#5  成田空港・親切なカウンターのおねえさん・・・ニューヨーク1人旅  2018年11月1日(木)1日目・・・5

搭乗前のミッションとして、Wi-Fiルーターを借り、日本円をドルに換えた。次はチェックインをし、スーツケースを預ける。
10ヵ月前に留学する娘の出発を見ていたので、手順はわかっていた。
けれど上手くできるかどうか不安があり、早く安心したかった。
 
New Yorkで訪ねることになっている人から、お使いを頼まれていた。
アメリカには売っていないのに、アメリカンスピリッツという紫色のパッケージをしたタバコ。免税店で買うと安いと聞いていたので、スーツケースを預ける前に買って入れてしまおうと思っていたのだ。

搭乗までには有り余る時間があり、空港内はまだガラ~ンとしていた。
搭乗するANAのAカウンターのおねえさんを茶化しつつ、声をかけた。
「アメリカには売っていないのに、アメリカンスピリッツという紫のパッケージをしたタバコを買いたいのですが、売り場はどこですか?」
から始まり、預ける手荷物や機内持ち込みの可能な数、チェックインの仕方、飛行機の中で書く書類のこと、機内で日本語は通じるのかなど、質問攻めにしてしまった。
日本の航空会社の飛行機に乗るのだから、日本語が通じるのは当たり前なのに、何だか心細かったのだ。
実際におねえさんに教えてもらうまで、機内に持ち込める荷物が2つだということを知らなかった。本来なら事前調査しておく事なのだろうが、面倒だったとの、行き当たりばったりを楽しみたくて、あえて詳細は調べなかった。最低限パスポートと搭乗チケットがあれば、JFK空港に行けると思っていたからだ。
 
おねえさんにとっては、こんな初歩的なことも知らないのかと呆れ返るような愚問に、1つ1つ親切丁寧に答えてくれた。
いろいろと調べていただいた結果、買いたいタバコは、荷物を預け、出国手続きをした後の免税店にあり、機内持ち込みの手荷物になることがわかった。
「スーツケースを預けて、出国手続きをした後でお買い求めいただき、
機内持ち込みがラクですね」
と教えてくれた。機内に持ち込める手荷物は2つまで。襷がけ鞄と合せて2つになるのでOK。免税店の場所も地図にマーカーを引きながら、番号と行き方を丁寧に教えてくれた。

おねえさん自身はアメリカには行ったことがなく、アメリカ行きの機内の様子まではわからないとのことだったが、
「機内キャビンアテンダントは日本人ですから、大丈夫ですよ」
と安心させてくれた。さらに親切なおねえさんは、
「ここでチェックインを済ませてしまいましょう」
といって、本来なら自分で機械の所まで行ってやらなければいけない手続きを、カウンター内でササッとしてくださった。充分な安心をくれたおねえさんの親切に感謝した。有り難かった。嬉しかった。
ただ、チェックインの手続きは、自分の手でやってみたかったので、貴重な経験の1つをやり損ねてしまったことは、正直少々残念だった。
でも、おねえさんのあまりに親切な対応に断れなかった。

「マイルを貯めるので、マイレージカードのご提示をお願いします」
〝え? マイレージカード? 持って来てないよ。だってチェックイン時に必要なんて、知らないもん〟
カード番号も搭乗便名も日時もわかっているのだから、マイルなんてカード登録して搭乗さえすれば、勝手に貯まって行くものだと思い込んでいた。
おねえさんは、
「では帰国されたらご自分でお願いします」
と。
帰国後によく見たら、携帯電話のメモ帳にしっかりカード番号は書き込んであったのだが、すっかり忘れていた、アンポンタンの私だった。

初海外で、すべてがシドロモドロの50半ばのオバハンに、ANAのおねえさんは大層丁寧に、40分も付き合って親切をたくさんくれたのだった。

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