#119 Madison Square Garden開演・自分への誕生日プレゼント・・・ニューヨーク1人旅  2018年11月10日(土)10日目・・・8

10年前に東京ドームで聴いたBilly Joel。今度はNew York・ManhattanのMadison Square Gardenで聴く。
コンサートは30分遅れて、20:30頃スタートした。

10年前より、確かに年齢を重ねて、より大人になったBilly Joelだが、歌声はまったく衰えていない。むしろ69歳の深みのある円熟したステージだった。

どの楽曲をどこで聴いても素敵だが、やっぱりNew York ・Manhattanがいい。そして、あの時と同じように、【New York State of Mind】のイントロが流れてきたら、やはり心臓がキューンとなって、泣いてしまった。
止まらない涙をぬぐいながら、必死に聴き、ステージを見つめた。
ポップな曲が多くて、ノリノリのステージだが、この楽曲だけは、どうしても私にとって特別だ。どんなときも一瞬で私とNew Yorkをつなげてくれる。

後半はノリノリの楽曲が続き、場内は大盛り上がり。そして周りのご夫婦たちは仲良しのハグ、キスで感動を分かち合っていた。

日本と違うのは、コナンサート中に、写真や動画を撮ることが許されていたこと。日本ではかなり厳しい著作権問題でNGだが、New York ・Manhattanは寛大だった。
途中、エアロスミスのギタリストがゲスト出演したのだが、終焉後、そのまま病院に緊急搬送されていたことを、帰国後に知った。

こんな素敵なコンサートを毎月観られるNew Yorkerが羨ましい。
けれど、滅多に観られない、体感できないコンサートだからこそ、余計にしっかりと楽しみたかった。

Billy Joelも私も、年齢や住んでいる所を考えると、今後、いつまた同じ空間で楽しめるかわからないし、その機会は数えるほどだろう。けれど、仮に一生に一回だったとしても、York・ManhattanのMadison Square GardenでのBilly Joelのコンサートに来られたことは、私の一生の宝物の出来事だ。

コンサートが終わり、ロビーに出ると、急にパンフレットが欲しくなった。実は自宅には10年前に東京ドームで買ったパンフレットがあるのだが、英語で全く読めないため、買っただけで本棚に押し込んだままだった。
だからMadison Square Gardenでは買わないつもりだったのだが、こんなに大きな感動を受けたまま、手ぶらで帰ることができない。

グッズ売り場に行くと、TシャツやCD、キーホルダーなどの小物はあったが、パンフレットは見当たらなかった。
けれど、柱の上の方に無造作に張り付けてあったので、パンフレットそのものの販売はしているかもしれない。
英語が分らず聞くことができなかったが、意を決して売り場のおねえさんに訴えてみた。
「ツアーパンフレット」
怪訝な顔をするお姉さん。
「パンフレット! パンフレット!! ツアーパンフレット!!!」
何度も何度も訴えたが、その度に苦虫をつぶしたような顔になっていくおねえさん。きっとパンフレットではなく、別の単語があるのだろうな。でも私にはわからない。
このままでは伝わらないと思い、売り場から少し離れた、柱に貼りついていたパンフレットの前まで行き指を指した。〝へん!なぁ~んだ、こいつ。このことを言っていたのか〟
意を決して聞き、心臓バクバクの私を、明らかに小馬鹿にしたおねえさんは、売り場の一角に置いてあったであろうパンフレットを1冊取り出し、渡してくれた。〝なんだ。パンフレットあるんじゃん! 最初から出しとけよ!!〟
小馬鹿にされ逆ギレした器の小さい私は、Thank youも言わずに支払いだけ済ませて、さっさとその場を離れ、階下へ下りた。

コンサートは文字通り夢のような体験だった。生まれて53年間、1度もパスポートを持ったことがなく、海外に行ったことのなかった私が、英語もわからず1人でNew Yorkに来て、New York出身のBilly Joelのコンサートを、ManhattanのMadison Square Gardenで観ることができたなんて、自分でも驚きだった。
けれど、現実の出来事なのだ。
感動とともに、自分で自分を褒めたかった。すごいぞ私。よくここまで1人でできたね。だからBilly Joelが感動というご褒美にくれたんだよ。

1階に降りてくると、天井にBilly Joelの映像が映し出されていた。

10年前に東京ドームで、そして今の今まで観ていたコンサート。
夢心地のうちに終わってしまったけれど、一生の宝物のできごとの1つになったことは間違いない。

外に出ると23時を過ぎていた。
さっきステージ上に現れていた演出の警備員たちが観客に囲まれており、こんなことありなの?と驚いた。

白く光っていたEmpire State Building(エンパイア)が綺麗だった。

もうすぐ誕生日を迎える自分への素晴らしいプレゼントになった。


 ★  10日目に行った所  2018年11月10日(土)
・  BIGBAS(観光バス)でdowntown(途中で断念)
・  Central ParkとStrawberry Fieldsからダコタハウス(外観)
・  リンカーンセンター(外観)
・  THE SHOPS AT COLUMBUS CIRCLE・  Madison Square Garden(Billy Joelコンサート)

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