#14 機内・なんと不愉快な・・・ニューヨーク1人旅 2018年11月1日(木)1日目 14

機内での食事時間が終わると、照明が徐々に暗くなり、乗客たちは入眠準備に入る。
けれど私は、食事開始が他の乗客より遅かったせいで、食べ終わらないうちに、薄暗くなってきてしまった。
もっとゆっくり食べたかったが、通路側の中年男性が寝入ってしまったら、おトイレに行けなくなってしまうので、残りの食事をかき込んで、慌てておトイレに行き用を済ませた。
そして時差ぼけを気にしつつも、睡魔に任せて眠った。

眠ったと言っても多少舟をこぐ程度で、嬉しさとワクワクと少しの緊張で、熟睡はできなかった。座席前に取り付けられたモニターで、バラエティ番組やニュース、飛行機の現在地などを見ながら時々眠り、目が覚めるとまたモニターを見る、を繰り返していた。窓の外は真っ暗闇で、翼の先に付いた電球のような小さな光だけが点灯していた。
 
寝たり目覚めたりを繰り返し、ふと現在の飛行状況を地図で見ると、すでにサンフランシスコを少し超えたところだった。
いつの間にか日付変更線も越え、アメリカ大陸に入っていた。

仮眠のつもりだったが、しっかり寝ていたようだ。
背中の筋肉が固まって痛かった。 

そーっと窓のシャッターを開けると、下には真っ白な雲海が、上には深いエメラルドグリーンの空が広がっていた。窓から見渡す限りたった2色。
〝わぁ、なんてきれいな景色。素敵!!!!!〟

 感動した。
時々雲が途切れると、はるか眼下には、民家らしきものが並んでいる。
そう、アメリカの家々だ。
 
快晴が気持ちいい。気分爽快、ご機嫌で上空の旅を楽しんでいた。
するとキャビンアテンダントがやってきて、感動はぶち壊しになり、気分は一気に急降下した。
「他のお客様のご迷惑になるので、シャッターを降ろしてください」
何と不愉快な。
成田を出発してからずっと夜で真っ暗だったし、今、アメリカは真昼間であり、私は上空の快晴に感動して、超ご機嫌で楽しんでいたところだ。
それなのに機内はずっと夜のまま。昼間は無いのか!昼間はっ!! 

気分を害しながら渋々窓のシャッターを降ろし真っ暗にすると、ふてくされた。手持無沙汰からバラエティ番組を見た。キャラクターの〝ボーッと生きてんじゃねーよ〟の雄叫びに、少しスカッとし、気を静めた。

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