり見当がつかない。
「あのぅ……、初めての海外なので、全然わからなくて……、見当もつかないですぅ……」
と言うとおばちゃんは笑いながら、
「そうですよねぇ、では、一般的な両替をしておきます」
といって、100$札3枚、50$札2枚、その他20ドル札、10ドル札、1ドル札を適当に両替し、差額の小銭を日本円とともに渡してくれた。
そのドル札は全部が新札で、紙幣同士がぴったりとくっついており、新札の匂いがプンプンした。襷がけ鞄の中のポーチに入れても、ファスナーを開いただけでプ~ンと匂ってくる。こんなに匂うままNew Yorkに持って行ったら、犯罪に巻き込まれてしまうのではないかと、少し不安になるほどだった。

よし、気をしっかり持とう。自分を守れるのは自分だけだ。
たとえこのお金が盗まれても、まだ銀行口座に残っている。
パスポートさえ盗まれなければ大丈夫。そう自分に言い聞かせた。

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