#93  ヤダ!ヤダ!!ヤダ!!!締め出さないでぇーっ!!!!!・・・ニューヨーク1人旅 2018年11月7日(水)7日目・・・8

マップアプリに、散々騙され振り回されながら、やっと到着したTrinity Church(トリニティ教会)。

敷地内にはお墓が並び、少しピリッとした空気感が漂っていた。
一周りして写真を撮って安心したら、おトイレに行きたくなってしまい、
建物内に入ることがすっ飛んでしまった。

敷地を出て辺りを見回すが、私が入れそうな店舗や建物がわからない。
少し歩いてみようと思ったが、このまま見つからないと緊急事態が発生しそうなので、とりあえず人がいるお向かいのCitibankに飛び込んだ。

日本の銀行のように、広めのロビーに長い椅子がいくつもあり、正面のカウンターの中には、窓口の女性が数人並んでいた。
「May I use the restroom?」

毎日、あまりにも頻繁にモヨオスので、昨晩、聞き方を調べておいた。
何度か発音の練習もしたのだが、やはり本番では上手く舌が回らない。
しかも切羽詰っている。
〝お願い!おトイレ貸して! 急いでるの!〟
心で叫びながら、受付のおねえさんたちに訴えた。

ところが、全員そろって首を横に振りながら、
「Oh! No、#$%&‘()=|¥’&%$#」
何を言っているのか、さっぱりわからなかったが、おトイレが借りられないことはわかった。
〝ええーっ!銀行なのにおトイレないの? じゃあ、あなたたちはどうしてるのサ!〟いや、お姉さんたちはちゃんとオフィスのおトイレを使っているはずだ。どこの馬の骨ともわからない、切羽詰ったよそ者には、防犯上のこともあり貸せないのだろう。うう、困った。
すると1人のお姉さんが、
「!#$“%&‘」¥(’&%Trinity!#$“%&‘¥(’))」
と言いながら外を指差した。運よくTrinityが聞き取れた。〝トリニティ教会なら借りられるわよ。きっと大丈夫よ〟と言っているようだ。他のおねえさんたちも、うんうんとうなずいている。
〝ええ~? トリニティ教会? 今、行ってた所だよぉ〟
もうトホホだ。けれどこれで、トリニティ教会には入れるおトイレがあるということがわかった。

お礼もそこそこに、すぐにCitibankを出て、再び道路を挟んだお向かいのトリニティ教会へ急いだ。教会と言えども、Manhattanの建物だ。当然セキュリティのおじちゃんおばちゃんはいるので、再び現れた私に、何も言わなかったが、〝あれ?あいつまた来たのかよ〟と思った警備員がいたかもしれない。少々恥ずかしいと思いながら、行きたい場所が場所なので、女性警備員を探した。運よく会えたので、
「Where is restroom?」
と聞いた。すると、
「!#$“%&‘@4k・¥around(’&%!#$“%&‘¥(’))」
と腕で輪を描きながら教えてくれた。運よくaroundが聞き取れたので、〝あ、裏手に回るのだ〟と理解できた。

さっきまでボーっと眺めたりパチパチ写真を撮りまくっていた庭を大急ぎで通り抜けて、教会建物の裏側に回った。
鐵製の、重厚でドでかい扉があった。日本のコンビニの自動ドア2個分の幅はあっただろうか。ううぅーーーんと力を込めて片方のドアを押すと、静かにそーっと開いた。すると中にいた数人の職員らしき人たちが、「NO!NO!!NO!!!NO!!!!」
と言いながら閉め返してきた。
ヤダ!ヤダ!!ヤダ!!! ここで閉め出されたら、おトイレに行けなくなってしまう。閉め返されたドアを必死に反発しながら押し返し、
「Excuse Me  restroom OK?」
と慌てて懇願した。
すると、〝ああ、そういうことか。それならOKさ〟と言ったかどうかはわからないが、激しい拒絶が急にWelcomeになり、招き入れられた。
さすが教会だ。困っている人には優しい。そうじゃなくてもNew Yorkerは優しい。
おトイレは出入口のすぐ横にあった。示されたドアを開けて中に入る。
すると〝え?何?ここ!!〟
畳で言うと10畳ほどあっただろうか。広い部屋の奥の壁にポツンと1つ、取り付けられていた。どうしてこんなに無駄に広い? ここまで広くする意味ある? そういえば、先日の郵便局の地下のおトイレもだだっ広かったなぁと思いながら用を済ませた。

スッキリしておトイレから出ると、先ほどの職員たちは特に気にするでもなく雑談していた。
「Thank you」
とお礼を言い外へ出た。

あーすっきりした。

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