#135 食べたかった物、発見!・・・ニューヨーク1人旅  2018年11月12日(月)12日目・・・9

宿の最寄り駅である、Atlantics Avenue - Barclays Center stationに戻って、晩御飯に悩んだ。どうしてもスーパーのお惣菜が美味しく感じられず、屋台も味付けが濃すぎて口に合わない。でも飲食店には入れず、それどころか、目についたそのショップが、飲食店かどうかも、未だ判断がつかない。

駅を出て、宿に向かって歩きながら悩んでいると、ふと大きなワンボックスカーが目に留まった。よく見るとボディに大きく『CESAR’S EMPANADAS』と書かれてあった。

一文字、一文字、読んみる。
エ、ン、パ、ナ、ア、ダ、エンパナーダ、ええ? エンパナーダ!? え? え? あのエンパナーダ!?!?!? 

あの、というのは、大好きなアメリカのテレビドラマ【アグリーベティ】の中で、主人公のベティが、勤務先にお弁当として持って行っていたエンパナーダ。
日本でいうところの、あたたかい具入りのパン、もしくは形を変えた肉まん、または揚げていないピロシキのようなもの。
ドラマの中では毛嫌いされていたけれど、ベティや同僚は美味しそうに食べていて、私も食べたいと思っていたのだ。

夕食に悩んでいるときに宿の近くで偶然見つけて、当然テンションは上がる。ちゃんと購入できるか不安はあるけれど、とにかく車に近づいてみた。

購入中の先客を、後ろからそっと観察する。
窓の下にメニューが書かれてあり、なんと、chicken、Egg、meat、spinach、cheeseなど、私でも読める文字ばかりで、鶏肉にほうれん草なんてまさに今、食べたい食材だ。これなら注文できると思い嬉しくなった。 

余談だが、子育て真っ最中時代に、時間的、金銭的、精神的、体力的などなど、すべてがNew Yorkとはかけ離れ、想いを寄せる余裕もない生活を送っていた時、せめて、せめて、せめて1mmでもNew Yorkに近づきたくて、NHKラジオで、中学生英語基礎講座を数か月間、聞いていたことがある。
あんなに熱を入れて聞いていたわりには、20年以上経って、ほとんど忘れてしまったのだが、何故かほうれん草のspinachと、かばのhippopotamusはしっかりと覚えていた。それが20年以上経ったキッチンカーで、エンパナーダを買うときに、覚えていたほうれん草のspinachが役に立つことになるとは、不思議なものだ。 

野菜好きとしては、緑のほうれん草は嬉しい、嬉しい。
窓の向こう(車内)にいるおじちゃんに、勇気を出して言ってみた。
「ONE、EMPANADA、chicken、&、spinach」
おじちゃんはうなづきながら
「OK」
と言って、しばらくすると小さな紙袋に入った、あったかいエンパナーダを手渡してくれた。値段は$3。間違っているといけないので$5札を渡す。
ちゃんと$2のお釣りをもらうことができて
「Thank you」
とお礼を言った。
買えた! エンパナーダが買えた! しかもチキンとほうれん草入りだと伝えることができて、ちゃんと伝わった。嬉しくて嬉しくて嬉しくて、宿までの数10mを、出来立てのあったかいエンパナーダを大事に持って、走って帰った。

部屋に入り早速食べてみる。モチモチのパイ生地の中に、鶏肉とほうれん草が入って美味しい。肉まんのさっぱりバージョン。
1個では物足りないが、果物やヨーグルトと合わせて食べると、ちょうど腹八分目。しっかり食事になった。

以後、帰国まで何度もお世話になることになる。きっと将来移住しても、頻繁に食べるだろうなと思えた。

エンパナーダを美味しくいただき、さて、明日はどこに行こうか。
何しろほぼ無計画なうえに、明日は英会話スクールはお休みで、丸1日、時間を気にせずNew Yorkを周れる、貴重な日だ。
ところが天気予報は雨。滞在中は、ほとんど外を歩き回るのに、雨は困ったなぁ。ロングアイランドの海に行きたいなぁ、でも悪天候は嫌だなぁと思いながらガイドブックを見ていたら、いつの間にか寝落ちしてしまった。

毎日、学校の後、ずっとハイテンションで歩き続け、移動し続け、気分的にはすこぶる元気なのだが、身体は心地よく疲れているらしかった。 


★  12日目に行った所  
・  Dylan’s Candy Bar(ディランズ・キャンディ・バー)
・  Tramway でRoosevelt Island
・  M&M
・  ディズニーストア

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