#118 Madison Square Garden内に入る・・・ニューヨーク1人旅  2018年11月10日(土)10日目・・・7

19:15。
Madison Square Gardenに到着すると、入口にはすでに行列ができていた。

開演は20:00なので、まだ時間に余裕はあるのだが、きっとみんな私と同じで、はやる気持ちが抑えきれず、早く早くとワクワクが溢れ出てしまっているんだろうなぁ。
チケットを手にしている人たちの行列の最後尾に並び、ドキドキしながら開場を待っていた。
日本人に比べて年上に見えるNew Yorkerの年齢は、実際にはよくわからないが、客層はおそらく私より年上が多いような気がした。

ほんの数分並んでいると、列が前に進み出した。
洋楽に全く興味のない長女が、ただの紙切れとほざき、成田空港のカウンターに置き忘れても無事に戻ってきた、神聖なる大切な大切なチケット。

入口を入ると、チケットのバーコードをピッとされ、空港にあるような金属探知機をくぐった。
次に鞄の中の手荷物検査があり、かなり念入りにチェックされた。

鞄の中には水入りのペットボトルが入っていた。金属探知機を抜けたところで、手荷物検査をしていたガッチリ体型のスタッフに呼び止められた。
ガッチリおじさんは、ペットボトルを私の鞄から取り出し、何か言っている。きっと〝これは持ち込めないから捨てていいか〟と聞いているのだろう。けれどしっかりとは理解できない。しかも混雑した忙しさの中で、殺気立ったような口調が怖かった。どう返事をしたらいいかわからず、固まってしまい動けない私を見ながら、ガッチリおじさんは、床に置かれた箱に、水入りのペットボトルをパーンと手で跳ね除けて飛ばし入れた。その様子を見たら余計に怖くなって、その場からそそくさと離れた。

チケットは日本から正規で購入したものだし、ピッは終わっているのだから、堂々と席に着いてもいいのだ。けれど、水入りペットボトルが飛ばされたのを見たら怖くて、ドキドキした心臓を左手で押さえながら鎮め、場内へ向かった。

エスカレーターで上がる。  何階分上っただろう。
私のチケットは106の入り口と書かれてあるが、上れど上れど、着かなかった。どんどん上っていると、やっと106のロビーに到着。
フロアごとにドデカク数字が書いてあるので、わかりやすかった。

ロビーでは、ポテトやハンバーガー、ドリンクがスタンドで売られていた。当然ペットボトルのお水もあるわけで、ここでペットボトルのお水を飲んでもいいのなら、入場時にわざわざ捨てなくても、そのまま持ち込みさせてくれてもよかったのに、と思いながら、入場チェックで没収されてしまったので、渋々購入した。

入口から場内、フロアから座席まで、すべて番号通りに進めばよかったので、英語が読めなくてもわかりやすかったし、迷うことなくすんなり着席できた。

19:30着席。

驚いたことに、10年前に行った東京ドーム公演のときと、ほぼ同じ場所だった。ただ、東京ドームに比べてMadison Square Gardenの収容人数が半分以下のため、ステージが近く、開放感があって、ずいぶんと見えやすかった。

ステージ上の真ん中にはピアノが置かれ、〝ああ、あそこに座って演奏してくれるんだな〟と思うと、嬉しさが込み上げてきてドキドキした。

開演30分前に席に着いた時には、客席はまだ1割ほどしか埋っていなかった。両隣り、前後、そして周りにもほとんど人がいなかったので、空間を楽しみながら、場内をゆっくりと見渡すことができた。

私にとってMadison Square Gardenは、かつてバスケットボールの神様であるマイケル・ジョーダンが、神業的なダンクシュートを決める姿を、日本のテレビで食い入るように見ていた場所だ。
当時は、生まれ変わったらマイケル・ジョーダンになって、ダンクシュートを決めたいと思っていたほどだった。そのMadison Square Gardenで、恋しすぎて泣けるほどのBilly Joelのコンサートが観られるなんて、これはもはやただの幸運ではなく、来るべくして来たのだ!と勝手に都合よく思い込みながら、すっかり呼ばれた気になって悦に入っていた。

開演時間が迫ってくるとともに、段々と客席が埋まり始めた。
驚いたことに多くの人が、大きな箱を抱えて入場してきており、その箱の中にはフライドポテトやドリンクがどっさりと入っていた。その量も驚きだが、コンサート前に席であんなにしっかりと食べることにびっくりした。
しかも周囲の人には匂いも届いてしまうわけで、でもそれもここではOKなのだろう。日本では見ない光景を興味津々で楽しんだ。

客の中には日本人もチラホラ見かけた。前列と4列前に同年代くらいのご夫婦が座っていた。日本から飛行機直行便でも14時間もかかるNew York・ManhattanのMadison Square Gardenで、何組もの日本人を見かけ、改めて日本でのBilly Joelの人気の高さに驚いた。

20:30頃、コンサートは約30分遅れでスタートした。

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